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2020年 11月 18日 [ イベント ]

No.977:「米国アカデミー賞監督 滝田洋二郎 展」開催中!

高志の国文学館で企画展「米国アカデミー賞監督 滝田洋二郎 展」開催中<2020年11月30日(月)まで>。300点以上の貴重な資料から滝田監督の映画づくりの舞台裏を紹介する。また、同館ではこれまでの県ゆかりの映画作品、ロケ地情報などをホームページで公開を始めた。

●若い人たちにものづくりの魅力を伝えたい


▲フィルムキャメラなどを
展示したエントランス(左)
▲「渾天儀」のイメージディスプレイ(右)

 滝田洋二郎氏は、富山県高岡市福岡町出身の映画監督。「バッテリー」や「天地明察」など話題の文学作品を一早く映像化して文芸映画の復権に挑んでいる。2008年公開の映画「おくりびと」は、モントリオール世界映画祭グランプリ、日本アカデミー賞最優秀作品賞など数々の賞を受賞。第81回米国アカデミー賞では、日本映画として初の外国語映画賞受賞という快挙を成し遂げた。

 本展では、代表作を通して滝田監督の映画づくりの現場を紹介。人間の繊細な感情や心理が活写された作品世界から、その演出の魅力と背景をさぐるとともに、監督の映画製作にかける情熱と想いに、自作を語るインタビュー映像で迫る。

 エントランスでは、東映東京撮影所より借用した35mmフィルムキャメラ「アリフレックス535B」や500Wフレネルレンズスポットライト、カチンコ、35mmフィルム缶、サウンド用フィルム缶などを展示。また、1,000万部のロングセラーを記録した、あさのあつこ原作の映画「バッテリー」を題材に、原作から劇場公開まで映画製作の流れを紹介。滝田監督は本展を通して「若い人たちにものづくりの魅力を伝えたい」と熱く語っている。「バッテリー」主演の林遣都さんからのメッセージも展示している。

 企画展オリジナルのインタビュー映像も必見だ。エントランスでは「私の映画づくり」などを、企画展示室では「天地明察」、「おくりびと」、「北の桜守」について監督が語っている。

●オスカー像を間近に


▲オスカー像と滝田監督(左)
▲「白滝駅」駅名標(中央)
▲「北の桜守」のロケスナップ写真(右)

 企画展示室は、映画セットのようなワクワクする空間だ。冒頭の「自作略年譜」には監督自らの思いが書き込まれているので、ぜひ読んでほしい。福岡中学校入学の箇所には、「家に帰れば酒の配達。盆暮れは半年分の掛売りの集金。この実家の手伝いは人間観察にはうってつけで、自分の人格形成に少なからず影響した」などと記されている。

 会場中央には、映画「天地明察」に登場した「渾天儀」(天体観測の機器)のイメージディスプレイを飾り、来場者を映画の世界へといざなう。会場は、「滝田洋二郎が手掛けた映画たち」として、代表作「天地明察」、「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」、「おくりびと」、「北の桜守」の4作品のコーナーに大きく分かれており、台本や画コンテ、デザイン画、衣装・小道具、ロケスナップ写真、スケジュール表など映画製作の重要な資料を展示する。

 「おくりびと」コーナーでは、米国アカデミー賞外国語映画賞のオスカー像を富山初展示。「ラストレシピ」コーナーでは、佐々木充役の二宮和也さんが着用したコックコートを、「北の桜守」コーナーでは、江蓮てつ役の吉永小百合さんが着用したスーツや、使用したカメラなどが目を引く。木の板を鉄製に見えるように塗装された「白滝駅」駅名標もぜひチェックしたい。

 高志の国文学館では、「滝田監督と1年以上ミーティングを重ね、ようやく企画展が実現できました。展示を見て触発された若い人たちが、次代を担う映画人に成長してくれればと願っています。上映コーナーでは、滝田監督がこれまで手掛けた一般映画のプロモーション映像(26分26秒)をプロジェクターで紹介。コメディータッチのなかにも情感あふれる演出、エンターテイメント性に優れた作品の魅力の一端に触れることができます」と話している。

 なお、企画展開催を記念して、富山県ゆかりの映画作品を同館ホームページ<企画展「米国アカデミー賞監督 滝田洋二郎 展」>で公開中。1952年公開の「雪崩」(新藤兼人監督)から2020年公開の「もみの家」(坂本欣弘監督)まで、108作品の主なロケ地や出演者、原作、脚本を一覧で紹介。県内でどんな映画が撮影されたのか、また、どこが映画のロケ地となったのかがわかる。

問合せ
●高志の国文学館
TEL.076-431-5492
FAX.076-431-5490
http://koshibun.jp/

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