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2007年 2月 14日 [ トピックス ]

No.287-2:「九転十起の男−−第2部・激動編」、GWに上映予定


 富山県氷見市生まれの実業家で、京浜工業地帯の基礎を築いた浅野総一郎(1848〜1930)にスポットを当てた映画「九転十起の男」(市川徹監督)。昨年秋に公開された第1部「浅野総一郎の青春」に続き、第2部の「激動編」(主演:加勢大周さん)の製作が進められており、2月1日(木)には氷見市内と富山湾に面した雨晴海岸でロケが行われた。川崎、横浜などのロケも快調に進み、GWに上映予定。

●情熱と行動力で近代日本を駆け抜けた実業家、浅野総一郎

 富山県氷見市生まれの実業家で、京浜工業地帯の基礎を築いた浅野総一郎(1848〜1930)にスポットを当てた映画「九転十起の男」(市川徹監督)。昨年秋に公開された第1部「浅野総一郎の青春」に続き、第2部「激動編」(主演:加勢大周さん)の製作が進められており、2月1日(木)には氷見市内と富山湾に面した雨晴海岸でロケが行われた。

 浅野総一郎は、激動の近代日本を駆け抜けた実業家として知られるが、その生涯は“七転八起”ならぬ“九転十起”のよう。青年時代には、織物の生産と販売、醤油の醸造、稲扱ぎ機の仕入れ・貸し出しと次々に手を出したが、どの商いもことごとく失敗。“総一郎ではなく損一郎”と皮肉られ、借金を抱えて24歳で東京へ出奔する始末だった。運気が上昇するのがその東京。水に砂糖を入れて売る“冷やっこい屋”で儲け、薪から炭、石炭へと事業を拡大させていったという。

 激動編では、挫折を繰り返しながらも実業家として基盤を固めていった30代から50代がクローズアップされる。官営で赤字休業状態の深川セメントに目を付けると、情熱と行動力で払い下げに成功し、浅野セメント、東洋汽船を設立。同じ富山県出身で安田財閥の祖・安田善次郎、“明治の怪物”といわれた渋沢栄一ら、財界人との交流を通して成功していく様子が描かれる。

●氷見市職員も協力した映画ロケ

 浅野が三菱財閥に対抗しようと東洋汽船創業に向け、全国の船主に呼びかけて「日本海運同盟会」を設立するシーンは、氷見市役所で議会の特別会議室を使ってロケが行われた。氷見市助役、職員ら11名が船主に扮し、丸眼鏡や蝶ネクタイを身につけて登場。日本海運同盟会の結成に同意を求めて頭を下げる浅野(加勢さん)に応え、全員が拍手を送るシーンを無事撮り終えた。氷見市内では浅野の娘と娘婿との出会いのシーンも撮影された。

 高岡市太田の雨晴海岸では、雪のちらつくなかでの激動編のラストシーン。源義経と弁慶の雨宿りの伝説が伝わる義経岩の近く。心の支えだった母親を亡くし、静かに涙を流す浅野。純白の雪、鉛色の海、打ち寄せる波の音。冬の富山湾を絡ませた、情緒あふれるシーンが撮影されたようだ。

 映画製作会社「さざ波」(川崎市)では「前作が好評で、続編が観たいという声に応えて、激動編、完結編の3部作を製作することになった。氷見からの支援、温かい声援がありがたい。富山でのロケシーンのほか、浅野が横浜〜サンフランシスコ間の航路を独自に開くために資金集めに奔走するシーン(関東ロケ)も楽しみにしてほしい。第2部・激動編は、GWに川崎市の109シネマズ川崎で封切られ、6月頃に富山県内でも上映予定」と話している。

 第2部・激動編に先立ち、第1部「浅野総一郎の青春」が富山県内4会場<黒部市会場(コラーレ):2月24日(土)、富山市会場(富山市婦中ふれあい館):3月10日(土)、氷見市会場(氷見市いきいき元気館):3月25日(日)、高岡市会場(ウイング・ウイング高岡):3月31日(土)で特別上映されるのでお見逃しなく(チケット問合せ:北日本新聞社広告局 TEL.076-445-3321)。

 なお、「さざ波」では、氷見の仲買人、浜井祐雄さんをモデルにした映画「越中寒ブリ物語(仮)」の製作を決めている。浜井さんは氷見フィッシャーマンズワーフ「海鮮館」の一角で、ねじり鉢巻姿でキトキトの魚介を販売する名物男。関西方面などへ20年以上にもわたり、氷見の寒ブリ、魚介を直送し、全国にブリのおいしさを広めた功労者の一人として知られる。今春に原案を完成させ、11月頃に氷見市内でロケが行われる予定となっている。



問い合わせ
<「氷見ロケ」について>
●氷見市産業部商工観光課
TEL.0766-74-8106
FAX.0766-74-8088
http://www.city.himi.toyama.jp/


<「九転十起の男−−第2部・激動編」について>
●(有)さざ波
TEL&FAX.044-542-3865
http://www.e-sazanami.net/

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