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2001年 2月 21日 [ トピックス ]
No.073-1:六条大麦のビール製造法誕生!県産大麦の用途が広がる
富山県内では、近年、米の生産調整に伴って大麦の生産が増えてきている。しかし、その大半は六条大麦と呼ばれるもので、用途は麦茶などに限られているのが現状だ。大麦は穂の外見から、六条大麦と二条大麦に大別される。穂に麦粒が6列並んでいる品種が六条大麦、4列が退化して大きな粒が2列だけついている品種が二条大麦と呼ばれている。国内のビール製造には、すべてビール麦といわれる二条大麦が使用されているが、栽培条件が富山の気候に合わないため、県内ではあまりつくられていない。
「六条大麦でビールを作れないだろうか?」そう考えたのがきっかけだった。県食品研究所は、六条大麦を使ったビール製造工程で生じる“目詰まり”“にごり”などの問題点を調べ、各工程での条件や使用する酵母菌を検討した結果、二条大麦を原料にして造ったビールと味のほぼ変わらないビールを造ることに成功した。六条大麦ビールの味はやや渋みがあるものの良好で、その成分も二条大麦を使用したものに比べ遜色ない。また、ポリフェノールが1.5倍、繊維質が2.6倍含まれており、消費者の健康嗜好にあっていると考えられる。
このビール製造技術が広まれば、地ビール造りにも新しい風を吹き込むことになる。県産の地ビールは独特の風味を持ち味とするが、「六条大麦の製造法が開発されたことで、大手メーカーのビールに対抗できる美味しい地ビールが期待できるようになる」と県食品研究所の菅野さん。新世紀、富山県でこの新たなビール製造技術が生まれたことは、県内のビール製造業者や消費者にとってもビッグなプレゼントとなりそうだ。
問い合わせ
●富山県食品研究所 企画情報課・食品化学課
TEL 076-429-5400