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2007年 5月 2日 [ トピックス ]
No.298-1:富山湾の夏の味覚・天然岩ガキ、解禁
富山湾の夏の味覚として、首都圏でも高い評価を得ている天然岩ガキ。4月16日(月)に今シーズンの漁が解禁され、水揚げされた新湊漁港では威勢のよい競り声で活気づいている。漁は6〜7月が最盛期で、9〜10月の産卵期前の8月末まで続く。
●「海のミルク」と呼ばれているカキの滋味を
富山湾の夏の味覚として、首都圏でも高い評価を得ている天然岩ガキ。4月16日(月)に今シーズンの漁が解禁され、水揚げされた新湊漁港では威勢のよい競り声で活気づいている。漁は6〜7月が最盛期で、9〜10月の産卵期前の8月末まで続く。
新湊漁港に水揚げされる岩ガキは、漁港近くや射水市海老江・堀岡、高岡市伏木の海中2〜10mの波消しブロックや防波堤、岩場で漁獲される。新湊や伏木沖は、庄川、小矢部川の大河が流れ込むため山や大地からの栄養分も豊富で、その栄養分によってプランクトンが多く発生する。一般的にカキは、たんぱく質やミネラル、ビタミンなどを豊富に含んでいることから「海のミルク」とも呼ばれているが、新湊産岩ガキは、特に栄養豊富な海水やプランクトンを体内に取り込み、栄養を蓄えて成長していくため、身がぷっくりと厚く、滋養に富んでいるのが特徴だ。
新湊漁港では、魚市場では珍しく、午前5時30分から始まる早朝と、午後1時からの「などき(七つ時)の競り」の1日2回、競りが行われるため、水揚げされたばかりの新鮮な魚介が揃うことも自慢。岩ガキは「などきの競り」が中心で、それに合わせて漁師たちは早朝から漁を始め、漁獲後に陸に上げて、洗浄や選別などの作業を終え、競りを迎える。
●資源管理のために新湊カキ管理委員会を組織
岩ガキ漁に携わって4年目という小林一三さん(射水市)は、朝6時ごろから新湊漁港近くの防波堤で岩ガキを採取する。ウェットスーツを着用し、深いところでは10mほども潜るという。資源保護のために小さな岩ガキは残し、殻の長さが約15cm以上のものだけを獲る。「岩ガキの生育には5年ほどかかり、安定して市場へ供給するために乱獲せずに大事に育てていかなければならない。新湊産は、太めで肉付きがいい。大きく育ったものが市場で高く値がつき、地元の飲食店や首都圏で好評と聞くとうれしい」と話す。
新湊漁協の組合員で岩ガキ漁に携わっている漁師は現在8名。貴重な資源を管理し、品質のよい岩ガキを市場に供給するために「新湊カキ管理委員会」を独自に組織し、採取する岩ガキの大きさなどを取り決めている。競りにかけられる岩ガキには、採取した海域や「新湊カキ管理委員会」名や漁業者名、生食用・加熱加工用などを記した証明書が添えられており、安全・安心への取り組みも行われている。
岩ガキの殻の長さは20〜30cm、幅は10cm以上にもなり、競りのために新湊漁港の市場にずらりと並んだ姿は圧巻。野趣にあふれた磯の香りを漂わせ、独特の存在感を放っている。射水市新湊にある割烹などでは、獲れたての岩ガキを酢やレモン汁をかけて生で、また鍋などで食べさせてくれるので、富山湾の夏の味覚に舌鼓を打ちたい。
問い合わせ
●新湊漁業協同組合
TEL.0766-82-7707
FAX.0766-84-7707
http://www.tairyonet.or.jp/