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2018年 8月 29日 [ イベント ]
No.871:高志の国文学館 “里中満智子 「愛」のテーゼ” 開催中!
●里中氏、登場人物からの「愛」のメッセージがいっぱい
日本を代表するマンガ家・里中満智子氏。16歳のときに「ピアの肖像」で第1回講談社新人漫画賞を受賞してデビュー以来、50余年にわたる創作活動の中で、恋愛をする男女のさまざまな心理や姿を描いて、「愛」をテーマにした作品を一貫して発表してきた。恋する少女の心のときめきのみならず、戦争や政争、身分差など、恋愛する男女を取り巻く歴史や社会をとらえて、人を愛するということを追求。作品や登場人物のセリフは、里中氏自身の一人の女性としての生き方が投影された明快なメッセージでもあり、愛することの尊さや複雑さ、愛し合うことの意味を問いかける。
文学館のエントランス・ロビーでは、「天上の虹」や「海のオーロラ」、「言霊の人・大伴家持」などの特大パネル、企画展示室入り口には開会式の「ライブペインティングセレモニー」で里中氏が描いたオリジナル作品を展示しており、鑑賞者を里中ワールドへと誘う。本展は、第1章「愛の賛歌」、第2章「男の愛、女の愛」、第3章「愛、そして「生きる」」、第4章「歴史・古典のなかの愛」の4章立てで、デビュー作から最新の作品まで、300点以上の直筆原稿を展示している。現代女性の恋愛物語から歴史ロマンまで幅広い題材を取り上げて描く里中満智子氏の「愛」のテーゼ(命題)を紹介する。
会場には、作品のワンシーンと登場人物のセリフを紹介したパネルやタペストリーが下がる。「生きるための愛を知りたい だれかのために生き だれかのために努力する そんな愛を……」(「あすなろ坂」より)、「もっと愛されたい もっと強くなりたい そのために苦しい思いをするけれど 「もっともっと」と望むからこそ 強く生きていけるのかもしれない」(「天上の虹~持統天皇物語」より)、「人を好きになったら女はいつも不安なもんです…「いっしょに生きていこう」それだけで女は勇気がでるんです」(「浅葱色の風」より)などのメッセージが心に沁みる。
人気作品「天上の虹~持統天皇物語」をはじめ、「アリエスの乙女たち」、「海のオーロラ」などの名作を直筆原稿で読むことができることも大きな魅力。里中氏の創作の軌跡を探ってみたい。
また、貴重な作品として、里中氏が小学4年生の夏休みに制作した紙芝居「名作 星姫物語」や、デビュー以前の14歳の頃に、出版社に投稿するために描いた未完成作品は初展示となる。里中氏の才能に触れてみよう。
このほか、キャラクターの配置、セリフ、コマごとの構図などをおおまかに表したマンガのネーム(設計図)や、チラシ広告の裏に記されたプロット(ストーリーやキャラクターなど作品の重要な骨格)、インクや鉛筆などの仕事道具も展示している。
●館内で撮影した画像をアップ、SNSで発信を
特別コレクション室では、富山県が万葉歌人・大伴家持の功績を普及するために制作を依頼した長編マンガ「言霊の人・大伴家持」の原画を展示している。文学館初の試みとして、企画展示室内、特別コレクション室はすべて写真撮影が可能。「あすなろ坂」の顔はめパネルなどの撮影スポットも用意されている。お気に入りの画像をSNSで発信してみたい。
企画展にあわせ、高志の国文学館編のカタログ(A5サイズ:136頁)を発行。里中氏自身の直筆メッセージや、デビュー以前の未完成作品を直筆原稿の形で収録しており、読み応えたっぷり。ミュージアムショップでぜひ手に取ってみてはいかがだろう。
高志の国文学館では、「里中氏本人のインタビュー映像で代表作の魅力や創作姿勢を紹介しています。里中マンガの読書コーナーを設け、自由にマンガを読めるほか、人気作品のぬり絵をお土産として配布しているので、ぜひご家族でお楽しみください。9月2日、17日、10月6日(各回14:00から30分程度)には担当学芸員によるギャラリートークを行います。9月12日には、カラー原稿のすべてと、モノクロ原稿の一部を展示替えします。初めての方、リピーターの方、ぜひいらしてください」と話している。
- 問合せ
- ●高志の国文学館
TEL.076-431-5492
FAX.076-431-5490
http://www.koshibun.jp/