トピックス

アーカイブ

2007年 2月 7日 [ トピックス ]

No.286-2:高岡と東京を舞台にした映画「キトキト!」、3月公開


 日本三大仏のひとつ・高岡大仏、路面電車・万葉線の新型車両「アイトラム」−−。昨夏に高岡市内でロケーションが行われた映画「キトキト!」が3月から全国各地で公開される。「キトキト」とは、“生きがいい”といった意味をもつ富山弁。映画は、この富山弁にぴったりのパワフルで強烈な個性を放つ母、息子、娘の三人家族の愛情と絆を高岡と東京を舞台に描く。

▲写真提供:シネカノン

●デ〜ンと鎮座する高岡大仏が見もの

 日本三大仏のひとつ・高岡大仏、路面電車・万葉線の新型車両「アイトラム」、JR氷見線の雨晴駅−−。高岡市内でロケーションが行われた映画「キトキト!」が3月から全国各地で公開される。高岡フィルムコミッションが誘致した高岡ロケは昨年8月、高岡大仏をはじめ、市内20カ所以上で行われた。エキストラとして、子どもから高齢者まで市民約200人が出演している。

 「キトキト」とは、“生きがいい”、“新鮮”といった意味をもつ富山弁。映画は、この富山弁にぴったりのパワフルで強烈な個性を放つ母、息子、娘の三人家族の愛情と絆を高岡と東京を舞台に描く物語だ。監督・脚本は、映画「ゲロッパ!」、「パッチギ!」(井筒和幸監督作品)で助監督を務めてきた新鋭、吉田康弘さん。主人公となる息子・優介には、映画「蝉しぐれ」でスクリーンデビューした石田卓也さん、姉・美咲には映画「バックダンサーズ!」で主演を務めた平山あやさん、そして二人の母親・智子には2年ぶりの映画出演となる大竹しのぶさんが扮している。

 ストーリーを紹介しよう。母の智子は、早くに夫を亡くし、息子・優介と娘・美咲を女手ひとつで育ててきた肝っ玉母さん。子どものためならと、タクシー運転手、保険のセールス・スタッフなどとありとあらゆる仕事をこなし、近所でも“スーパー智ちゃん”と呼ばれている(結婚後も仕事をもって働く人が多い、富山の女性に通じるものがある)。ある日、智子と優介は、高校から呼び出される。優介が、高岡大仏の地上約15mの口元までよじ上り、スプレーでホクロを書き入れたことが大問題となったのだ。しかし、校長室で担任教師が優介をクズ呼ばわりしたことから、智子が逆ギレ。優介の制止も聞かず、消火器を手に大暴れ。カツラが吹っ飛び、全身真っ白になった校長から退学を告げられてしまう−−。

 高岡大仏のシーンは、クレーンを使って撮影が行われた。大仏の顔の真横に優介の顔が入るシーンなのだが、俳優、スタッフともにあまりの高さに膝をガクガクさせながらの命がけの撮影となったようで、そのかいあって迫力満点の大仏の顔のアップが撮影された。「こんな画、観たことない」と吉田監督も大満足だった。続いて、学校のシーンは高岡第一高校の実際の理事長室を使っての撮影。本物の額や優勝旗がずらりと飾られているなか、智子が消火器をぶちまけるハチャメチャなシーンのため、撮影に立ち会った先生は「室内は大丈夫か」と何度も心配そうにのぞいていたという。

●富山弁と高岡の街並を挿入しながら

 青空をバックにデ〜ンと鎮座する高岡大仏、特攻服姿でスクーターで走る優介と路面電車の赤い車体、まっすぐにのびるJR氷見線の線路、立山連峰など、随所に登場する高岡の景観も画面にしっくり溶け込んでいて、見ごたえがある。また、大竹しのぶさんの富山弁も聞いていて楽しい。

 こんなシーンがある。退学を機に東京に出ることを決めた優介。寂しげに「だらやなぁ、ほんま。そんな甘ないよ」と言う智子は旅立ちの朝に優介を見送りに駅へ。そして「人生ほんまに大事ながは、自分が生きた証を残すことやちゃ」と手提げを投げつけ、去っていく。中には「節約」と書かれた封筒に数万円。海の向こうにそびえる立山連峰の雄大な景観が優介を励ます−−。愛情のこもった富山弁や立山連峰の景観が効果的に使われており、母親の包み込むような深い愛が感じられる。

 富山を飛び出した優介の青春第二章は、東京・新宿が舞台。高給につられてホストの世界に入った優介は、3年前に駆け落ちしたまま音信不通だった姉の美咲と再会することに。そして上京してきた智子も加わり、物語はヒートアップしていく−−。

 そもそもこの映画の企画は、“女性の扱いが上手なホストたちが、自分の母親に対してどう接するのだろうか”と吉田監督が疑問を持ち、ホストの取材を始めたことがきっかけだった。そこで出会ったのが、なんと富山出身の暴走族上がりの青年。暴走族といっても5人くらいで田んぼの畦道をちんたら走っていただけというが、すっかりこの青年と打ち解けた吉田監督は、富山の若者が持つ都会との距離感に目をつける。「故郷を離れることに内心ビビっている連中は、身近な都市・金沢へ。ちょっと頑張って関西か名古屋、思い切った奴は東京へ」と感じた吉田監督。優介を介して富山の若者の心情がどのように描かれているか、考察するのも楽しみだ。 

 映画「キトキト!」はシネカノン(東京都渋谷区)の企画・制作・配給。3月上旬より、東京・シネカノン有楽町、渋谷アミューズCQN、高岡TOHOプレックス、ワーナー・マイカル・シネマズ高岡、ファボーレ東宝ほか、全国順次ロードショー。



問い合わせ
<「高岡ロケ」について>
●高岡フィルムコミッション(高岡市観光協会)
TEL.0766-20-1547
FAX.0766-20-1497
http://www.takaoka.or.jp/

<「配給・上映」について>
●シネカノン
TEL.03-5458-6571
FAX.03-5458-6572
http://www.kitokito-movie.com/

コメント

その他のトピックス

ページの先頭へもどる↑