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2020年 3月 25日 [ トピックス ]
No.950:黒部峡谷の大自然と電源開発の歴史に触れる!黒部ルート見学会開催
●工事関係者しか立ち入ることができないルートへ
日本一のV字峡・黒部峡谷の欅平から上流の黒部ダムまでの約18kmにわたる「黒部ルート」。映画「黒部の太陽」の題材にもなった黒部川第四発電所の建設などに伴い、関西電力が工事専用軌道として昭和30年代前半までに整備し、いまも発電設備の資機材輸送や保守・工事などに利用されている。中部山岳国立公園内・黒部奥山国有林内に位置しており、そのほとんどが地下トンネル。途中、裏剱などの絶景を眺望できるスポットもある。普段は工事関係者しか立ち入ることはできないが、一般の方々に水力発電事業を理解してもらうことを目的に、1996年から公募による見学会が実施されている。
県では、2017年6月に「『立山黒部』世界ブランド化推進会議」を設置し、「黒部ルートの一般開放・旅行商品化」や「立山~美女平ロープウェイ」など、世界ブランド化に向けたプロジェクトの取組みを進めている。「黒部ルートの一般開放・旅行商品化」については、関西電力と協議を重ねた結果、2018年10月に協定を締結。安全対策工事の完了後となる2024年度から、年間最大1万人の利用が実現し、現在の公募見学会の年間約2,000人に比べて大幅に拡大される予定だ。
この一般開放・旅行商品化により、世界的山岳景観を誇る立山エリアと日本一のV字峡である黒部峡谷が結ばれ、周遊が可能となり、世界ブランド化に向け大きく飛躍することが期待される。
●ユニークな乗り物で地下トンネルを行く
見学コースは、「欅平出発コース」(黒部峡谷鉄道欅平駅9:20集合→黒部川第四発電所→黒部ダム12:50頃到着・解散)と、「黒部ダム出発コース」(黒部ダム駅駅長室前10:30集合→黒部川第四発電所(昼食)→欅平駅14:10頃到着・解散)の2つ。欅平出発コースを紹介すると、欅平駅から工事用トロッコ列車で500m進み、竪坑エレベーターで標高差200mを一気に上昇。続いて、上部専用軌道・バッテリートロッコ列車(6.5km)に乗り、欅平上部駅から志合谷、折尾谷、阿曽原、仙人谷の各停車場を通過し、黒部川第四発電所へ。発電所内部を見学した後、インクライン(地下式ケーブルカー:傾斜角度34度、斜距離815m)、黒部トンネル内専用バス(10.3km)を乗り継いで黒部ダムへ至る。黒部ダム出発コースは逆順となる。
いずれのコースも所要時間は約3時間30分。乗り物の乗り換えや、暗いトンネル内の歩行、階段の昇降が多いため、見学者の安全確保の観点から、杖や車イスなどの歩行補助器具を使用しての通行は禁止となっている。また、一般交通機関に比べて車内は狭く、振動も強く、高低差の大きい特殊な乗り物もあるので、体調面に気をつけたい。
●余裕のあるスケジュールで集合場所へ
欅平出発コースは黒部峡谷鉄道の終点・欅平駅の2階食堂に9:20まで集合となっている。黒部峡谷鉄道の始発駅である宇奈月駅から欅平駅までは約1時間20分かかるため、宇奈月駅を7時台(始発)の列車に乗る必要がある。また、黒部ダム出発コースは黒部ダム駅駅長室前に10:30集合となっており、富山側からは立山ケーブルカーの立山駅を6〜7時台(11月以降は、立山黒部アルペンルートの時刻表が変更となる。当日立山駅を出発した場合、集合時間に間に合わない可能性があり、室堂泊をおすすめする)に、信濃大町側からは関電トンネル電気バス扇沢駅を9時台に出発する必要がある。参加者には、入り口となる宇奈月温泉や立山黒部アルペンルートに宿泊するなど、余裕のあるスケジュールを組むことをおすすめしたい。なお、それぞれの集合場所までと、解散場所以降に利用する一般交通機関の運賃は、すべて個人負担となる。
●高倍率の抽選だが、諦めずに
黒部ルート見学会に応募できるのは、小学校5年生以上で、乗り物の乗降や乗り換え、トンネル内の歩行や階段の昇降に支障のない方(小学生の場合は保護者同伴)。同一見学日の重複応募は抽選対象外となる。また、年度内の参加は1回限り。
定員は、欅平出発・黒部ダム出発の各コースとも1回につき30名(全34回:2,040名)で、申込者が定員を超える場合は抽選になる。2019年度の平均抽選倍率は、欅平出発コースが6.8倍、黒部ダム出発コースが5.2倍。月別平均抽選倍率では、欅平出発コースは10月の9.1倍、黒部ダム出発は9月の6.6倍が最も高かった。応募の際に希望コースを選ぶこともできるが、“どちらのコースでもよい”を選ぶと、倍率の低いコースで抽選される。
参加申込み方法は、黒部ルート見学案内パンフレットの「専用応募はがき」、または「郵便はがき」に見学希望コース、見学希望日、見学者の代表者の氏名・年齢・郵便番号・住所・電話番号、代表者以外の見学者の氏名・年齢を記入して、黒部ルート見学公募委員会事務局(〒930-8513 富山市東田地方町1丁目2番13号 北陸関電ビルディング内)へ。電話やインターネットでの申込みは不可。
案内パンフレットは、関西電力の県内各事業所、富山県庁、県内各市町村、東京・日本橋の日本橋とやま館などで入手できる。また、黒部ルート見学公募委員会事務局へ請求することも可能だ。見学日にはそれぞれ応募締切日があるので、案内パンフレットやホームページで確認しよう。
なお、見学会は荒天により黒部峡谷鉄道が運休した場合や、不測の事態が生じた場合は中止となる。その際の振替日は設けることができない。
富山県観光振興室では、「『立山黒部』の世界ブランド化の実現を目指し、環境保全と観光振興を両立させながら取組みを進めています。特殊な乗り物に乗車しながら、電源開発の歴史の一端に触れられます」と話している
- 問合せ
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●黒部ルート見学公募委員会事務局(関西電力株式会社 北陸支社内)
TEL.076-442-8263
https://www.kepco.co.jp〔関西電力株式会社 HP「黒部ルート」で検索〕
●富山県観光・交通振興局 観光振興室
TEL.076-444-4498
FAX.076-444-4404
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1401/〔観光振興室 HP「黒部ルート見学会」をクリック〕