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2013年 5月 1日 [ トピックス ]
No.604-1: 黒部峡谷に春到来!トロッコ電車から原生林の若葉や残雪の景観を楽しもう
●日本のトロッコ観光のパイオニア「黒部峡谷鉄道」、5月17日全線開通
黒部峡谷は立山連峰と後立山連峰との間に刻まれた、日本一深く険しいV字状の谷。この秘境に誘ってくれるのが、“トロッコ電車”の愛称で親しまれている黒部峡谷鉄道だ。宇奈月から終点・欅平までの20.1kmを約1時間20分で結ぶ。断崖絶壁を縫うように走る爽快感、岩盤剥き出しの薄暗いトンネルの中を走り抜けるアドベンチャー、春風を浴びながらの露天風呂での湯浴み。大自然の息吹を感じながらの峡谷探勝は、かけがえのない思い出になるだろう。今年は例年以上に積雪が多く、全線開通が今月17日(金)に。谷間の残雪と目に鮮やかな新緑の景観が待ち遠しい。
エメラルドグリーンの黒部川、原生林の山々と、車窓からの眺めはダイナミックで一時も目が離せない。沿線すべてが見どころだが、特に感動的といえば、黒薙川に架かる「後曳橋」。橋から谷底までの高さは60mほどもあり、沿線中最も高いところを渡る。昭和28年以前には、「生命の保証はしません」と切符の裏に書かれていたことも納得できるほどのスリリングな景観だ。そして、美しいダム湖に垂直に落ち込む「出六峰」。静かな湖面と険しい峰々が織り成す景観が美しい。
猫又の手前、高さ200mに渡って垂直に切り立った「ねずみ返しの岩壁」も圧巻。黒部川の激流が刻んだ光景に目を奪われる。すぐ上流には、黒部川第二発電所(富山の建築百選)。近代建築運動を提唱した山口文象設計による直線的な外観が自然景観とマッチしている。猫又を過ぎると、前方に釣鐘を伏せたような形で、晶質石灰岩でできた東鐘釣山、さらにはサンナビキ山の雄大な景観が楽しめる。
トロッコ電車の車内アナウンスは富山県出身の女優・室井滋さんが担当。沿線の見どころを紹介してくれるので、お聞き逃しなく。また、今の時期には宇奈月駅と山彦橋でこいのぼりが泳いでいるのでカメラのシャッターを切ってほしい。宇奈月駅コンコース2階には、黒部峡谷ギャラリーが開設されており、電源開発やトロッコ電車の歴史を紹介する写真などが展示されている。峡谷探勝の旅の前後に見ておきたい。
●阿里山森林鉄路と姉妹鉄道提携
4月、黒部峡谷鉄道が台湾の「阿里山(ありさん)森林鉄路」と姉妹鉄道提携を結んだことも話題だ。阿里山森林鉄路は2,421mの標高差をスイッチバックやループ線を用いて走る観光鉄道で、世界で名だたる登山鉄道の1つ。営業距離(本線)は71.4kmで、険しい山岳地のなか、熱帯や暖帯、温帯と変化に富んだ景観を楽しめる。阿里山森林鉄路の創業は1912年。黒部峡谷鉄道は1926年と、いずれも約100年の歴史があり、資材の運搬のみならず観光鉄道であること、軌道幅(762mm)が同じで技術的な共通点も多いことなどから、姉妹提携となった。今後、情報交換や観光プロモーションのほか、登山鉄道の保全管理に関する技術協力や景観保全面での知識共有などを進めていく。記念乗車券の発売なども予定されているというから、楽しみだ。
黒部峡谷鉄道では、「峡谷を抜ける爽やかな風を感じながら、トロッコ電車の旅を。手つかずの大自然が眼前に広がります。6月には、欅平ビジターセンターがリニューアルオープンし、魅力がアップします。黒部峡谷トレッキング(欅平散策)などのイベントも開催します。ぜひご参加ください」と話している。
●エコな乗り物で温泉街をめぐる
トロッコ電車の旅も魅力的だが、宇奈月温泉街を低速で走る電気乗合自動車「EMU(エミュー)」(乗車無料)にもぜひ乗ってほしい。「でんき宇奈月プロジェクト実行委員会」が導入したもので、コンパクトなイエローの車体に10人が乗れる。運行は11月24日までの土・日曜と祝日で、宇奈月国際会館セレネを起点に30分間隔で温泉街を周回する。ルート内は乗り降りが自由。乗車する際は運転手に手を挙げて合図する。ただし、GWとお盆期間には、宇奈月温泉旅館組合前とうなづき湖畔の尾の沼体験交流施設「とちの湯」の往復運行となる。足湯や無料休憩所のある「いっぷく処観光案内所」では、一人乗りオープンカータイプの電気自動車(要運転免許証)、電動アシスト自転車をレンタルしているので、温泉街や黒部川沿いをのんびりエコドライブしてほしい。
でんき宇奈月プロジェクトは、小水力発電をはじめとした再生可能エネルギーとEVバスによる公共交通システムを導入し、宇奈月温泉への誘客促進、低炭素型のまちづくりを推進するプロジェクト。電気自動車100%の街として世界的に有名なスイス・ツェルマットをモデルに、宇奈月温泉を世界有数の山岳・温泉エコリゾートにする目標を掲げている。
でんき宇奈月プロジェクト実行委員会事務局では、「エコなバスに乗って温泉街を巡ったり、オープンカー、電動アシスト自転車を利用して、うなづき湖畔まで行ったりと、宇奈月温泉を満喫ください」と話している。
- 問い合わせ
- 「黒部峡谷」について
●黒部峡谷鉄道・営業センター
TEL.0765-62-1011
FAX.0765-62-1724
http://www.kurotetu.co.jp
「EMU」について
●でんき宇奈月プロジェクト実行委員会<大高建設(株)内>
TEL.0765-62-1106
FAX.0765-62-1631
http://denki-unazuki.net/