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2007年 1月 4日 [ トピックス ]

No.281-2:夢のロボット開発に挑戦!


 電子工学や機械工学、情報技術、素材の開発など、高度な技術の集合体ともいえるロボット。日本海側屈指の工業集積を誇る富山県では、産業用ロボットやサービスロボットなどの研究開発、部品製造に取り組む企業が注目を集めている。ロボット開発への情熱あふれる現場を訪ねてみた。

▲ダンシングロボット

●介護用ロボットの実用化を目指す

 電子工学や機械工学、情報技術、素材の開発など、高度な技術の集合体ともいえるロボット。日本海側屈指の工業集積を誇る富山県では、産業用ロボットやサービスロボットなどの研究開発、部品製造に取り組む企業が注目を集めている。ロボット開発への情熱あふれる現場を訪ねてみた。

 2m以上の身長で、横長のユーモラスな顔に長い足、手袋をはめた手。アップテンポの曲に合わせて軽快に踊るロボット−−。ロボット機械製造、産業機械のレンタルなどを手掛ける(株)生産技術<富山市>では、このほど人間型ロボット「ダンシングロボット」を開発。一般にも公開しており、見学者の人気を集めている。

 ダンシングロボットは産業用ロボットなど5体を組み合わせたもので、人間の関節にあたる軸が合わせて20もある。ロボットの横に設けられたコントローラーに乗り、操縦者がパネルの指示通りに手でボタンを、足でステップを踏むとロボットも音楽に合わせて同じように踊り出す。ケーブルによる情報伝達と知能回路による情報処理を高速化させ、遠隔操作でも素早い動きを可能にしている点が大きな特長で、操縦者の指示に瞬時に反応し、その手足の動きはスムーズだ。また、ゲームソフト会社との共同研究により、ダンスゲーム感覚を取り入れ、遊び心にあふれたロボットに仕上がっている。なお、見学者も操縦体験を楽しむことができる。

 生産技術では、これまでに培ったロボット技術をベースに、人の音声や周囲の物を認識する技術、高速の制御技術などを組み合わせ、3年後をめどに食事や移動を手助けできる介護用ロボットなどの実用化を目指す。

●産業観光のスポットとしても人気

 ダンシングロボットが公開されているロボット展示場では、音声認識ロボット、戦うロボットなど、150台ほどのロボットがずらりと並ぶ。最新の技術を駆使したロボットから産業用ロボットをユニークに変身させたものまであり、見ごたえたっぷりだ。

 いくつかを紹介すると、音声認識ロボットは富山商船高専との共同研究中のロボットで、介護用ロボットとしての応用が期待されている。上下、左右、前後の指示を理解し、1mmから999mmまでの動作距離の制御を可能にする。たとえば、「前、500」と指示すれば、ロボットアームが前に動き、コップなどをつかむ。

 遠隔監視ロボットは、パソコン上で遠隔地のロボットが3D画面でリアルタイムに映し出されるシステム。ヘビロボットは7つの軸(関節)を持ち、くねくねとヘビのような動きをするユニークなもの。光る剣を持った2台の戦うロボットは、素早い動きが印象的で、SF映画に登場しそうな雰囲気だ。

 数台のロボットを同時に制御する技術も見ごたえがある。ロボット4兄弟は1つの制御装置で4台のロボットが寸分の狂いもなく揃って踊るというもの。シンクロナイズドスイミングのようなスムーズな動きは圧巻だ。3台協調溶接ロボットシステムは1つのワークを3台のロボットで溶接する。

 見学者が体験できるロボットも楽しい。ジョイスティックを握り、ロボットの手を操ることができるのがUFOキャッチャーロボット。ボールをつかんで、狙った穴に落とすと成功だが、これがなかなか難しい。記念写真をプレゼントしてくれるのが、プリクラロボット。ポーズが決まったらボタンをプッシュ。ロボットが写真にスタンプを押してくれる。

 生産技術では、「産業界はもちろん、子どもから大人まで、楽しみながらロボット技術に触れられるよう、ロボットの展示方法を工夫している。ここで興味を持ち、将来理工系に進む子どもたちが増えてくれれば。」と期待する。


▲戦うロボット


問い合わせ
●(株)生産技術
TEL.076-465-1000
FAX.076-465-1515
http://www.seisan.co.jp/

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