- HOME : Toyama Just Now
- 特産品
- No.218-1:高岡銅器の新しい波! 新製品、続々登場
2005年 10月 19日 [ 特産品 ]
No.218-1:高岡銅器の新しい波! 新製品、続々登場
日本一の銅器のまち・高岡から、仏具「お鈴(りん)」を使った癒し効果のある商品と、銅器と漆器の伝統技術を生かした商品の話題を紹介。お鈴の音色は、脳波の一種であるα波を多く発生させ、心をリラックスさせる効果が高いとして注目されている。
●仏具「お鈴」の音色で心の癒し
日本一の銅器のまち・高岡から、仏具「お鈴(りん)」を使った癒し効果のある商品と、銅器と漆器の伝統技術を生かした商品の話題を紹介しよう。
まず、神仏具・美術銅器メーカーの(株)山口久乗(きゅうじよう)では、お鈴本体の縁の厚みなどを変えることで音階の異なるお鈴を開発した。長くて揺らぐ音色によって、メロディーや不思議な和音を奏でることができる。その音色は、川のせせらぎや木葉のそよぎ、虫の鳴き声のように心に染み入り、イライラなどの心の不協和音を優しく癒してくれる。実際、脳波の一種であるα波を多く発生させ、とても心地よいと感じる音、リラックスさせる音であることが、音声や音響の鑑定などを行っている日本音響研究所の分析によって認められている。
JR高岡駅と路面電車の万葉線では、複数のお鈴を吊して楽器にした「久乗編鐘(きゅうじょうへんしょう)」で奏でるメロディーが電車の発着音になり、妙音をホームに響かせている。電車で高岡に来た際は、まずこの音を楽しんでみたい。
お鈴の音色を気軽に楽しめるのが、ブナの木枠に1個のお鈴をつるした商品「心凛(しんりん)」(高さ233mm・幅233mm・奥行き118mm)。銅合金で出来たお鈴の表面には、合金のもつ多結晶組織の模様が浮き出ており、光の当たる角度で美しく変化する様子が印象的だ。叩けば、打音と音のうねり、余韻が重なり合い、聴いていると次第に心が落ち着いてくる。
「一つ叩いて音を追いかけ、また叩いて余韻が消えるまで集中してみてください。穏やかな気持ちに包まれてくるでしょう。心の健康に寄与できるモノづくりを提案できたと思います」と山口敏雄社長は話している。
●グッドデザイン賞中小企業庁長官特別賞に「かたり箱」
高岡銅器と高岡漆器の伝統技術を生かした仏具シリーズが、日本産業デザイン振興会の本年度グッドデザイン賞中小企業庁長官特別賞に選ばれた。
仏具シリーズは「かたり箱」、「ローティスシリーズ」、「ラウルスシリーズ」の3点。 (株)笠原昇雲堂、銅器製造の(株)能作、(有)二上製作所の3社の共同開発で、プロダクトデザイナーの佐藤康三氏がデザインを手掛けた。まず、「かたり箱」(高さ210mm・幅260mm・奥行き160mm)はミニサイズの仏檀として活用できる商品で、リビングや書斎、寝室など、和洋いずれの空間にも調和する美しいデザイン。箱形の本体は朴の木で出来ており、本漆仕上げ、頭部と脚には黄銅が使われて、漆と金属の融合美が感じられる。観音開の扉を開けると、金箔が張られた内陣が現れるのも印象的だ。独創的なデザインが、テーブルウェアとしての可能性も持っている。また、「ローティスシリーズ」、「ラウルスシリーズ」は、コンパクトな形の花立て、香炉、キャンドルスタンドをそれぞれセットにした仏具。銅合金の無機質感や美しいフォルムが印象的だ。
審査委員からは、「素材を上手に使っている」、「信仰とデザインのバランスがとれている」、「デザインを媒介に金属、漆の素材がこれまで見たこともない表情に仕上がっている」など、高い評価を得た。高岡銅器のメーカーと問屋の共同開発、漆器と銅器のコラボレーションという点がこの企画の大きな意義。3点が、市場でどのように評価されるか、高岡の伝統産業の未来を拓く一つの方向性を示すことができるか、期待が集まっている。
問い合わせ
●「お鈴」商品について/
(株)山口久乗
TEL.0766-22-0993
FAX.0766-22-8293
http://www.kyujo.co.jp/
●「かたり箱」・「ローティスシリーズ」・「ラウルスシリーズ」について/
(株)笠原昇雲堂
TEL.0766-21-1858
FAX.0766-21-1829