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2008年 4月 23日 [ トピックス ]

No.349-2:トロッコ電車で春の黒部峡谷探勝へ


 深さ日本一のV字峡として知られる黒部峡谷に春の訪れを告げるトロッコ電車の軌道の音--。冬季運休していた黒部峡谷鉄道が4月20日、宇奈月-猫又の区間(11.8km)で営業運転を再開した。29日(祝・火)に鐘釣まで、5月1日(木)には欅平までの全線が開通する。ゴールデンウイークは秘境・黒部峡谷で世界に誇る自然美を堪能したい。


●5月1日、全線開通

 深さ日本一のV字峡として知られる黒部峡谷に春の訪れを告げるトロッコ電車の軌道の音--。冬季運休していた黒部峡谷鉄道が4月20日、宇奈月-猫又の区間(11.8km)で営業運転を再開した。29日(祝・火)に鐘釣まで、5月1日(木)には欅平までの全線が開通する。

 北アルプス・鷲羽岳に源を発する黒部川の上・中流域に、切り立ったV字峡を形成する大峡谷・黒部峡谷。急峻な断崖絶壁を縫うように走るトロッコ電車が、手つかずの大自然が広がるこの秘境へと導いてくれる。41のトンネル、22の橋を抜け、宇奈月から欅平までの総延長20.1kmを平均速度16km/hのスピードで約1時間20分かけて走る。軌道の幅は762mmと新幹線のほぼ半分のサイズ。可愛らしいオレンジの電車に乗り、岩盤剥き出しのトンネルの中を走り抜けると、気分はまさに地底探検隊のようだ。谷底から60mの高さに架けられた後曳橋、エメラルドグリーンに輝く黒部川、垂直に切り立った大岩壁、河原に残る黒部万年雪など、電車が進むごとに息を飲むような絶景に出会える。特に春は、新緑と山々の残雪が織り成す景観が美しい。ブナやナラなどの原生林からは緑が香り、大自然の息吹を感じることができる。

 この時期ならではのイベントも待ち遠しい。5月1日(木)には黒部峡谷オープニングフェスティバルが宇奈月駅前で催され、全線開通を祝うセレモニーや特産品の販売などが行われる。5月5日(祝・月)は“こどもの日プレゼント”として、乗車した小学生に記念品がプレゼント(先着1,000名)されるから、ファミリーでぜひ黒部峡谷へ。5月17日(土)・18日(日)の“黒部峡谷三色餅つき祭”では、宇奈月駅でヨモギやキビなどの餅がつかれて、観光客にふるまわれる。

●黒部峡谷・宇奈月温泉「とくとくキップ」発売

 爽やかな春風に誘われて、沿線の温泉をめぐるのも楽しみだ。黒薙駅から山道を20分ほど歩くと、ひなびた風情を漂わす黒薙温泉に到着。宇奈月温泉の源泉ともなっている温泉は湯量が豊富で、巨石を積み上げた露天風呂に浸かると心身の疲れも癒されるだろう。続いては、鐘釣駅で下車し、石段を下って黒部川の河原へ。鐘釣温泉は河原に湧き出る温泉を使った露天風呂が野趣満点。石を積み上げ、自分だけの小さな湯舟を造って入ってみるのも一興だ。欅平では、気軽に浸かれる足湯が6月上旬(予定)に供用を再開する。河原から一気に600mも立ち上がる奥鐘山と朱塗りの奥鐘橋、黒部川を眺めながらの足湯のひとときは、秘境探勝の疲れを足からほぐしてくれる。

 温泉といえば、トロッコ電車の乗車券や宇奈月温泉・欅平地区温泉の入浴券などがセットになった「とくとくキップ」<5月7日(水)~7月18日(金)、9月1日(月)~9月30日(火)の期間限定発売>の話題も紹介したい。宇奈月-欅平間の往復乗車券(普通客車利用)、温泉入浴券(またはセレネ美術館入館券)、食事券の3つがセットになっており、料金は大人3,850円、小人2,520円。宇奈月-欅平間の正規往復運賃だけでも大人3,320円なので、プラス530円で食事や入浴も楽しめるとはかなりお得な設定となっている。温泉入浴券は、宇奈月温泉(ホテル・旅館10施設)と欅平(3施設)のうちの1カ所で利用できる。食事券は宇奈月駅と欅平駅内のいずれかのレストランで利用でき、峡谷そば(うどん)や小鉢、飲み物などのセットが楽しめる。

 黒部峡谷鉄道では、「沿線の積雪が例年より少なく、除雪作業も順調に進んでおり、全線開通も予定通りに迎えられそう。新緑が峡谷を彩る春の景観をお楽しみください。トロッコ電車乗車前に宇奈月駅前に建つ黒部川電気記念館(入館無料)で峡谷の自然や黒部川の電源開発の歴史を学ぶと、旅の思い出がより深まることでしょう」と話している。




問い合わせ
●黒部峡谷鉄道・営業センター
TEL.0765-62-1011
FAX.0765-62-1724
http://www.kurotetu.co.jp/

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