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2013年 1月 9日 [ トピックス ]

No.588-1:雪国の暮らし、文化の魅力を知る旅へ

積雪3mを超える豪雪地帯・五箇山。雪を滑り落とすため合掌の形をした急勾配の屋根、屋内や屋根に熱を伝える囲炉裏など、合掌造りには豪雪地帯ならではの工夫が見られる。1月26日(土)・27日(日)岩瀬家・行徳寺周辺、2月3日(日)世界遺産・菅沼合掌造り集落で開催される冬のライトアップイベント「四季の五箇山 雪あかり」も併せて、雪国の魅力を紹介。

▲相倉合掌造り集落

●伝統建築の重厚な佇まい

 積雪3mを超える豪雪地帯・五箇山。雪を滑り落とすため合掌の形をした急勾配の屋根、屋内や屋根に熱を伝える囲炉裏など、合掌造りには豪雪地帯ならではの工夫が見られる。1月26日(土)・27日(日)岩瀬家・行徳寺周辺、2月3日(日)世界遺産・菅沼合掌造り集落で開催される冬のライトアップイベント「四季の五箇山 雪あかり」も併せて、雪国の魅力を紹介。

 雪におおわれた世界遺産・相倉合掌造り集落と菅沼合掌造り集落へ。大空に向かって屹立する合掌造りの茅葺屋根が純白の雪景色に映える。屋根は雪が滑り落ちやすいように60度の急勾配。正三角形に近く、手のひらを合わせたような形をしていることから「合掌造り」の名がつけられたとされる。軒にはツララが何本も下がり、自然環境の厳しさを伝えている。

 合掌造りの組み立てには荒縄や“ネソ”と呼ばれるマンサクの木が使われる。梁には雪の重みで根元が曲がって育ったナラの巨木。“チョンナ”と呼ばれ、合掌造りをしっかりと支えている。太い梁や柱を眺めていると、伝統建築の素晴らしさが実感できる。

 “オエ”と呼ばれる居間には囲炉裏が切ってあり、煙が屋根裏(アマ、ソラアマ)へとのぼることで、梁や柱、縄などの防虫性や、茅葺屋根の防水性を高める。アマ、ソラアマの床はスノコのようになっており、囲炉裏の温もりが伝わりやすい構造。熱が茅葺屋根にも伝わり、雪も融けやすくなる。合掌造りは雪国・五箇山の人の知恵と技が生かされた木造建築の集大成ともいえる。

●光と闇の演出に酔いしれて

 白銀の世界に浮かび上がる豪壮な合掌造りと山々のシルエット―。冬恒例のライトアップイベント「四季の五箇山 雪あかり」が1月26日(土)・27日(日)17:30~20:30、岩瀬家・行徳寺周辺、2月3日(日)17:30~20:30、世界遺産・菅沼合掌造り集落で開催される。

 岩瀬家は加賀藩塩硝上煮役の旧家で、国指定重要文化財。五箇山最大の合掌造りには、かつて35人もの大家族が生活していたとされる。雪あかりでは、夜間の特別公開(入館500円)と民謡披露が行われる。囲炉裏の火で心身を温め、五箇山民謡(民謡披露19:30~)に耳を傾けたい。行徳寺は、約400年前、蓮如上人の導きで五箇山に真宗を布教した赤尾道宗が開基した寺。ライトアップされた茅葺の楼門が雪深い五箇山の山寺の風情を漂わせる。

 山間を流れる庄川の河岸段丘にひっそりと佇む世界遺産・菅沼合掌造り集落。夕闇のなか、50基ほどの照明によって、集落と9戸の合掌造りが幻想的に浮かび上がる。集落内では、地元の民謡団体がこきりこやといちんさなどの五箇山民謡を披露する(18:00~、19:30~)。合掌造りの障子戸を染める橙色の明かり、美しい旋律が心に染み渡っていくことだろう。景観を堪能したところで、岩魚の塩焼き、手打ちそばなど五箇山の味覚に舌鼓を打つのもいい。雪国・五箇山の暮らし、文化の魅力を知る旅へ。今冬、出掛けてみてはいかがだろう。


▲菅沼合掌造り集落▲囲炉裏の煙と温もりが上階へ▲合掌造りの屋根裏(アマ、ソラアマ)
問い合わせ
●五箇山観光総合案内所
TEL.0763-66-2468
FAX.0763-66-2469
http://www.gokayama-info.jp/

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