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2008年 1月 30日 [ 特産品 ]
No.337-2:冬にも美味しいナシを! 「きららか幸水」
旬のナシと同じようなサクサクとした歯応えとジューシーな甘み‥‥。呉羽山の裾野に広がる射水市黒河で晩秋から冬に出荷するナシ「きららか幸水」が話題となっている。収穫後に保冷庫で長期保存・熟成させた幸水だ。
●呉羽梨の代表品種「幸水」を保冷庫で長期保存・熟成
旬のナシと同じようなサクサクとした歯応えとジューシーな甘み‥‥。呉羽山の裾野に広がる射水市黒河で農業を営む藤岡正明さんらが出荷するナシ「きららか幸水」(商標登録出願中)が話題となっている。“呉羽梨”の代表品種「幸水」といえば、8月中旬から9月初めが収穫・出荷時期だが、「きららか幸水」の出荷は晩秋から冬。収穫後に保冷庫で長期保存・熟成させた幸水だ。
長期保存を可能にしたのは、ナシが凍り始める直前の温度を保冷庫で正確に保つ「氷温保存」の技術。8月中旬から9月初めにかけて収穫したばかりの幸水を大型の保冷庫へ。0度から果実が凍り始める氷結点までの温度域(氷温域)に幸水を置くことで、鮮度や味を落とさずに保存・熟成させることができるという。凍らないようにナシ自体が甘みの成分を増やすためか、収穫時に約13度だった糖度が、氷温保存することで約14度になるなど、糖度がアップすることもわかってきた。
藤岡さんは江戸時代から続く農家の25代目で、主に「幸水」を栽培している。他の産地や生産農家との差別化を図ろうと、8年ほど前から冷蔵機器メーカーと協力してナシの長期保存に挑戦し、約5年間の研究の末に長期熟成の技術を確立した。夏、秋の最盛期に箱詰めして全国に出荷するほか、長期保存向けのものも収穫し保冷庫に入れる。
美味しいナシを出荷しようといまも研究に余念がない。近年では、お歳暮や正月用の贈答品などとして、全国にファンが広がっている。
●富山湾海洋深層水の活用で糖分もアップ
栽培面の特徴としては、昨年から富山県立大学の指導で、富山湾海洋深層水を活用した栽培法に取り組んでいる。ミネラルが豊富な深層水を希釈し、土や木、葉に散布すると、糖度がアップするというデータも得ており、今後もさらに甘くて、美味しいナシづくりに挑戦する。
また、環境や人にやさしい有機肥料栽培・草生栽培(果樹園に下草を生やして土中の水分を一定に保つ方法)に取り組んでいるのも特徴だ。病害虫を防除する農薬を控えているため、ナシ畑ではテントウムシやカマキリ、クモなどの虫も多いという。花粉による交配や良いナシを選別する摘果作業を何回も行い、手間をかけ、一つひとつ愛情を込めて育てるのも藤岡さんのこだわりのようだ。なお、きららか幸水は1箱約3kg(7〜9個)で5,800円。申込み受付け後に宅配便で全国へ発送。
藤岡さんは、「ナシを氷温保存することで、鮮度や味をそのまま保てます。もぎたての旬の味をお楽しみください。射水市のブランドとして、特産化を目指したいですね」と話している。
問い合わせ
●藤岡農園
TEL&FAX.0766-56-2322