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2001年 10月 20日 [ トピックス ]
No.081-5:世界の海に「越中式定置網」の漁法を広めよう
●映画「赤い橋の下のぬるい水」の舞台 氷見市
氷見沖での定置網漁、魚市場、氷見の町並、商店街などを撮影した映画が間もなく公開される。今村昌平監督の映画「赤い橋の下のぬるい水」(11月3日より全国公開)で、昨年10月25日から約1カ月半にわたり氷見市内でロケが行われた。
この作品は、「水」をめぐる女と男の至福に満ちた愛のファンタジーを描いたもので、ロケは、氷見市間島地区のノウゼンカズラの家・赤い橋、JR氷見駅、氷見漁港、氷見沖の漁船上などで行われ、映画には大勢の市民がエキストラとして出演している。今村監督が全国の候補地の中から氷見の人と街の素朴さと優しさが気に入り、撮影を行ったというだけあって、港町の素朴な雰囲気が随所に感じられる。
●環境に優しい定置網漁法を通して国際貢献
全国的に名高い「越中式定置網」発祥の地である氷見市では、漁業の活性化や魚食文化の交流、開発途上国等への定置網漁法の技術指導などを目的に、平成12 年度から3カ年計画で「氷見定置網トレーニングプログラム」事業を実施している。今年8月20日〜30日には、中米コスタリカに氷見定置網漁業交流団(総勢18名)を派遣し、タルコレス漁港の漁師を指導しながら、太平洋側の沖合200mに定置網を設置した。
氷見沖のブリ定置網は長さ約320m、幅約90m(横に長い楕円形)と大きなものだが、今回コスタリカ・タルコレス市に持ち込んだ定置網はその10分の1ほどの大きさの小型定置網。陸上で網の仕組みや水揚げ方法などを地元漁師に説明したあと、約5時間かけて定置網を海中に設置した。
翌日には、トビウオやクロダイ、コノシロなどを初水揚げし、その後の交流会では団員が獲れた魚を使ってみそ汁を調理し、地元漁師にふるまった。越中式定置網は、垣根のように張り出した垣網から囲網、のぼり網、身網、落とし網へと魚を追い詰めて獲る仕組みになっている。漁獲量の調整ができることから、環境に優しい資源管理型漁法といわれている。コスタリカでは、海洋汚染や乱獲のために漁獲高が年々減少しており、氷見定置網漁業交流団が指導した定置網漁法の今後の成果に期待が高まっている。
なお、「氷見定置網トレーニングプログラム」事業では、定置網漁業を様々な角度から見つめ、国内外へ情報を発信することとしている。11月10日 (土)・11日(日)に、“氷見から世界へ発信! 定置網から考える環境と食料”をテーマに「定置網新世紀フォーラム」を開催。続いて、平成14年度には世界定置網サミット・世界魚料理大会の開催なども計画している。
<定置網の説明を熱心に聞くコスタリカの漁師たち>
コスタリカの漁業は刺し網やはえ縄漁が中心。定置網設置は初めてとあって地元漁師の関心も高く、網を繰り出す船を「サムライ丸」と命名するほどの歓迎ぶりだった。
問い合わせ
●映画「赤い橋の下のぬるい水」ロケ地/氷見市商工観光課
TEL(0766)74-8106
●氷見定置網トレーニングプログラム/氷見市水産漁港課
TEL(0766)74-8101