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2007年 11月 28日 [ トピックス ]

No.328-1:富山の冬の味覚で口福!


 富山湾に冬の訪れを告げるブリ漁が始まるなか、氷見市内の宿泊施設や飲食店では、来年2月29日(金)まで、「本場! 氷見のぶりしゃぶまつり」を開催。ズワイガニや干柿も食べ頃を迎えている。

●「本場! 氷見のぶりしゃぶまつり」でブリ三昧

 北海道や東北などから大雪のニュースが届くなど、師走に向けて寒さも厳しくなってきた日本列島。富山湾では、冬の訪れを告げるブリ漁が始まり、“富山湾の王者”と呼ばれるブリが氷見沖の定置網にかかっている。11月27日(火)までの漁獲量は累計591本で、今後の豊漁が期待されている。
 
 ブリは、ツバイソ、コズクラ、フクラギ、ガンド(1歳魚)、ニマイズル(2歳魚)、ブリ(3歳魚)と成長に合わせて呼び名が変わる出世魚。寿命7〜8歳で体長120cmほどまで成長するとされる。富山湾では、8月頃から全長20cmほどのツバイソ、秋はフクラギ、ガンド、そして初冬に“ぶり起こし”の雷鳴に伴ったシケが到来すると、ブリ漁が本格的に幕を開ける。

 体重10kgを超える魚体、青緑色の背に銀白色の腹と、丸々と太ったブリが氷見漁港に水揚げされると、市場は競りの掛け声で活気づく。春から夏にかけて日本海を北上し、晩秋から南下を始め、初冬に富山湾に入ってきたブリは、日本海の荒波にもまれて身は引き締まり、産卵をひかえて脂が最ものった状態だ。氷見沖の定置網で漁獲されたブリは、沖合いですぐに水氷(砕氷でつくられた冷凍水)で締められる。生きたままのブリを瞬時に仮死状態(冷凍ではない状態)にするので鮮度はそのまま、1時間ほどで氷見漁港へ。そして、イキがいいままに競りにかけられ、全国へ。発送するときも大量の氷につけて梱包するなど、氷見の漁業関係者は氷の使用を惜しまず、鮮度を送ることも大切にしている。冷凍技術がない時代には、ブリは塩漬けにして送られていた。確認できる最古の資料では、1595年に京都にいた前田利家(加賀藩初代藩主)がブリ17本を塩漬けにして送るよう、宇波村(現在の氷見市宇波)の肝煎り百姓(小役人)に手紙で要請したとされている。そんな逸話を思い浮かべながらいただくブリの味わいも格別といえる。

 ぶり料理といえば、刺し身、かま焼き、照り焼き、ぶり大根などが定番だが、今秋、富山県とキリンビールが「キトキトプロジェクト協定」を締結し、ぶりしゃぶを全国でPRしている。それに合わせて氷見市観光協会でも、来年2月29日(金)まで、「本場! 氷見のぶりしゃぶまつり」を開催中。市内29軒の宿泊施設と8軒の飲食店で、ぶりしゃぶをはじめとした「ぶり料理」や、旬の食材を使った板前自慢のオリジナル料理を提供する。昆布だしのものや豆乳など、ぶりしゃぶ料理は各店に特徴があり、食べ比べてみるのもいいだろう。

 まつり期間中の12月と1月には、「食の語り部と楽しむ寒ぶりの会」(参加無料)が氷見市内の観光施設や宿泊施設などで10回開催されるのも話題。県認定の「食の語り部」の方たちが氷見の料理やその背景にある歴史、文化、生産加工などについて説明を行う。開催日時は現在調整中で、参加を希望する方は氷見市観光協会へ。氷見では、肝のうま煮、腸のみそ煮、皮の煮こごり、ふと(胃袋)の酢みそ和えなど、ブリを余すところなくすべて使い切る。水揚げされたばかりの新鮮なブリだからこそできる料理で、魚都・氷見ならではの珍味。食の語り部からそんな珍味について聞くのも楽しみだ。

●ズワイガニと干柿も美味

 ブリとともに富山湾の冬の味覚を代表するのが、ズワイガニ。漁が11月6日(火)に解禁となった新湊漁港では、水揚げされたズワイガニが威勢のいい掛け声とともに「などきのセリ」(午後1時のセリ)にかけられ出荷されている。ズワイガニといえば、山陰の「松葉ガニ」、福井の「越前ガニ」が全国的に有名だが、富山湾のズワイガニもそれらに勝るとも劣らぬ味わい。「特別な甘みがある」と評価も高い。

 美味の理由は、他の産地と違い、湾内に生息しているカニだから。庄川、小矢部川から流れ込む大地の栄養で育った海洋生物をたっぷり餌にしているため、外洋性のカニと比べて太めで肉つきがよく、身に甘み成分がしっかりのっているというわけだ。新湊ではそんな美味なカニを“うちうみのカニ”と呼んで珍重しているという。地元の飲食店で、刺し身や焼きガニ、かにしゃぶなどに舌鼓を打ち、その魅力を堪能してみたい。

 富山湾の味覚を楽しんだところで、デザートとして味わいたいのが、南砺市・医王山のふもとで作られる「富山干柿」だ。三社柿と呼ばれる大玉の渋柿を使った干柿で、「医王おろし」と呼ばれる寒風にさらし、自然乾燥と練炭室などでの火力乾燥を繰り返すと、渋柿がとろけるような甘みをもつ干柿に変身。乾燥させるため、飴色のカーテンのようにつるされた干柿の様子は初冬の風物詩といえる。いただくと、果肉がやわらかく、自然の甘みが口いっぱいに広がる。果糖をはじめ、食物繊維、ビタミンが豊富で、近年、自然食品、健康食品として注目されているのもうなずける。現在、12月上旬の販売に向けて、生産農家では干柿づくりと出荷作業で大忙し。12月から1月にかけて、約500万個が全国へ出荷される予定。



問い合わせ
「本場! 氷見のぶりしゃぶまつり」について
●氷見市観光協会
TEL.0766-74-5250
FAX.0766-74-5453
http://www.kitokitohimi.com/

「ズワイガニ」について
●新湊漁業協同組合
TEL.0766-82-7707
FAX.0766-84-7707
http://www.tairyonet.or.jp/

「富山干柿」について
●富山干柿出荷組合連合会
TEL.0763-52-0078
FAX.0763-52-0077

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