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1997年 6月 28日 [ トピックス ]

No.005-1:国内最大級の望遠鏡を備えた天文台が誕生


 「富山市天文台」がこのほど完成し、7月19日にオープンする。これは従来あった天文台の閉鎖に伴ったもの。口径1メートルの国内最大級の反射式望遠鏡を備えているほか、天体学習コーナーや野鳥観察コーナーなどがあり、星や自然について考える施設になっている。
 この天文台は、緑豊かな県民公園「野鳥の園」内に位置し、鉄筋コンクリート3階建て。天体観測室の望遠鏡は、アメリカのコントラベス社製(日本で2番目の導入)で、17等星まで観察することができる。また、観察したい星をコンピュータで探して即座に焦点を合わせることができるうえ、時間が経過しても星が視野の中心から離れない。望遠鏡の接眼部は、二つに分かれており、二人同時に観察することができる。さらに、片方は高さを自由に調節できるので、子供や車椅子の人にも利用しやすい。
 また、観察データを多目的に活用できるよう付属機器も充実。カラービデオカメラでの撮影をはじめ、長時間露出で撮影する冷却CCDカメラの使用もできる。星の光を波長ごとに分解して性質を調べる分光器も装備。同天文台では、これらの付属装置を駆使し、星空観察会などでバラエティに富んだ天体アプローチを展開していくことにしている。
 同天文台には、ほかにもドームスクリーンに光ファイバーを埋め込み、四季の星空を再現する「星空の部屋」や、いん石に触れる「天文展示コーナー」、天文台周辺の豊かな自然が観察できる「野鳥観察コーナー」などがある。
 倉谷寛・富山市科学文化センター館長は、「星だけではなく、地球の自然などを考える場にもしてもらえればと思っています。地球も星の一つですからね」と天文台に期待を寄せている。
  星と自然の両方が観察できる天文台施設は全国的にも珍しく、富山市天文台の大きな特色になっている。これからの活用が楽しみだ。

* 問い合わせ
●富山市科学文化センター
〒939 富山市西中野町1-8-31
TEL 0764-91-2123

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