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2003年 5月 28日 [ トピックス ]
No.118-1:富山湾の神秘・蜃気楼を解説する資料館、誕生
●対岸の風景が変形する大自然のショー、蜃気楼
“蜃気楼が見える街”として知られる魚津市の魚津埋没林博物館テーマ館1階に、「蜃気楼資料館」が開設された。蜃気楼とは、光線の屈折によって風景などが変形する気象現象だ。春から初夏の魚津市沖の富山湾では、気温20℃以上で風の弱い、よく晴れた日に出現しやすい。この時期、冷たい雪解け水によって海面上に冷気層ができ、そのうえに暖かい空気層が重なることで、実像の上側に虚像の現れる春型の蜃気楼が出現するとされている。出現の時間は数分のものもあれば、数時間続くこともあり、対岸の風景や沖合の船舶などが上方に伸びたり、反転したりとさまざまに変形し、幻想的なショーを見せてくれる。
同資料館では、富山湾に出現する蜃気楼のメカニズムを紹介したパネルや、蜃気楼を画面上で再現できるパソコン、全国の蜃気楼の写真パネルなどが設けられており、蜃気楼の神秘にいつでも触れることができる。
→写真をダウンロード(350dpi)
●全国各地と南極に出現した蜃気楼の写真を展示
蜃気楼のシミュレーションパソコンでは、あらかじめ登録された気温条件によって光の屈折の様子や蜃気楼の形を再現することができる。黒部市生地や富山市の方角に出現する蜃気楼、春型・冬型(実像の下側に虚像が出現)それぞれの蜃気楼の画像を実景の写真と比較しながら観賞すると、その違いがはっきりとわかる。全国の蜃気楼の写真パネルのコーナーでは、両端が折れ曲がったように見える琵琶湖大橋、南極・昭和基地から撮影された逆さ氷山、夜の富山湾に出現したビル群など、蜃気楼の貴重な写真を展示。このほか、蜃気楼を取り上げた学術書や文学書なども並べられている。
資料館を出て、テーマ館2階のハイビジョンホールに入ると、「蜃気楼‐‐大自然のシンフォニー」の映像が楽しめる。本物の蜃気楼とはなかなか出会えないが、ここでは30分毎に映像を観賞できるのが魅力。3階には展望室があり、正面に富山湾、背後に僧ケ岳や毛勝山、剱岳、雄山などの山々の眺望が堪能できる。のんびりと、蜃気楼の出現を待ってみるのも一興だ。なお、魚津市では蜃気楼が出現すると、花火が打ち上げられる。蜃気楼を観賞できた場合(自己申告)、市観光協会から証明書も発行される。
問い合わせ
●魚津埋没林博物館
TEL.0765-22-1049