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2005年 10月 26日 [ 特産品 ]
No.219-1:昆布〆をとやまの食のブランドに
江戸時代から富山の郷土料理として伝わる「昆布〆」。富山湾の魚介類や氷見牛など18種類の昆布〆を専門に販売する「風の北前や」が富山市本町に開店。また、富山商工会議所では、昆布〆を食における「とやまブランド」として全国に発信しようと、「とやま昆布〆研究会」を設立した。10月29日(土)〜 30日(日)の「食祭とやま2005」で昆布〆をPRするブースを出展する。
●天然のいけす・富山湾の幸を羅臼昆布でしめる
江戸時代から富山の郷土料理として伝わる「昆布〆」。サスやヒラメ、タイなど、白身魚を刺身におろし、昆布にはさんで軽く重石をして約一晩で食べ頃に。昆布の旨味が魚の身にしみ込み、生臭さもとれて、噛むごとに旨味が出る。富山の家庭でよく作られる昆布料理の一つだ。
家庭に伝わる伝承料理・昆布〆を気軽に味わってもらおうと、昆布〆を専門に販売する「風の北前や」が富山市本町に開店した。シロエビ、ホタルイカ、サス(かじきまぐろ)、ヒラメ、タイ、アマエビ、カワハギ、バイガイなどの富山湾の魚介類や氷見牛など18種類の昆布〆(1パック・100g・1,100円) が並ぶ。風の北前やでは、新鮮な魚介類を刺身におろし、身の厚い北海道羅臼産昆布でくるみ、2日ほど置いて真空パックにして冷凍する。マイナス18度以下で90日間も保存でき、解凍後は3日間賞味できる。3年ほど前から食品加工業者らと商品開発に取り組み、旨味をそこなわずに美味しく保存できる技術を完成させた。来春にはタラノメ、ワラビ、ゼンマイ、ヨシナなどの山菜や、県内産の野菜の昆布〆も登場する予定だ。
店内には、シロエビの押し寿し、ます寿し、羅臼昆布、利尻昆布なども販売されている。中嶋義明総支配人は「手作りの味、本物の味を感じてほしい。そして、富山の昆布〆を全国に発信したい。午後5時からは昆布〆をはじめ、黒作り、ホタルイカ沖漬、昆布巻きなどの富山の珍味が味わえる飲食店も営業するので、富山での観光の際にぜひお寄りください」と話している。
なお、風の北前やから昆布〆(1パック)を5名様にプレゼント。電子メールに、郵便番号・住所・氏名・電話番号、記事を読んでのご感想をご記入のうえ、表題を「昆布〆」と明記してkoho1@pref.toyama.lg.jpへお送りください。<締切りは10月30日(日)>(発表は発送をもって代えさせていただきます。)
●とやま昆布〆研究会発足! とやま昆布〆党の党員を募集
さて、昆布〆がなぜ富山に伝承されているのか。それは江戸時代に日本海を往来した北前船と関係がある。当時、富山は、北海道と大阪を結ぶ中継地。ここから米や味噌、醤油、酒などが北海道へ運ばれ、帰りは北海道の昆布やニシンなどが運ばれてきた。ここで富山湾の新鮮な魚と昆布が出会い、昆布〆、昆布巻きかまぼこなど、昆布の食文化が生まれたというわけだ。そして、昆布の一部は鹿児島、沖縄を通して密かに中国へ。中国から逆ルートで富山に麝香(じゃこう)や牛黄(ごおう)などの漢方薬の原料が運ばれた。これが富山の売薬につながっていくことになる。
近年では、食物繊維や、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを多く含む昆布は栄養面でも注目されている。平成16年の総務省統計局「家計調査年報」によれば、富山市は1世帯あたりの昆布の年間支出金額で全国1位。全国平均1,241円の約2.2倍にあたる3,337円の支出金額となっている。この数字からも富山と昆布の深いつながりがわかる。
富山商工会議所では、富山市価値創造プロジェクトの一環として、昆布〆を食における「とやまブランド」として全国に発信しようと、「とやま昆布〆研究会」を設立した。富山商工会議所青年部が昆布〆の魅力についてこれまで研究した成果をもとに運動を盛り上げ、将来はます寿しなどに続く、全国ブランドにしたい考えだ。
10月29日(土)〜30日(日)、富山テクノホールで開かれる「食祭とやま2005」(http://www.pref.toyama.jp/sections/1613/syoku2005/)では、“とやまの優れた食文化の復権”をフレーズに「とやま昆布〆研究会」がブースを出展する。富山県調理師会考案の昆布〆の展示をはじめ、富山湾から水揚げされたばかりの旬の素材を使った昆布〆や細入特産の山菜昆布〆の販売、また、昆布〆レシピ・驚きの素材・昆布〆の昆布利用法などの紹介が行われる。
また、「とやま昆布〆研究会」では、「とやま昆布〆党」の党員を現在募集中。昆布〆をこよなく愛する方ならばどなたでも入党できる。会費は無料。ご希望の方は、名前、住所、電話番号、ご意見を記入の上、E-mail:infotym@ccis-toyama.or.jpへ。
問い合わせ
●風の北前や
TEL.076-405-0077
FAX.076-405-0088
●とやま昆布〆研究会事務局(富山商工会議所内)
TEL.076-423-1111
FAX.076-423-1114
http://www.ccis-toyama.or.jp/toyama/