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2000年 4月 14日 [ トピックス ]
No.064-1:日本のツバキのルーツを探ろう!中央植物園「雲南温室」がオープン
■日本のツバキのルーツを探ろう!中央植物園「雲南温室」がオープン
富山県中央植物園(婦中町)に、中国雲南省の植物を集めた雲南温室が今年2月オープンした。中国南西部に位置する雲南省は、ベトナム国境付近の低地(標高72m)からチベット・ヒマラヤへと続く高山(標高6,740m:最高峰/梅里雪山)まで熱帯から寒帯にわたる多様な気候に恵まれた地方で、約1万5千種類もの植物が生育していることから「植物の宝庫」と呼ばれている。雲南省の植物は日本の植物と共通の祖先をもつ植物が多く、日本の植物のルーツを探るうえで興味深い地域でもある。豊富な雲南植物662種類を展示したこの温室は、植物園を訪れる人々の目を楽しませている。
■熱帯から寒帯にわたる自然環境の中で育つ多種多様な雲南植物
この雲南温室は温度条件の異なる2つの温室からなっている。一つは、雲南省を代表するツバキの仲間「トウツバキ」を中心とした温室で、常春と呼ばれる温暖な気候で育つボタン型、バラ型など花の形によって分けられた様々なツバキが色鮮やかに並んでいる。もう一つは、雲南省の熱帯・亜熱帯の植物を展示した温室で、乾期と雨期のそれぞれの環境に適応したクスノキ科、マメ科、クワ科などの植物のほか、花や葉に香りのある植物、果実や種子の形がユニークな植物などが展示されている。
■10年、20年の歳月をかけて「雲南温室」が完成!?
これらの植物の導入は、平成4年から雲南省昆明植物研究所と中央植物園との間で12回に分けて行われ、今では、その植物の種類は662種にのぼる。温室を歩くと、日本でも馴染みの花の仲間が色とりどりに顔をのぞかせ、心を和ませてくれる。雲南省では標高2,000mの地域でも日本と変わらない温暖な気候で、日本の平地で見られる同じ仲間の花が生育していることもとても興味深い。雲南温室の植物は苗から植栽したため、温室内はまだ完全な状態ではなく少し寂しい感じもするが、「この先10年20年をかけて草木が成長し、植物園が自然なかたちで出来上がっていくのがとても楽しみ」と同植物園の職員は話している。
また、同植物園では雲南温室の他に世界の植物ゾーンがあり、世界の珍しい植物や熱帯雨林植物、高山植物などを鑑賞することができる。「植物園では、日本に住んでいたら本当は見ることのできないはずの熱帯地方などの植物や花を楽しむことができる。また最近では、自生地では絶滅寸前の植物を大切に保存しており、自然の恵みに触れることのできる植物園の意義はだんだん大きくなってきている」と同植物園の職員は熱く語る。
問い合わせ
●富山県中央植物園
富山県婦負郡婦中町上轡田42
TEL 076-466-4187
開園時間 午前9:00〜午後5:00(入園は午後4:30まで)
休園日 毎週木曜日
入園料 大人600円 (団体20人以上 480円) 小人300円(同240円)