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2005年 5月 2日 [ 特産品 ]
No.194-2:富山湾の海洋深層水を使ってマコンブを通年養殖
●アワビに続き、マコンブも特産化
入善漁業協同組合では、富山湾の海洋深層水を使ったコンブの養殖に取り組み、今春から宇奈月温泉のホテルなどへ出荷を始めた。養殖されているのは、コンブ属の代表種マコンブ。入善沖の水深384mから取水された、清浄で低温、富栄養性などの特性をもった海洋深層水で養殖することによって、年間を通じて出荷できることが特徴だ。
生のマコンブは、北海道などの産地周辺以外では全国でほとんど流通していないのが現状で、収穫も春に限られている。入善漁協では、2002年4月から深層水を使ったアワビの養殖を開始。マコンブの養殖はこの深層水を再利用しアワビのエサを作る目的で始まったものだが、生のマコンブが市場にほとんど流通していないことに着目し、特産化に乗り出した。
マコンブは、入善海洋深層水活用施設に隣接する養殖施設の水槽を使って養殖されている。マコンブの生育には、水温8〜10℃が適しており、12〜13℃ 以上では枯れてしまう。アワビ養殖に使った後の深層水は水温5〜8℃と低く、窒素やリン酸などが豊富なことや、成長したマコンブから胞子を採取し、漁網に使うヒモに付着させる技術を独自に開発できたことで年間を通じて新鮮なマコンブを供給できる体制を確立した。
●乾燥コンブでは出せない豊かな風味と香り
マコンブは、現在4基の水槽(3〜10t)で養殖されているが、6月までに10t水槽を5基増やし、初年度3tの出荷を目指している。養殖施設に並ぶ水槽の縁に結ばれたヒモを引き上げると、生のマコンブが水面に上がってくる。茶褐色だが、少し茹でると鮮やかな緑色に変わる。包丁で刻むと粘りが出て、酢の物や刺身にすると乾燥コンブでは出せない豊かな風味と香りを楽しむことができるという。入善漁協では、深層水アワビとのセット販売など、マコンブを県内外のホテルや旅館、飲食店などにPRし、販売に力を入れていく考えだ。秋からは入善町の朝市などでも一般へ販売する予定で、調理法も研究していきたいとしている。
なお、「深層水あわび(エゾアワビ)」は、ふっくらとした肉厚とやわらかな歯ごたえ、新鮮さが魅力。天然物にもひけをとらない旨味が堪能できると好評だ。豊かな風味が、刺身や焼き物、煮物にと味わいを広げてくれる。パック販売で全国発送も行っているので、自宅で深層水あわびの旨味を堪能してみたい。
問い合わせ
●入善漁業協同組合
TEL.0765-76-0111
FAX.0765-76-0877
http://www.jf-nyuzen.jp/