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2003年 2月 26日 [ 特産品 ]
No.112-1:富山米の新品種「てんたかく」、誕生
●猛暑や気象変動に強い品種
立山連峰からの清らかで豊かな水や、整備されたほ場により美味しい米が生産されている富山県。富山米の新品種「富山57号」が富山県農業技術センターで開発され、「てんたかく」と名付けられた。
「てんたかく」は、近年の夏場の猛暑、異常高温に負けない品種の開発を目指して誕生した早生品種。1992年に、「ハナエチゼン」を母、「ひとめぼれ」を父として人工交配を行い、そのなかから倒伏に強く、品質のよいものを選抜して育成されたもの。
成熟期の枯れ上がりが少ないなど高温に強く、基白粒・背白粒が発生しにくい安定した品質を誇る。刈り取りは「コシヒカリ」より12日ほど早く、食味が良いのも特徴だ。2003年は約170ヘクタ−ルでモデル栽培が行われ、2004年から作付けの普及が図られる予定だ。
なお、「てんたかく」の名称は二千を超える応募のなかから決定されたもので、「新米がみのる秋の澄み渡る青空のイメージ」を伝えている。
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●環境、消費者、生産者にとって、より安全な米づくり
富山県農業技術センターでは、「てんたかく」のほか、近年開発した「コシヒカリ富山BL」、「とがおとめ」などの新品種の普及にも力を入れている。
日本で一番美味しいといわれ、消費者に好まれている「コシヒカリ」は、いもち病に弱いという欠点があり、全国の農家では農薬の散布などでこの病気を防いでいる。これに対し、同センターで誕生させた「コシヒカリ富山BL」は、いもち病に強い米の品種とコシヒカリを何回も交配させてつくった新品種。稲の姿や品質、食味とも「コシヒカリ」とまったく変わらず、いもち病に強い性質を持っている。一方、「とがおとめ」は、山間地向けの極早生品種で、山の冷涼な気候のもとでも収穫量が多く、良質で食味のよい米ができるなどの特徴をもつ。
「いもち病の農薬散布が要らず、環境や消費者、生産者にとって、より安全な米づくりができる『コシヒカリ富山BL』、山間地ならではの米として村おこし、地域おこしにも活用できる『とがおとめ』。『てんたかく』と共に奨励していきたい」と同センターでは語る。
問い合わせ
●富山県農業技術センター・作物課
TEL076-429-2111
http://www.agri.pref.toyama.jp/