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2012年 3月 7日 [ 特産品 ]

No.547-2:「TOYAMA・GLASS-現代ガラスアート展」、東京・西麻布にて

富山のガラス文化を発信するイベント「TOYAMA・GLASS-現代ガラスアート展」(財団法人富山市ガラス工芸センター主催)が3月9日(金)~18日(日)、東京都港区西麻布の「ギャラリー ル・べイン」で開催される。富山を創作の拠点に活動するガラス作家の中から精鋭17名の作品を一堂に紹介。富山のガラス文化が目指す未来像を感じてみたい。

▲森康一朗作「狭間・種」

●富山のガラス作家精鋭17名の作品を一堂に

 富山のガラス文化を発信するイベント「TOYAMA・GLASS-現代ガラスアート展」(財団法人富山市ガラス工芸センター主催)が3月9日(金)~18日(日)、東京都港区西麻布の「ギャラリー ル・べイン」で開催される。富山を創作の拠点に活動するガラス作家の中から精鋭17名の作品を一堂に紹介。富山のガラス文化が目指す未来像を感じてみたい。

 富山市は「ガラスの街とやま」をテーマに、1991年に全国初の公立のガラスアート専門教育機関「富山ガラス造形研究所」、94年に「富山ガラス工房」など人材育成の拠点を呉羽丘陵に設け、国内外で活躍するガラス作家たちを育ててきた。現在、富山のガラス作家は80名以上。本展では、このうち、現代ガラス大賞展・富山2011入賞作家2名、富山ガラス造形研究所推薦作家2名、富山ガラス作家協会推薦作家10名、富山ガラス工房推薦作家3名の作品を展示する。「TOYAMA・GLASS(富山ガラス)」は、手法を限定せず、個々の作家が独自のカタチを追究するのが特徴。多様なスタイルのガラスアートをじっくり鑑賞してほしい。

 作品をいくつか紹介しよう。岸厚男氏の「水の化石」は、キャストという技法でガラスの塊を造形した作品。“生命の記憶は水と共に始まり、今も私たちの記憶の中に存在する。その記憶の痕跡を表現した”という。森康一朗氏の「狭間・種」は、1つの物に対して重なるか重ならないかの微妙な位置を、作家なりの形、色で表現した。佐野曜子氏の「Flying mushroom」は、織り布のような複雑な色模様と、触感にこだわった作品。幾重にも色を巻きつけた表面が印象的。佐野猛氏の「Treasure hunt in snow」は緻密な模様に特徴があり、まるで抽象画の世界のようだ。

 会場のギャラリー ル・べインは、世界で活躍するデザイナーから注目の若手までの展覧会や講演会などを開催し、デザインの今と未来を考える空間となっている。周辺には大使館が建ち並び、六本木ヒルズにも近い。富山のガラス文化を国内外へ発信する機会ともなるだろう。

●“富山のくすり”とつながりのある富山ガラス

 東京の本展で「TOYAMA・GLASS」に感動したならば、富山への旅をおすすめしたい。富山市中心部を歩くと、城址大通りや富山国際会議場、富山市民プラザグラスアートミュージアムなどで世界レベルのガラス作品と出会える。

 そして、呉羽丘陵にある富山ガラス工房へ。一面ガラス張りになった工房では制作風景の見学や吹きガラスの体験もできる。現在同工房では作家と一緒にオリジナルデザインのガラスぐい飲みを作る体験コースを実施中。参加者には、富美菊酒造謹製の特別瓶詰しぼりたて新酒(300ml)がもれなくプレゼントされる。費用は3,000円で、3月17日(土)・18日(日)に富山国際会議場で開催される富山県酒造蔵による「富山の地酒新酒披露きき酒会」の優待割引券(500円分)等他にもお得な特典が付いてくるからぜひ参加してみたい。期間は3月31日(土)まで。また、ショップでは作家のオリジナル作品を展示・販売している。昨年末にオープンしたカフェ「Glass Café Clie(クリエ)」も話題。吹き抜けの開放的な空間でガラス作品を眺めながら、ドリンクや軽食が楽しめる。

 なぜ富山でガラス工芸と疑問に思う人もいるだろう。実は300年以上の伝統を誇る“富山のくすり”とつながりがある。明治・大正期には手作りのガラスの薬瓶製造で、富山は全国トップシェア。戦前は富山駅周辺を中心に、溶解炉をもつガラス工場が10社以上あったとされる。ガラス工芸に多くの職人が携わっていた富山の歴史をバックボーンにしているのだ。

 富山市ガラス工芸センターでは、「近年、高岡銅器やメッキなど異素材とのコラボレーションも進めています。9月には、創作体験の場となる新たな工房が呉羽丘陵に誕生する予定で、今年は“TOYAMA・GLASS”を国内外へ発信する元年ともいえる年です。ぜひ、東京・西麻布で開催の“TOYAMA・GLASS-現代ガラスアート展”へお越しください」と話している。

▲富山ガラス工房の「Glass Café Clie(クリエ)」


問い合わせ
●財団法人富山市ガラス工芸センター(富山ガラス工房)
TEL.076-436-2600
FAX.076-436-5735
http://www.toyama-garasukobo.jp

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