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1998年 3月 21日 [ 特産品 ]
No.017-3:和紙を使った手作りの土産品に注文が殺到!
富山県八尾町の身体障害者福祉作業所「おわらの里ふれあいホーム」で制作している『和紙おわらくるみ絵』が、おわら風の盆を表現した土産品として評判を呼んでいる。八尾は昔から和紙産業の盛んな町だが、この作品は、その地場産業の和紙を使って郷土色豊かな作品に仕上げられている。
また、このたび日本商工会議所・全国観光土産品連盟が観光土産品の育成を目的に主催する全国推奨観光土産品審査会で会長努力賞を受賞した。これは各県から推奨された947点の土産品の中から選ばれたもので、福祉作業所の作品としては全国で2件目の快挙。受賞してからは、イベント会場での販売依頼や個人からの注文が相次いでいる。1点2,300円で販売しているが、制作が追い付かないほどの人気ぶりだという。
作品は、おわらを踊る男女のモチーフを型紙で切り抜き、表面に綿をのせて和紙で包み、色紙に張りつけたもの。絵柄の型紙に綿を入れることで、柔らか味のある立体感が生まれ、哀調と気品漂うおわら風の盆の雰囲気を出している。色紙には、毛筆で詩情あふれるおわらの歌詞が書かれているが、これも身障者が1枚ずつ書いている。
同ホームでは、現在20才〜70才までの14名の身障者が、7つの工程を分担しながら制作。一点の作品につき30種類のパーツが必要であり、その小さなパーツを一つ一つ作りながら組み立てている。すべて手作業なので、1日に作れる数は限られている。
作品を制作している身障者は、お客さんに喜んでもらったときが、いちばん励みになるといい、常に改良を続けて作品の完成度を高めている。
「当初、女性の着物姿の方が、艶やかで見栄えがするのではと思い、女性2人で踊るものを用意しました。ところがお客さんの反応があまり良くなかったので、ハッピ姿の男性と組合せてみたら大好評でした。男性が女性を引き立て、より見栄えがするようになったからではないでしょうか」と語るのは、同ホーム運営責任者の岩倉伸一さん。
今後は、男性の絵柄はそのままにして、女性の絵柄を変えて作品のバリエーションを5、6種類に増やしていく予定。同時に、八尾町の和紙を使った新しい土産品の開発も積極的に行なっていきたいと話している。
●八尾町福祉作業所 おわらの里ふれあいホーム
〒939-2304 八尾町黒田53-3
TEL 0764-54-2117