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2018年 11月 21日 [ トピックス ]
No.883:大伴家持生誕1300年、家持の心にふれるひとときを
●「家持のうたごえ―美術と音楽の交響」参加者募集
現存する日本最古の歌集『万葉集』の代表的な歌人の一人であり、その編纂に深く関わったとされる大伴家持(718~785)。746年、現在の富山県にあたる越中国に国守として赴任し、751年に帰京するまでの5年間を過ごした。
今年は家持生誕1300年にあたる記念の年。高志の国文学館で開催される講演と音楽の集い「家持のうたごえ―美術と音楽の交響」では、「万葉びとの染織文化」を演題に、文化学園大学教授の堀尾眞紀子氏の講演がある。万葉集の4割に及ぶ染織や服飾、色彩に関わる歌から、万葉びとの暮らしの知恵と、日々の哀感、歓びにふれる内容となる。また、「いにしえ~万葉のこころ~」をテーマにしたオカリナ演奏も楽しみだ。演奏者は、陶製の笛・オカリナ演奏の第一人者で、NHK特集「大黄河」の音楽で一躍脚光を浴びた宗次郎氏。オカリナの音色とともに万葉のこころ、古の道に思いを馳せるひとときとなるだろう。
日時は12月9日(日)13:00~15:00(開場12:30)。定員は300名(申込先着順)、入場無料。申込みは電話(TEL.076-431-5492 高志の国文学館)にて、「家持のうたごえ」参加希望、氏名、電話番号、同行者氏名(4名まで)を伝える。申込締切は11月30日(金)。
●響き合う、家持の歌の世界とロングリー氏の詩心
高志の国文学館のエントランスロビーに、第1回大伴家持文学賞受賞者、マイケル・ロングリー氏の関連資料を展示するコーナーがお目見え。ロングリー氏は現代のアイルランド文学を代表する詩人。今年7月、大伴家持生誕1300年記念式典に出席のため来県。高志の国文学館を訪問し、県内の万葉集ゆかりの地なども視察した。
コーナーでは、新作詩3篇、文学館訪問の際に芳名録に記載された作品「HAIKU」(俳句)、代表作「The Weather in Japan」の直筆色紙を展示。新作詩3篇は、大伴家持に語りかけ、家持を氏のふるさとへと案内する詩「TO OTOMO YAKAMOCHI on receiving the inaugural Yakamochi Medal」(大伴家持へ 大伴家持文学賞創始の受賞に寄せて)、家持が編纂した偉大な歌集を称える詩「THE ANTHOLOGIST」(編纂する人)、立山室堂に出かけたときに、アイルランドのメイヨーで大事にしているウメバチソウを見つけたことに着想を得た詩「GRASS OF PARNASSUS」(ウメバチソウ)。家持の歌の世界と富山の風土、ロングリー氏の詩心との響き合いが感じられる貴重な資料だ。
●“魔法のスプーン”に大伴家持生誕1300年記念の刻印
大伴家持生誕1300年記念「家持オリジナル記念品」は、家持の歌に詠まれる鶴の羽をイメージしたマークと「Otomo no Yakamochi 1300th Anniversary」の英文字を刻印したアイスクリームスプーン。刻印のデザインは、県立高岡工芸高校のデザイン・絵画科ビジュアルデザインコース3年生14名がそれぞれアイデアを出し、相互審査で山田沙織さんの原案を選んだもの。万葉集には、「水門風(みなとかぜ) 寒く吹くらし 奈呉の江に 妻呼び交(こう)し 鶴(たづ)さはに鳴く」(巻十七・4018)など、家持が鶴を詠んだ歌5首がある。山田さんは家持の歌に詠まれる鶴の羽をイメージしてデザインした。「1300年という数字はあまり意識しませんでしたが、鶴の家紋を参考に、羽の数をデザイン的にバランスの良かった13枚にしました。万葉の里・高岡ゆかりの家持のオリジナル記念品に関われてうれしいです」と話している。
アイスクリームスプーンは高岡の鋳物メーカー、高田製作所が製造。アルミニウムを素材に、鏡面研磨仕上げとなっている。アルミニウムの熱伝導率の高さを利用し、スプーンを持つ手の体温でアイスクリームを溶かしながらすくいだすことができる“魔法のスプーン”として、全国的にも人気の高いヒット商品だ。産学官が連携して刻印を施した。「家持オリジナル記念品」として、ミュージアムショップで1個3,240円(税込み)で販売。
●家持とゆかりの人物、オリジナルフレーム切手に
大伴家持生誕1300年を記念したオリジナルフレーム切手「里中満智子『言霊の人・大伴家持』」が日本郵便から発売された話題も紹介しよう。漫画家の里中満智子氏が現在執筆中の「言霊の人・大伴家持」の登場人物を82円切手にした。家持や妻・坂上大嬢、弟・書持、家持に歌を手ほどきした叔母・坂上郎女らゆかりの人物が色鮮やかに描かれている。
切手発行にあたり、里中氏から「もしも大伴家持が1300年前に生まれてこなかったら、この世に『万葉集』は存在しなかったかも知れません。日本人の心の遺産ともいうべき『万葉集』をまとめあげてくれた家持とその人生を支えた人たちが切手となって現代の“言葉”を届けるなんて夢みたいです」とメッセージが寄せられている。
県文化振興課では、「『家持のうたごえ―美術と音楽の交響』は県外の方でも参加できます。富山にいらして家持の世界に触れてみてください。家持オリジナル記念品は、高田製作所、高岡工芸高校、富山県の産学官が連携して完成させました。高志の国文学館で販売中です。ぜひお求めください」と話している。
オリジナルフレーム切手「里中満智子『言霊の人・大伴家持』」(1シート)を5名様に抽選でプレゼントします。プレゼント応募フォームに、プレゼント内容「オリジナルフレーム切手」・氏名・郵便番号・住所・メールアドレス・電話番号・記事を読んでのご感想をご記入のうえ、お送りください。<11月25日(日)締切。発表は発送をもって代えさせていただきます。>
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●高志の国文学館
TEL.076-431-5492
FAX.076-431-5490
http://www.koshibun.jp/