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2013年 3月 27日 [ トピックス ]

No.599-1:現存する国内最古の魚津水族館 リニューアルオープン!

創立100周年を記念し、魚津水族館がリニューアルオープンした。富山の豊かな田園環境にこだわった「田んぼの生物多様性コーナー」、上部の桟橋通路から「富山湾大水槽」で泳ぎ回る魚をのぞき込める「バックヤードコーナー」の新設など、魅力もグッとアップした。スマホアプリ「魚津水族館ARおさかな図鑑」を使って、ゲーム感覚で魚について学べるのも話題。北アルプスの渓流から日本海の深海まで、水中散歩へ出かけよう。

▲富山湾大水槽

●「昔ながらの富山の田んぼ」を再現
 大正2年(1913)に開館した魚津水族館は、国内に現存する中で最も歴史のある水族博物館。100周年のリニューアルでは、「もっと富山にこだわりたい!」、「世界の環境を伝えたい!」、「水族館の裏側を見てほしい!」に主眼を置き、展示内容を充実させた。

 入場ゲートを抜けて、最初に見られる「富山の河川コーナー」では、渓流にすむ大きなイワナやヤマメなどが出迎えてくれる。「田んぼの生物多様性コーナー」は、たくさんの生き物が棲息する昔ながらの富山の田んぼを再現。用水路、田んぼ、ため池をイメージした3つの水槽で、生態や自然とのつながりについて紹介している。ギンブナやキタノメダカ、ヤリタナゴなどの小さな魚だけではなく、田んぼの周辺に生息するカメやヘビ、カエル、ニホンイモリの展示もしており、まさに小宇宙といった雰囲気で、時間の経つのも忘れて見入ってしまうだろう。また、魚津市山間部の田んぼ周辺の植物なども植えられており、これからイネの栽培にも挑戦する予定だ。

 「海岸の生物コーナー」には、小さな水槽が並んだ“マンション水槽”がある。ヤドカリの愛らしい仕草や、イソギンチャクが観賞できる。砂と一緒に有機物を食べ、ウンチと一緒に砂を出すマナマコにも注目したい。

 深海の世界をイメージした「深海生物コーナー」は、長い脚を伸ばすベニズワイガニや、ノロゲンゲ、ザラビクニンなど、富山湾の深海にすむ生き物が薄暗い水槽の中で身をひそめており、神秘的な雰囲気。リニューアルによって、水槽の前に人が立ったときだけ水槽内が点灯する照明に替わったため、より自然に近い深海生物の生態を観察できる。

 長さ11m、幅6m、水深4m、水量240tと、館内で一番大きな水槽「富山湾大水槽」。リニューアルを機にこれまでの「海洋水槽」から名称が変更になった。体長70cmほどのブリ、コブダイ、ホシエイ、キジハタなど20種類、約200匹が悠然と泳ぐ――。日本で初めて作られたアクリル製の海中トンネルがあり、竜宮城にいるような気分になれる。大水槽の上部に桟橋型の通路を設けた「バックヤードコーナー」が新設されたことも大きな話題だ。水槽内で泳ぐ魚や餌を与えるダイバーの様子を俯瞰したり、予備水槽の手入れをする職員の仕事ぶりを間近で見学したりと、普段立ち入ることができない水族館の裏側に“潜入”できる。

●ホットスポットの生き物たちを観賞

 「世界の環境を伝えたい!」と、“水辺から樹上まで”をテーマに、カエルやヘビといったジャングルにすむ生き物を紹介する「ジャングルコーナー」も新設された。木の上で大きな目を輝かせるエボシカメレオン、とぐろを巻くミドリニシキヘビ、水棲ガメのマタマタ、葉っぱのように見えるミツヅノコノハガエル……気候変動や生物多様性といった観点から注目されているホットスポットの生き物たちが間近で観賞できる。生き物たちが食物連鎖を通じてつながっていることに思いを馳せたい。色鮮やかなサンゴを展示する「サンゴ礁コーナー」には、夜のサンゴの生態を紹介した水槽があり、触手を伸ばしてプランクトンなどを捕る様子も見られる。

 この季節ならではのホタルイカの特別展が5月末まで開催されており、“富山湾の神秘”との出会いも楽しみ。コーナーの入り口には、北陸職業能力開発大学校と共同で製作した「ホタルイカ生態解説システム」を展示。ホタルイカの模型に小型青色チップLEDを組み込み、天敵のタラが現われると光らせて逃げる様子などを再現している。

 展示されている生物の情報をスマートフォンに登録できるアプリ「魚津水族館ARおさかな図鑑」が登場したことも話題。館内でアプリをダウンロードした後、スマホのカメラを水槽に掲げられたマーク(7カ所)にかざすと、画面上に魚のシルエットが次々に現れる。制限時間内にタッチして捕まえると、スマホ内に取り込め、登録された魚についての解説や写真を見ることができる。ゲーム感覚で図鑑を完成させていく仕組みで、魚について楽しく学べる。今後、季節ごとに見られる魚などが追加されていくので、再訪の楽しみもある。

 魚津水族館では、「富山の田んぼや渓流にすむ淡水魚から深海にすむ生き物まで、約300種、約10,000点の生き物に出会えます。魚の隠れ家や産卵場所となり、“海のゆりかご”と呼ばれるアマモ場を再現した水槽やクラゲ水槽、ジャングルコーナー……身近な生態系や、世界の環境に触れてみてください」と話している。


▲富山の河川コーナー(上段左)▲田んぼの生物多様性コーナー(上段右)▲深海生物コーナー(下段左)▲クラゲ水槽(下段中央)▲バックヤードコーナー(下段右)
問い合わせ
●魚津水族館
TEL.0765-24-4100
FAX.0765-24-4128
http://www.city.uozu.toyama.jp/suizoku/

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