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1999年 9月 6日 [ トピックス ]
No.045-3:名峰剱岳の登山基地で全国初の試み! 使用済みトイレットペーパーの分別
■登山者に、自然環境の保全活動に協力を求める
日本トイレ協会の会員となっている富山県では、同協会が行っている「山のトイレさわやか運動」の一環として、立山連峰の剱沢公衆トイレで、使用済みトイレットペーパーの分別とチップ(寄付金)制を7月末から実施している。
「山のトイレさわやか運動」は“山にし尿をたれ流さない”をテーマに、美しい山と清らかな水源を21世紀に引き継ごうと昨年1月から始まった運動で、登山家の田部井淳子氏を代表者に、趣旨の賛同者として中沖豊富山県知事も名を連ねている。 今回導入された使用済みトイレットペーパーの分別は全国初の試みで、平成4年度から実施している県独自のNPC(ナショナル・パーク・クリーン)作戦の一環としても位置付けられており、各方面から注目されている。
■し尿の減量と空輸作業の軽減に取り組む
剱沢公衆トイレは名峰剱岳の登山基地としてにぎわう剱沢のキャンプ場にある。トイレは汲み取り式だが、年間利用者が約3,000人と多く、山岳地帯の自然環境を守るためにへリコプターでし尿を平野部に下ろし、処理している(平成4年度に引き続き、今年度も実施する予定)。
利用者に協力してもらい、使用済みトイレットペーパーの分別を行うことで、し尿の減量につなげ、またバキューム作業の障害となるティッシュペーパーやビニ−ル袋、下着、ゴミなどの便槽への混入防止にもつながるものと期待されている。
具体的には、トイレの各ブースに木箱(スギ間伐材製)が設置されており、利用者は使用済みペーパーをこの木箱に捨てるというもの。木箱は毎日、常駐する管理人(県自然保護課嘱託職員)が点検しており、回収したペーパーはそこで焼却される。
■利用者のまごころを役立たせる
チップ(寄付金)制の導入では、利用者に理解を求めるために、お願いの看板をトイレの入り口に掲示し、チップ箱を設置した。チップは100円程度としており、回収した善意の寄付金はトイレの管理やし尿搬出・処理、環境の保全に役立たせる。
なお、山岳地帯のトイレとしては、平成8年に環境庁が富士山に設置したトイレ(山梨県側と静岡県側の2カ所)にも、今年度からチップ制が導入された。
問い合わせ
●富山県生活環境部自然保護課公園管理係
〒930-8501 富山市新総曲輪1-7
076-444-3398