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2014年 4月 30日 [ 特産品 ]

No.655:全国でも珍しい昼競りを見学しよう!

シロエビやベニズワイガニ、岩ガキなど、富山湾からキトキトの幸が水揚げされる新湊漁港(射水市)。全国でも珍しい昼競りを行っている漁港の荷捌き所2階部分に見学者専用通路が新設された。来春に迫った北陸新幹線開業を見据え、観光面に配慮した施設。漁港に隣接する新湊きっときと市場には昼競り見学申し込み窓口が開設され、競りの案内を行っている。旬の幸を使ったメニューも楽しみ。ゴールデンウィーク(GW)は富山に遊びに来て!

●新湊漁港・荷捌き所に見学者専用通路


▲見学者専用通路から荷捌き所を見下ろす

 “浜前漁場”と呼ばれるほど漁場が近い新湊漁港。午後1時、「などき(七時)の競り」と呼ばれる昼競りに競り人の威勢のいい声が響き渡る。改修されたばかりの真新しい荷捌き所に富山湾から水揚げされたばかりのベニズワイガニがずらりと並び、真紅の絨毯を敷いたようだ。ブルーの水槽には大きなヒラメ。バイ貝や甘エビ、ボタンエビなども見える。2階部分に設けられた見学者専用通路からは広い荷捌き所が見渡せる。飛び交う競り人の声。キトキトの(新鮮な)魚介を目利きする仲買人。競り落とされて、次々と運び出される魚たち。魚市場ならではの張り詰めた空気、緊張感が伝わってくる。見学者といえども胸が高まり、競りに参加しているような気分になれる。

 早朝5時半からの朝競りでは定置網に掛かった魚介が主だが、昼競りでは小型漁船を使った底曳漁、かご縄漁といった漁法で漁獲されたエビやカニ、バイ貝などが主に取り引きされる。季節によって水揚げされる魚介は異なるが、タイやノドグロ、タチウオなどの高級魚も並ぶ。


▲荷捌き所に威勢のいい声が飛び交う(左)
▲バイ貝の競りの様子(右)

 昼競りを案内する新湊きっときと市場の瀬戸健司支配人は、「一般の人が実際の競りを見学できる機会は国内でもそうないでしょう。漁場が近く、早朝の競りに加えて、昼競りのあることが新湊漁港の大きな魅力。競りの臨場感、ライブ感が楽しめます。県内外、海外からの観光客もいらしています。ぜひ見学に訪れてください」と昼競りを観光面からPRする。見学者専用通路の新設によって、射水市新湊地区の魅力をこれまで以上に発信したいと意気込む。

 競りは、競り人と仲買人との真剣な商取引。競りの最中は、私語は控えて静かに見学するのがマナー。1階の場内は立ち入り禁止。案内人が指定した場所以外に立ち入らないことや、フラッシュ撮影も禁止されているから注意しよう。

●豊饒の海、富山湾からの旬の味覚


▲ベニズワイガニの競りの様子(左)
▲シロエビ(右)

 庄川、小矢部川が流れ込む新湊、伏木沖は、大地からの豊富な栄養分や海中のプランクトンが多くの魚介を育み、好漁場となっている。新湊漁港は県内有数の水揚げを誇り、魚種も豊富だ。漁港では、見学者専用通路の新設とともに、荷捌き所に防鳥のための天井や扉を設置したり、床に勾配をつけて排水の流れをスムーズにしたりと、衛生管理面の強化などを目的とした改修を行った。延長約800mの管で水深約20mから清浄な海水をくみ上げる取水施設も整備。安全で安心な射水産食材を提供するための取組みが進められている。

 荷捌き所に所狭しと並ぶベニズワイガニ……。漁は9月から5月末まで。あと1カ月と終盤を迎えているが、床にずらりと並んだ姿に富山湾の豊かさが感じられる。見学者専用通路からよく見ると、ベニズワイガニはすべて裏返し。甲羅の中から水分が抜けて鮮度が落ちるのを防ぐためだ。資源保護のため、漁獲されるのはオスだけ。特に漁師が太鼓判を押す良質なものにはタグが付けられている。

 富山湾の夏の味覚として県内外で人気の天然物の岩ガキは、これから漁が本格化する。4月15日の高岡市伏木地区に続き、5月1日(木)には射水市新湊、海老江、堀岡地区で漁が解禁となる。“海のミルク”とも呼ばれる岩ガキ。富山湾産は身がふっくらと肉付きがよく、磯の香りと滋味に富んでいる。

 薄紅がかった透明な体で“富山湾の宝石”とも称されるシロエビは漁が4月1日に解禁された。競りは午前中のため、残念ながら昼競りでは見ることができないが、10月19日(日)に「新湊カニかに海鮮白えびまつり」が新湊漁港で開催される予定だから楽しみにしてほしい。カニやシロエビの即売をはじめ、シロエビのから揚げなど美味しい料理に舌鼓が打てるはず。ちなみにシロエビは体長5~8cmの小型のエビで、全国の海域に広く分布しているが、漁業が成り立つほど漁獲されるのは富山湾だけ。漁期は4月から11月まで。新湊漁港は県内有数の漁獲量を誇る。

●新湊きっときと市場でおなかも満腹、“口福”に


▲新湊きっときと市場(左)
▲白えびお刺身丼(中央)
▲射水づくし御膳(右)

 フィッシャーマンズワーフ・新湊きっときと市場には、シロエビやホタルイカ、ベニズワイガニなど新湊漁港から届いたばかりの鮮魚をはじめ、水産加工品、富山県産品がずらり。富山の旅の思い出にお土産はいかがだろう。中央のホールには、色鮮やかな大漁旗が並び、旅情を高めてくれる。

 レストラン・きっときと亭では、シロエビの剥き身を贅沢に使った「白えびお刺身丼」や、からっと揚がったかき揚げを盛り付けた「白えびかき揚げ丼」、ボリューム満点の「白えびづくし御膳」、ホタルイカの刺身などをセットにした「ホタルイカづくし御膳」など、旬の幸を生かしたメニューが揃う。

 GW中には、ホタルイカとタケノコの炊き込みご飯やシロエビの刺身、から揚げ、バイ貝の煮付け、タラノメの揚げ物など、射水市の海と山の素材を組み合わせた特別メニュー「射水づくし御膳」も登場。昼競りの見学とともに食事を堪能したい。窓からは、美しい斜張橋・新湊大橋や“海の貴婦人”と称される帆船海王丸も眺められる。食後は、海王丸パークを散策するのもおすすめだ。また、新湊きっときと市場内では、GW中におわら演舞、津軽三味線の披露、餅つき実演など、イベントが数多く予定されているのでお見逃しなく。

 なお、昼競りの見学には、個人、団体ともに事前予約が必要(新湊きっときと市場の申し込み窓口 TEL.0766-84-1233)。見学は無料。集合は、午後0時45分までに新湊きっときと市場インフォメーションカウンターへ。当日の漁獲量にもよるが、見学時間は約30分。天候により、漁が行われていない場合、見学中止になる場合がある。見学の休みは水曜・日曜。富山の海の幸を楽しもう。

問い合わせ
●新湊きっときと市場
TEL.0766-84-1233
FAX.0766-84-1244
http://kittokito-ichiba.co.jp

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