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2010年 5月 26日 [ トピックス ]

No.456-2:“低炭素社会型の観光地づくり”を目指せ! でんき宇奈月プロジェクト


 宇奈月温泉で「でんき宇奈月プロジェクト」を進めている黒部・宇奈月温泉観光活性化協議会は、温泉街と周辺の観光に活用できる電気自動車のレンタル事業をスタートさせた。富山高等専門学校では、学校独自に「地域元気! 輝け、明日の女性技術者!-文系・理系コラボによる地域活性化プロジェクト-」を掲げ、でんき宇奈月プロジェクトとコラボレーション!


●電気自動車が走る宇奈月温泉

 “低炭素社会型の観光地づくり”、“電気自動車の温泉街”を目指し、宇奈月温泉で「でんき宇奈月プロジェクト」を進めている黒部・宇奈月温泉観光活性化協議会は、第1弾として、温泉街と周辺の観光に活用できる電気自動車、電動アシスト自転車のレンタル事業をスタートさせた。
 
 でんき宇奈月プロジェクトは、名峰・マッターホルンの山麓に広がるスイス・ツェルマットをモデルしたもの。ツェルマットは、交通システムに電気自動車を活用し、環境にやさしい山岳リゾート地として世界中から多くの観光客を迎えている。同協議会では、宇奈月温泉がツェルマットと同様に背後に山岳地が迫っていることやコンパクトにまとまった街を形成していることに着目。現地視察や調査を行いながら、観光地としての新たな魅力づくり、可能性を探ってきた。電気自動車の導入による温泉街の環境保全とともに、エコをキーワードにした取り組みによって、宇奈月温泉の活性化を図る。

 レンタルするのは、1人乗りの電気自動車でオープンカータイプの「エクシートRS」(スポーツカー仕様)、イエローの車体の「キューノ」の計2台と、電動アシスト自転車20台。5月中にはエクシートをもう1台増やす予定だ。料金は、電気自動車が30分以内700円、60分以内1,300円。電動アシスト自転車(電動カート)は2時間以内300円、4時間以内500円。温泉街から宇奈月ダム上流のとちの湯までと、温泉街から下流の音沢地区までを周遊するコースを設けている。温泉街の無料休憩所「いっぷく処」でレンタル申込みを受け付ける。温泉街の宿泊者には割引サービスがある。レンタル有料化の4月26日からゴールデンウイークの前後にかけての15日間で100件を超える利用があり、電気自動車の導入に県内外からの反響も大きいという。レンタル事業は12月中旬まで。

 黒部・宇奈月温泉観光活性化協議会は、県建設業協会や黒部市、黒部・宇奈月温泉観光協会、宇奈月温泉旅館協同組合、富山高等専門学校など12団体で構成。プロジェクトは、国土交通省の「建設業と地域の元気回復助成事業」に選ばれている。

 同協議会事務局では、「今夏にも旅館・ホテルの宿泊者送迎用などに電気自動車バスの運行を始める予定。また、簡易型小水力発電を生活用水に設置して発電し、電気自動車や温泉街の街灯へ電力を供給する計画も進めています」と話している。

●高専ガールズが宇奈月温泉の活性化に挑戦!

 黒部・宇奈月温泉観光活性化協議会のメンバーとして、電気自動車の技術的サポートなどを担う富山高等専門学校(独立行政法人 国立高等専門学校機構)では、学校独自に「地域元気! 輝け、明日の女性技術者!-文系・理系コラボによる地域活性化プロジェクト-」を掲げ、でんき宇奈月プロジェクトとコラボレーションしながら、地域活性化、女性技術者の育成に取り組んでいる。今年1月、推進拠点として、富山地方鉄道・宇奈月温泉駅前に「国立富山高専サテライトオフィス・宇奈月」を開設した。
 
 同学校のプロジェクトでは、女子学生のキャリア教育と地域活性化によるシナジー効果をねらう。教職員19名と女子学生13名がプロジェクトに参加しており、2月に行われた宇奈月温泉雪のカーニバル・スノーフェスタでは、地元の子どもたちや観光客らを前に、液体窒素や人工イクラ、ガラスなどを使った科学実験イベントをサテライトオフィスで行った。
 
 このほか、携帯電話での宇奈月温泉の情報発信にも取り組んでいる。足湯おもかげといった温泉街の観光スポット、旅館・ホテル、飲食店などの名称、特徴などのデータを、携帯電話iPhoneの画面で見られるソフト「セカイカメラ」に登録。iPhoneを持った観光客が、画面に表示されたエアタグと呼ばれるデジタル標識にタッチすると、各スポットの情報を得ることができるようにした。今後も宇奈月温泉のイベントへの参加やセミナー開催、温泉街の魅力発信に取り組んでいく。

 富山高等専門学校では「女子学生の理系離れをくい止め、優秀な女性技術者を育てようと、地域活性化プロジェクトを立ち上げ、でんき宇奈月プロジェクトに参加しました。エコを発信する温泉観光地をフィールドにした活動ということで女子学生も興味を持って参加しやすい。低炭素型の観光地づくりや地域活性化に貢献できれば。地域と連携したキャリア教育に大いに期待しています。富山高専の存在感とブランド力の向上を目指します」と話している。


▲科学実験イベント(左) 女子学生が足湯でタグ付け(右)


問い合わせ
「でんき宇奈月プロジェクト」について
●黒部・宇奈月温泉観光活性化協議会<事務局:大高建設(株)>
TEL.0765-62-1106
FAX.0765-62-1631
http://denki-unazuki.net

「地域元気! 輝け、明日の女性技術者!-文系・理系コラボによる地域活性化プロジェクト-」について
●富山高等専門学校
TEL.076-493-5402
FAX.076-492-3859
http://www.nc-toyama.ac.jp

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