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2017年 7月 12日 [ イベント ]
No.814:白衣の女人衆、参加者募集! 現代の癒しの行事「布橋灌頂会」
●荘厳、華麗な橋渡り儀式
声明と雅楽の荘厳な調べが響くなか、3本の白布が敷かれた朱色の橋を、白装束に身を包み、目隠しをした女人衆が手を合わせてゆっくりと進む。その向こうには神々しくそびえる立山連峰…。布橋灌頂会は、立山信仰において、江戸時代後期(1840年代)に立山山麓の芦峅寺で確立した儀式。明治初期の廃仏毀釈によって儀式は廃れたが、平成8年の国民文化祭とやまで復活し、17年、18年、21年、23年、26年に“心の癒しの儀式”として行われてきた。平成24年には日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」に登録され、26年にサントリー「地域文化賞」を受賞している。
布橋灌頂会では、芦峅寺のうば堂と閻魔堂の間を流れるうば堂川に架かる「天の浮橋」と呼ばれる朱塗りの布橋に、三筋の白布が敷かれる。うば堂川を三途の川に見立て、布橋はこの世(此岸)とあの世(彼岸)の境界と考えられ、無事に渡り切ると、死後に極楽浄土に至ることができると信じられていた。悪人は目がくらみ、墜落するとされるように、ここを渡る人を聖化する神聖な橋。布橋灌頂会は、橋を渡ることで来世の浄土が約束されるという「擬死再生」の儀式なのだ。
自然地形を巧みに生かした布橋は、長さが25間(二十五菩薩)、高さが13間(十三仏)、桁の数48本(阿弥陀如来の四十八願)、敷き板の数108枚(人間の煩悩の数)、擬宝珠の数6個(六地蔵)など、仏教的な吉数を随所に織り込んでいる。
復活した布橋灌頂会では、白装束姿の女人衆が閻魔堂での儀式後、雅楽が流れるなか、目隠しをした姿で僧侶に導かれ、布橋を渡り、うば堂にあたる遙望館に入る。女人衆が暗闇で目隠しを解くと、室内の覆いが上がり、立山につながる別世界を目前に実感する。
●心の安らぎを求める全国の女性たちへ
募集人数は110名(女性のみ)。日本の伝統文化に関心を持ち、健康で一人で橋渡りができる人。費用は20,000円(税込)。申し込み期限は8月3日(木)消印有効。申し込みは往復はがきかFAXで、1.郵便番号 2.住所 3.氏名 4.電話番号 5.身長を記入し、北日本新聞社営業局 布橋灌頂会係へ<〒930-0094 富山市安住町2-14 TEL.076-445-3320 FAX.076-445-3338>。はがきかFAX 1通につき1名の受付。申し込み多数の場合は抽選とし、抽選結果を返信はがきか電話にて通知する。ウェブサイト「北日本新聞イベント&キャンペーン」の布橋灌頂会の申込みフォームからも応募できる。
なお、募集人数110名のうち、50名はJR東日本「大人の休日倶楽部」<JR東日本グループ(株)びゅうトラベルサービス>と、ANAセールス(株)「ANA立山信仰ツアー」にて募集。コースや旅行代金、宿泊ホテルなど詳細は「大人の休日倶楽部」、「ANA立山信仰ツアー」へアクセスを。
●「芦峅ごっつぉ祭り」で芦峅名物を味わう
遙望館横の多目的広場では、山の幸などを集めた「芦峅ごっつぉ祭り」が行われる。江戸時代に芦峅寺の宿坊で立山登拝する人に出された精進料理「芦峅御膳」などが提供される。こごみ、人参、里芋、厚揚げを煮込んだ芦峅名物「つぼ煮」、よもぎと餅粉に味噌で味付けして焼いた「やきつけ」、じゃがいもの甘辛煮「かっつる」などに舌鼓を打ちたい。
なお、立山の歴史や文化、自然を紹介する富山県[立山博物館]では、9月5日(火)~10月9日(月・祝)、布橋灌頂会開催記念展「布橋灌頂会がわかる!!」を開催。女人救済の儀式として発達した布橋灌頂会の歴史と文化をわかりやすく紹介する(会場:展示館1階 企画展示室)。
布橋灌頂会実行委員会事務局では、「布橋灌頂会は心の安らぎや支えを求める精神文化として、全国から注目されています。昨年12月には布橋を一望できる観覧席が完成しました。橋渡り儀式のあとは一般の方も布橋を渡ることができます。芦峅寺の歴史や文化をぜひ体感ください」と話している。
- 問合せ
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●布橋灌頂会実行委員会事務局(立山町観光協会内)
TEL.076-462-1001
FAX.076-463-6611
http://kanko.town.tateyama.toyama.jp/