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- No.072-3:縄文人の喜怒哀楽表す——桜町遺跡で「笑う土偶」の頭部発見
2001年 1月 29日 [ トピックス ]
No.072-3:縄文人の喜怒哀楽表す——桜町遺跡で「笑う土偶」の頭部発見
富山県小矢部市にある桜町遺跡の縄文晩期(約2700年前)層から、笑う土偶の頭部が出土した。これは、小矢部市教育委員会が昨年11月に発表したもので、長さ5.0cm、幅3.3cmで首から下は失われている。顔がリアルに表現され、喜怒哀楽の感情をはっきり表しているのが特徴的だ。
土偶とは、縄文時代に作られた土製人物像のこと。妊娠した女性をかたどったものが多いことから、豊作や病気の治癒を願った祭祀的なものとして使われていたと考えられている。その姿は目が大きく飛び出ていたり、無表情であったりと抽象化されたものが多い。しかし、今回出土した土偶はより写実的だ。鼻と2つの鼻の穴がしっかりと形づくられているほか、背部には髪の毛を表現した8本の線が刻まれている。また、表情も豊かで頭を左に少し傾け、満面の笑みを浮かべているようにも見える。
これまでに見つかっている土偶は、「目が大きい、えらが張る」といったいわゆる“タヌキ顔”の在来系縄文人の特徴を持っていた。だが、今回見つかった土偶には「瓜実顔、目が細い」といった渡来系弥生人の“キツネ顔”の特徴が見られる。このことは、この土偶が作られたのが、弥生時代に近い縄文時代晩期ということと関係すると考えられている。
「桜町遺跡は縄文時代の遺物の宝庫。何が出てきても不思議ではない」と小矢部市教育委員会の伊藤さん。今までの縄文観をくつがえすような貴重な発見が相次ぐ桜町遺跡。今後の発掘調査にますます期待が寄せられる。
問い合わせ
●小矢部市教育委員会
住所 小矢部市本町1-1
TEL 0766-67-1760
土偶とは、縄文時代に作られた土製人物像のこと。妊娠した女性をかたどったものが多いことから、豊作や病気の治癒を願った祭祀的なものとして使われていたと考えられている。その姿は目が大きく飛び出ていたり、無表情であったりと抽象化されたものが多い。しかし、今回出土した土偶はより写実的だ。鼻と2つの鼻の穴がしっかりと形づくられているほか、背部には髪の毛を表現した8本の線が刻まれている。また、表情も豊かで頭を左に少し傾け、満面の笑みを浮かべているようにも見える。
これまでに見つかっている土偶は、「目が大きい、えらが張る」といったいわゆる“タヌキ顔”の在来系縄文人の特徴を持っていた。だが、今回見つかった土偶には「瓜実顔、目が細い」といった渡来系弥生人の“キツネ顔”の特徴が見られる。このことは、この土偶が作られたのが、弥生時代に近い縄文時代晩期ということと関係すると考えられている。
「桜町遺跡は縄文時代の遺物の宝庫。何が出てきても不思議ではない」と小矢部市教育委員会の伊藤さん。今までの縄文観をくつがえすような貴重な発見が相次ぐ桜町遺跡。今後の発掘調査にますます期待が寄せられる。
問い合わせ
●小矢部市教育委員会
住所 小矢部市本町1-1
TEL 0766-67-1760