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2009年 4月 28日 [ トピックス ]
No.401-2:シロエビの殻もエコで美味しく!「シロエビパウダー」開発
透きとおった淡いピンク色で、“富山湾の宝石”とも称されるシロエビ。水産食品加工のシラホフーズ(株)<富山市水橋>は、シロエビの殻を直径約0.05mmの超微粉末(小麦粉の約半分の粒度)に仕上げた「シロエビパウダー」を開発した。富山湾のシロエビを余すところなく使った、美味しさとエコを両立させた加工食品として、飲食店や食品メーカーなどに販売を始めた。
●もったいない精神で、美味しさとエコの両立へ
透きとおった淡いピンク色で、“富山湾の宝石”とも称されるシロエビ。4月に入って、今シーズンの漁が解禁となり、シロエビが水揚げされる新湊、岩瀬の各漁港は活気づいている。
そんななか、シロエビやホタルイカなどの水産食品加工を手がけるシラホフーズ(株)<富山市水橋>は、シロエビの殻を直径約0.05mmの超微粉末(小麦粉の約半分の粒度)に仕上げた「シロエビパウダー」を開発。粉末食品事業部を立ち上げ、飲食店や食品メーカー向けに販売を始めた。
同社では、シロエビのむき身や昆布〆、釜揚げなどを主力に製造・販売しており、これまでシロエビ1尾の40%ほどを使うだけで、殻などは廃棄処分してきた。貴重な水産資源の無駄な廃棄をなくし、有効活用できないか、美味しい食品ができないかと考え、富山県立大学などの協力を得て、開発をスタート。独自の殺菌・乾燥技術で生臭さを除去し、特殊な粉砕技術によって、ざらざらとした食感が残らない、超微粉末化に成功した。富山湾のシロエビを余すところなく使った、美味しさとエコを両立させた加工食品の誕生である。
シロエビパウダーは風味が豊かで、料理に上質な香りをもたらすため、味噌汁や吸い物、煮物のだしなどに利用できる。白色の超微粉末で、料理の彩りや食材の食感を損なうことがないのも特徴。加工食品メーカーや飲食店などと連携し、パウダーを練り込んだ商品開発にも取り組んでおり、6月ごろに麺類を商品化し、販売する予定だ。
●シロエビと野菜のパウダーで介護食品を
シロエビの殻には、カルシウムをはじめ、マグネシウム、カリウムなどのミネラルも豊富。タウリンやキチン、キトサンなどの成分も含まれている。同社では、カボチャやニンジンなどの野菜の微粉末化にも成功しており、シロエビパウダーと合わせた栄養補助食品としての可能性も探っている。高齢化社会の進展で需要が高まっている介護食品市場向けに、パウダーをス-プに使ったり、ゼリーに混ぜて流動食や嚥下困難(食べ物をうまく飲み込めない状態)な高齢者、乳児向けの食品開発にも取り組んでいく考えだ。
なお、嚥下補助食品(とろみ調整用)として、増粘安定剤を利用してとろみをつける「トロミプラス」、ゼリー状にする「ゲルプラス」の2種類を協力工場に委託して生産しており、病院や老人施設、給食業者などを対象に営業活動を展開。パウダーと嚥下補助食品のノウハウのシナジー効果をねらっている。
シラホフーズ(株)の荒井忠一社長は「富山湾の恵み・シロエビの殻を廃棄することに、もったいないとこれまで強く感じてきた。富山湾の魚が美味なのは当たり前。これからはプラスアルファの商品、ブランドを作り上げていくことが大切。“シロエビの風味を生かしたパウダー調味料の製造・販売”の事業は昨年、経済産業省中部経済産業局から地域資源活用事業計画の認定を受けた。事業を軌道に乗せ、美味しさと健康をプラスした食品づくりで社会に貢献していきたい」と話している。
問い合わせ
●シラホフーズ(株)
TEL.076-479-9311
FAX.076-479-1109
http://www.siraho.jp/