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2017年 4月 5日 [ トピックス ]

No.801:富山づくしのお米-新品種の名称、「富富富(ふふふ)」に決定!

 高温や病気に強く、倒れにくいうえ、食味もコシヒカリを上回る「富山米」を目指して開発された新品種。その名称が「富富富(ふふふ)」に決まった。富山の豊かで清らかな水や、富山の肥沃な大地、そして、富山の熱心な生産者により育まれた、富山づくしのお米を表している。今後、平成30年産からの本格販売に向けて、具体的な生産・販売戦略を検討していく。

●平成30年秋に本格デビュー


▲3月26日に開催された
「富山米新品種名称発表会」
=新品種の名称を発表する石井知事(中央)。
同席者は右から
レスリングの登坂選手、
女優の室井滋さん、
書道家の森大衛氏、
県農業協同組合中央会の伊藤孝邦会長、
料理人の中村孝明氏、
コピーライターの岡本欣也氏

 米の消費量が年々、全国で年間8万t程度減少しているなか、全国の米産地で競争が激化。新たなブランド米の確立に向け、米づくりは戦国時代を迎えている。米の品質に影響を及ぼす温暖化傾向が今後も続くことが見込まれるなか、富山県では、美味しさで高い評価を得てきた「コシヒカリ」の課題を克服し、その美味しさを最大限に発揮する品種の育成を10年前から進めてきた。

 立山連峰からの清らかな雪解け水と肥沃な大地、そして生産者の高い栽培技術から生まれる美味しい富山米。水田率96%、県内農業産出額に占める米の割合65%、一等米比率が27年産に引き続き目標とする90%を超えており、富山県が豊富な水と整備された水田を持つ良質米生産県であることがわかる。

 富山米新品種「富富富(ふふふ)」は、富山が誇る水、大地、人に育まれた「富山づくしの米」という意味を込め、食べた後の幸せな気持ちを「ふふふ」という読み方で表現した。食べたら美味しくて、ついほほ笑んでしまいそう。「富」は豊かさや、めでたさにつながり、食べてうれしい、もらってうれしいと感じられるネーミングだ。

 名称は、昨年10月末から約1カ月間の公募で集まった9,411点(県内7,468点、県外1,938点、不明5点)のネーミング案から選考。有識者でつくる「富山米新品種戦略推進会議」及びその部会である「名称検討部会」で意見を踏まえ検討を進め決定した。

 先月、県は東京都内のホテルで名称発表会を開いた。石井知事は「富山の豊かさと、小さな子どもがご飯を頬張ってにっこりするイメージが伝わってくる。コシヒカリを超える品種として人気が出ることを確信している」と胸を張った。富山米の応援団として駆け付けた県出身の女優、室井滋さんは「『ふふふ』という読み方がかわいい。すっきりとした味で食べ飽きない」と話した。リオデジャネイロ五輪女子レスリング48キロ級の金メダリスト、登坂絵莉選手は「金メダル級のおいしさ。食べたらとまらない」と絶賛した。

●旨み、粘りがあり、香りも良い米


▲富富富(左)
▲コシヒカリ(高温下)(右)
※「富富富」は高温でも米が白く濁りにくい

 新品種は、「コシヒカリ」よりも高温に強く、猛暑でも白未熟粒が少なく、高品質。炊き上がりがきれいで、しっかりとしたうま味と粘りがある。また、草丈が短く、倒伏しにくいといった特徴や、いもち病に強いため、農薬を減らした栽培が可能で、安全・安心を届けられる品種だ。

 県では平成19年から高温でも高品質な特性を持つ遺伝子の検索・特定に着手。「コシヒカリ」の特性をもったイネと、「コシヒカリ」の課題を克服する特性をもったイネを交配してできた約3,000個体から、26年に、①高温に強い、②草丈が短い(倒れにくい)、③いもち病に強いという3つの特性をもった16個体を選抜。27年度にはその16系統から食味などが優れる3系統を選抜し、28年度には、現地実証や食味評価を踏まえて、3系統の中から、食味、品質などが最も優れた1系統を選抜した。

 平成29年度は、平成30年の一般栽培に向けた種子を生産するとともに、新品種の特性を活かした栽培技術の確立に向けた実証栽培を実施する。実証栽培は、県内23カ所(約7ha)で行い、秋には先行販売する。30年度には一般栽培を開始し、本格販売を始める。

 富山県では、「新品種“富富富”は極上の旨みと粘りが特徴です。いもち病に強く、農薬や肥料の節減で安全・安心な米としてPRしていきたい。来年秋に本格デビュー。ぜひご賞味ください」と話している。

問合せ
●富山県農林水産部農林水産企画課
TEL.076-444-3227
FAX.076-444-4407
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1600/

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