トピックス

アーカイブ

1997年 5月 29日 [ トピックス ]

No.003-2:日本海の海洋環境保全を目指して「環日本海環境協力センター」が誕生


 ロシア・タンカーの重油流出事故以来、日本海の環境保全への関心が高まっている。そのような中で富山県では、日本海側の各道府県や中国、韓国、ロシアなど対岸諸国と連携をとりながら海洋環境保全を推進していく「環日本海環境協力センター」(理事長は中沖豊富山県知事)をこのほど設立した。
 同センターでは、次の4つのテーマを骨子として事業展開していくことにしている。

1. 情報収集・提供 環日本海環境情報システムを整備し、インターネットなどで情報を発信。また、対岸諸国の現状及びニーズを踏まえ、工場や事業所の環境保全対策などの事例集を作製、提供していく。
2. 調査研究 日本海沿岸の漂着・埋没ゴミを調査し、海辺の汚染状況のほか、農薬や化学薬品の安全性や、生態系への影響を評価する方法についても調査・研究する。また、環境庁とロシア科学アカデミーが行う「日本海の海洋環境調査」へも参加する。
3. 人材育成 対岸諸国での環境保全技術の向上を図るため、環境保全技術者の受け入れ、派遣を行う際の問題点などを検討する。
4. 国際環境協力事業の推進 今年7月には、北西太平洋の環境保全のために2つの国際会議を富山市で開催する。1つは沿岸の自治体首長が話し合う「環日本海環境自治体サミット」。もう1つは「北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)第1回フォーラム会議(仮称)」で沿岸各国や国連環境計画(UNEP)、国際海事機関が参加して油汚染事故における連携協力などを議論する予定である。
 同センターの津田伸也主幹は、「環境保全は1つの地域がどれだけ一生懸命やっても効果をあげることはできません。立場の異なる人々や自治体が協力しながら取り組んでいくことが急務になっています。その意味で環境問題は、互いに“競争”するのではなく、“協力”することが必要です。私たちは、環境保全を進める機関や人々の裏方に徹して頑張っていきたい。」と並々ならぬ意気込みを見せている。
 今後は環境協力事業の実績を積み重ね、早期に環境庁の認可を得た全国法人にしていきたいと考えている。

問い合わせ
●環日本海環境協力センター
〒930 富山市安住町7-18
TEL 0764-45-1571

コメント

その他のトピックス

ページの先頭へもどる↑