バスの現在位置が手軽にわかる「とやまロケーションシステム」(PC・スマートフォン、ガラケー（従来型携帯電話）)が本格稼働した。バスの運行情報や位置情報をスマートフォンやパソコンで確認したり、ルート検索、路線検索、最寄りバス停検索などもできる。沿線の観光スポットへのルート案内機能も備えているので、県内観光にもぜひ活用してみよう。

●利便性アップ、運行情報や位置情報を手軽に

　「まだ来ないのかな」、「もう行ってしまったのかな」…バスは身近な移動手段だが、渋滞や天候などの影響を受けやすく、定時性の確保が難しい公共交通ともいえる。特に雪のシーズン、不安になりながらバスを待った経験は誰にでもあるだろう。

　そこで県では、県内交通事業者や市町と連携し、「とやまロケーションシステム」を整備した。バスに取り付けたGPS車載器からバスの位置情報を送信し、時刻表情報などと組み合わせ、パソコンやスマートフォン、デジタルサイネージなどへ位置情報、遅延情報などを発信するシステムだ。

　富山地鉄バスや加越能バス、富山地鉄北斗バス、西日本JRバスなどのバス事業者の路線だけでなく、万葉線の「ドラえもんトラム」や、「まいどはやバス」といった自治体等が運営するコミュ二ティバス(路線を定めないデマンド交通などは除く)など、県内の約220路線をカバーしている。県全域のバス路線をカバーするのは全国でも初めてだ。

●ルート検索など、便利な機能満載

　使い方は、スマートフォンやパソコンから「とやまロケーションシステム」のウェブサイト(PC・スマートフォン、ガラケー（従来型携帯電話）)へアクセス。バスの運行状況や遅延情報、バスがどこを走っているか地図上で表示する機能のほか、出発地と到着地を入力して検索する「ルート検索」、バス会社・路線一覧から検索する「路線検索」、エリアからバス停を検索する「バス停検索」、現在地から近いバス停を検索する「最寄りバス停」のほか、よく使うコースの登録、到着案内メール受信などの「My設定」などの機能も備えている。さらに、沿線の観光スポットなどを紹介する「宝箱」の機能もある。今後、ルート案内や施設利用料金の割引情報を充実させる予定で、観光客にはうれしいサービスだ。また、多言語に対応していることも特徴。ルート検索は、日本語・英語・中国語(簡体・繁体)・韓国語・タイ語に対応している。（その他の機能は、日本語・英語のみ。）

　バスごとの運行時間や遅延発生区間などを把握し、データを蓄積できることからダイヤ編成、路線見直し、新ルート開設などへの活用も期待されている。

　富山県総合交通政策室は、「県では、『富山県地域交通ビジョン』を策定し、地域公共交通の活性化を進めています。とやまロケーションシステムは、県内全域のバス路線を対象とした全国初のシステムです。バスの情報がリアルタイムでわかり、利便性が高まります。日常生活や観光などにぜひ活用ください」と話している。