「富山地方鉄道」が運行を担う、宇奈月温泉と室堂間を結ぶ直行バス「アルペンライナー」が、8月1日より平日運行を開始した。今記事では、「立山黒部アルペンルート」の魅力や夏休みのおすすめスポットなどを紹介していく。

●この夏の立山観光はアクセスも充実！

「立山黒部アルペンルート」は、富山県と長野県を結ぶ山岳観光ルート。標高3,000m級の峰々が連なる「北アルプス」を貫く、最大高低差1,975m、総延長37.2kmの、世界有数のスケール感が自慢だ。

富山側の「立山駅」と長野側の「扇沢駅」間の雄大な自然の中を、ケーブルカーや高原バス、ロープウェイなど様々な乗り物を乗り継ぎながら、じっくり楽しむ「立山黒部アルペンルート」に対して、今回紹介する「アルペンライナー」は、人気の温泉地「宇奈月温泉」から立山黒部アルペンルートの「室堂（標高2,450ｍ）」までを所要時間約３時間、“乗り換え不要”で、大幅に移動時間を短縮して繋ぐいわば真逆のコンセプト。温泉や街歩きなども楽しみたい欲張りな旅行者には、お手軽に「室堂」での高原散策などを楽しむことが可能となる。

同じく「宇奈月温泉駅」からのアクセスとしては、立山黒部アルペンルートの出発地点「立山駅」までを乗換なしで繋ぐ観光列車「アルプスエキスプレス」もおすすめだ。車内でのガイド案内や車窓からの雄大な自然を楽しむことができる。

また、富山市内を拠点として色々楽しみたい旅行者向けに、「電鉄富山駅」から「立山駅」を結ぶ観光列車も運行を開始した。立山駅からはケーブルカー等を乗り継いでトータル２時間で室堂に到達できる。このように、観光客のあらゆるニーズに対応してくれる豊富な交通手段の選択肢もこの夏の立山観光を盛り上げている。せっかくの機会なので、“県内観光のキラーコンテンツ”と名高い「立山黒部アルペンルート」の魅力とオススメポイントを県観光振興室の担当者に聞いてみた。

●隠れ名スポット！「美女平」「弥陀ヶ原」

例年にない暑さを記録している今夏のオススメポイントは、「立山の心地よさ」とのこと。「室堂（標高2,450ｍ）」は真夏でも午後3時の平均気温が20℃を下回る非常に過ごしやすいスポットであり、3,000m級の本格登山から「みくりが池」周辺のお手軽なトレッキングコースまで誰でも楽しむことができるという。さらに、「室堂」から「立山黒部アルペンルート」を長野県側へ進んでいくと、「黒部ダム」に行くことができる。「黒部ダム」では10月15日（土）まで観光放水が行われており、毎秒10ｔ以上の豪快な水しぶきを上げる光景から、極上の「涼」を得られることは想像に難くない。

さらに県は「美女平」と「弥陀ヶ原」もオススメポイントとして発信している。「美女平」は立山駅からケーブルカーに乗って降り立った地点だ。美女平には豊かな原生林に囲まれた森林浴を楽しめる散策コースがあり、樹齢100年を超える「立山杉」の存在感は、圧倒的だ。加えて、国際的に重要な湿原としてラムサール条約に登録され、今年で登録10周年の「弥陀ヶ原」は、夏には貴重な高山植物、秋には紅葉に囲まれながら遊歩道を歩くことができる。まさに“雲上の楽園”だ。なお、「アルペンライナー」は「弥陀ヶ原」での下車も可能とのこと。

●まだ間に合う！夏限定のイベントを満喫しよう

最後に、８月中に行われるイベントをご紹介。まずは、8月31日(水)まで「立山黒部貫光株式会社」が開催する「立山黒部サマーフェスティバル2022」だ。３年ぶりの開催で、クイズラリー等の子供向けイベントや、トレッキングイベント「みくりが池一周スタンプラリー」、大観峰駅で知られざる魅力をスタッフが解説するイベント等、盛りだくさんの内容となっている。

また、県は、立山地域での「滞在型・体験型」観光促進に向けた、「立山黒部アルペンルートや立山山麓地域を巡るモニターツアー」の第１弾を実施。８月20日（土）と21日（日）は、初の試みとして、ケータリングカーによる軽食・スイーツの販売や富山のご当地グルメの販売、夏祭り縁日などお楽しみ企画が満載の「美女平駅前マルシェ」を開催する予定となっている。http://toyama-alpine.jp/

このように、今年ならではの注目ポイントも目白押しの夏の立山観光。富山県民限定で小学生の運賃が無料となる割引商品や、富山県民・近隣県民を対象とした乗車券とクーポン券がセットになった割引商品もお見逃しなく。担当者は今夏の立山について、「コロナ禍でも安心のアウトドア体験をお得かつ便利に楽しめる今年こそ、多彩な交通アクセスを活かしてアルペンルートにお越しいただき、夏の立山をお楽しみください。」と呼びかけている。