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2012年 10月 3日 [ トピックス ]
No.575-2:富山発の優れたデザイン商品を全国へ、「富山プロダクトデザインコンペティション2012」
若手デザイナーの登竜門「富山プロダクトデザインコンペティション2012」。最高賞のとやまデザイン賞に山本憲吾さんの木製ハンガー「Loop(ループ)」、準とやまデザイン賞に石井聖己さんの「KU-SEN(クーセン)」、黒木靖夫特別賞に杉本光俊さんの「木製の補助輪」が決定した。コンペには全国から396点の応募があった。入賞作品を含め、2次審査(最終審査)に残った13点が「富山デザインウエーブ2012展」<10月11日(木)~16日(火)、富山県民会館1Fロビー>で展示される。
●とやまデザイン賞に輪のような木製ハンガー
若手デザイナーの登竜門「富山プロダクトデザインコンペティション2012」。最高賞のとやまデザイン賞に山本憲吾さんの木製ハンガー「Loop(ループ)」、準とやまデザイン賞に石井聖己さんの「KU-SEN(クーセン)」、黒木靖夫特別賞に杉本光俊さんの「木製の補助輪」が決定した。入賞作品を含め、2次審査(最終審査)に残った13点が「富山デザインウエーブ2012展」<10月11日(木)~16日(火)、富山県民会館1Fロビー>で展示される。
「富山プロダクトデザインコンペティション」はプロダクトデザインの総合イベント「富山デザインウエーブ」の一環で、今年で19回目。デザイナー、企業、富山県総合デザインセンターが協働して入賞作品の商品化に取り組み、富山発のデザイン商品を創出することを主目的に開催されている。今年は全国から396点(一般285点、学生111点)の応募があり、1次審査、模型提出、公開プレゼンテーションによる2次審査を経て、各賞が決まった。応募対象は生活雑貨全般で、テーマは自由。独創性(斬新でデザイナーの個性が反映されたものであるか)、市場ニーズ(今の時代に適合し、市場が求めているものであるか)、美的価値(形として美しいものであるか)、商品化の可能性(製造方法が現実的なものであるか)といった評価基準で審査が行われた。
とやまデザイン賞に輝いた「Loop」は、ひとつなぎの輪のような形をしており、服を型崩れさせず、美しく見せることができる木製ハンガー。素材は、温かみがあり、強度もある杉の柾目(まさめ)材。富山県産の杉は国産杉の平均と比べてたわみ量が多いため、曲がりやすいことに着目。「曲げわっぱ」の技術を応用して曲げ、県産杉を何層も重ねることで服をかけるのに適したハンガーの形を保ちつつ重ねて収納できるようになっている。服をかけているときもかけていないときも機能的なハンガーといえる。
準とやまデザイン賞の「KU-SEN」は、ポリカーボネート製のユニークな団扇。軽くて、デスクの空いたスペースに自立させることができる。持ち手にほどよい重さがあるため、安定して扇げるのも特徴。電気に頼らないで“涼”を得られる団扇は、節電が求められる今の時代にマッチしている。
黒木靖夫特別賞の「木製の補助輪」は、タイヤの部分に木を使った自転車の補助輪。乗り降りの練習をするたびに、少しずつタイヤがすり減り、いつのまにか自転車に乗れるようになる。子どもの成長を親子で喜べるプロダクトデザインだ。
●全国ヒットへ、商品化を支援
県総合デザインセンターでは、今後、コンペティション受賞作品の商品化を支援。交流会やマッチング会を開催し、デザイナーと県内メーカー、県外販売元との協業を促す。その後、デザイナーとメーカーとの間に入り、量産に適したディテールの調整や素材の見直しなど、試作を繰り返しながら商品化を目指していく。メーカー側から商品化の手が挙がらない場合や、コンペティション受賞作品以外でも市場性がありそうな作品については、デザイナーと同センターで自主的にデザインを進めることがある。コンペティション応募作品の中からこれまでに商品化されたものは30点以上。全国的なヒット商品の誕生が期待されている。
「富山デザインウエーブ2012展」では、デザイン展として、「富山プロダクトデザインコンペティション2012作品展」のほか、ガラス、真鍮、アルミ、錫を素材として選び、ものづくりの新たな可能性に挑戦した作品を紹介する「ガラスとメタルのワークショップ作品展」、富山プロダクツ選定商品を紹介する「富山で生まれた富山の良いもの TOYAMA PRODUCTS展」が開かれる。なお、富山プロダクツ選定商品とは、富山県が県内で企画または製造された工業製品で、性能や品質、デザイン性に優れた商品を選定したもの。商品の改善や展開をサポート、販路拡大のバックアップが受けられる。これまでに約140点の選定商品があり、コンペティション受賞作品の中からの選定商品もある。「富山デザインウエーブ2012展」では、今年新たな選定商品(25点)が発表される。
富山県総合デザインセンターでは、「今年のコンペティションでは、エコや省エネなど環境に配慮した作品や、生活に身近なわかりやすい作品が多く、即効的な発想によるものが目立った。逆にいえば、インパクトのある作品や深い考察がもう少しほしかった。受賞作品にセンターのノウハウを注ぎ、開発シナリオを描き、富山発の商品に育てていきたい」と話している。
問い合わせ
●富山県総合デザインセンター
TEL.0766-62-0510
FAX.0766-63-6830
http://www.toyamadesign.jp/