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1997年 7月 24日 [ 特産品 ]

No.008-2:10年の歳月をかけて珍しいトキ色の日本酒を開発!


 富山市の酒店経営・寺島圭吾さん(44才)は、10年の歳月をかけてトキ色の純米酒「ニッポニアニッポン」を開発、このほど完成した。幼い頃、日本で絶滅の危機にひんしているトキに関心をもったことをきっかけに、淡紅色のトキ色酒を作りたいというロマンを追い続け、米作りから取り組んで成功したものである。
 寺島さんは、昭和61年に富山大学の結城善之講師にトキ色の酒を作りたいと相談し、外皮の赤いインドネシア米を一粒もらいうけた。その一粒の米を52粒に増やした寺島さんは、翌年から同市の農家に協力を依頼して米づくりに取り組んだ。インドネシア米は稲の成長が早いので田植え時期を1ヵ月間遅らせて富山の気候風土に合わせたり、酒米として使えるように日本米と交配して穂先のノギ(トゲ状のもの)を少なくするなど、米づくりだけで5年の歳月を費やした。
 その後、金沢市の酒造会社福光屋の研究施設を使って開発を続け、昨年春にようやく味も色も香りも満足のいく試験酒が完成した。
 トキの学名を商標にした「ニッポニアニッポン」は、透明感のある淡い赤色をしている。また、味は酸味があり、口当たりが軽くてさっぱりしており、これも日本酒のイメージとはかなり違っているが、一方で純米酒ならではのふくよかな香も残されている。
 「昔は日本にもいろんな酒があったと思います。だから“日本酒はこうだ”と決め付けるのはいちばんよくないと思います。そしてお酒は楽しみながら飲むもの、この酒もトキ色を楽しんで飲んでもらえたらうれしいですね」と寺島さん。500ml入りで1本1,500円。

* 問い合わせ
●寺島酒店
〒930 富山市緑町1-4-1
TEL 0764-24-5359

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