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2012年 5月 30日 [ トピックス ]
No.558-1:立山弥陀ヶ原・大日平、ラムサール条約湿地 登録へ
「立山弥陀ヶ原・大日平」(立山町)が、国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約の登録候補地となった。7月、ルーマニアで開催が予定されているラムサール条約第11回締約国会議に合わせて正式に登録される。立山の魅力を伝えようと、立山黒部アルペンルートの室堂ターミナルに“山ガールガイド”による富山観光案内所「とやま旅ナビ」が開設された話題もお届け!
●雪田草原として国内で初めて
「立山弥陀ヶ原・大日平」(立山町)が、国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約の登録候補地となった。7月6日(金)~13日(金)、ルーマニア・ブカレストで開催が予定されているラムサール条約第11回締約国会議に合わせて正式に登録される。
ラムサール条約の正式名称は、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」。湿原や干潟、湖などの湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を目的とする。1971年にイラン・ラムサールで採択され、75年に発効。2012年5月現在、締約国160カ国、登録湿地数2,006カ所。合計面積は約193百万haに及ぶ。日本は1980年に締約国となり、国内の湿地登録数は2012年5月現在、釧路湿原や琵琶湖、尾瀬など37カ所、131,027ha。新たに9カ所が登録されることにより、国内の湿地登録数は合わせて46カ所、137,968haとなる。
環境省では、2010年9月にラムサール条約湿地の登録を推進するため、条約湿地としての国際基準を満たすと認められる湿地を全国から172カ所選定。その中から立山弥陀ヶ原と大日平、大沼(北海道)、渡良瀬遊水地(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県)など9カ所を登録候補地として指定した。
立山弥陀ヶ原と大日平は、「雪田草原」の弥陀ヶ原と大日平、豊富な水量を誇る称名渓谷と称名滝からなり、面積は574ha。寒冷な気候と豪雪、豊富な雪解け水、強風などによってできた雪田草原が、過去の火山活動によってできたなだらかな溶岩台地の上に広がっている。泥炭層のくぼ地に水がたまってできた池塘(ちとう:湿原にある池)が点在し、多年草のミヤマホタルイ、エゾホソイ、ダケスゲなど貴重な高山植物が生育している。鮮黄色の羽が特徴のミヤマモンキチョウやヒョウのような紋があるコヒョウモンなどの高山蝶も見られる。池塘は、「餓鬼の田」と呼ばれ、立山信仰との関わりも深い。登録されれば、雪田草原が広がる湿地としては、国内で初めて。また、標高2,000mと、国内では最も標高の高いところに位置する登録地となる。
立山弥陀ヶ原と大日平は中部山岳国立公園の特別保護地区にある。木道が整備されており、湿原の素晴らしさに触れることができる。今夏、可憐な花を咲かせる高山植物や池塘を間近で観察してみては―。
●“山ガールガイド”による富山観光案内所「とやま旅ナビ」の話題も
昨年好評だった、山ガールガイドによる富山観光案内所「とやま旅ナビ」が今年も室堂ターミナル1Fに開設され、お洒落な登山スタイルの4人の“山ガールガイド”が、登山客や観光客にトレッキング情報のほか、県内の観光地や宿泊、グルメ、お土産など富山全体の楽しみ方を提案している。7~9月には、山ガールガイドと雲上のアルペンルートを歩くトレッキングツアーも計画中。室堂や弥陀ヶ原周辺を気軽に歩く半日ツアーになる予定。ぜひ参加してみよう!
“山ガールガイド”の事業は、山ガールと呼ばれるお洒落なアウトドアファッションに身を包みトレッキングを楽しむ女性や観光客に、立山や富山をPRするために富山県が昨年から始めたもの。立山黒部アルペンルートを運営する立山黒部貫光(株)に業務委託している。
県の観光ポスター「富山で休もう。」が掲示された「とやま旅ナビ」のブースには、立山黒部アルペンルートをはじめとした県内観光地のパンフレットがずらり。“山ガールガイド”の目線で立山や県内周遊の旅をアドバイスしてくれる。この時期のおすすめは、6月10日(日)まで実施される、そそり立つ雪の壁の間を歩くことができる「立山・雪の大谷ウォーク」。下界は初夏間近といった季節だが、室堂の雪の大谷では、高さ14mほど(最高地点)の雪の壁が残り、3,000m級の峰々との大パノラマを楽しめる。積雪の層を解説した雪のカレンダーや雪の壁にメッセージを刻めるコーナーが設けられており、観光客に大好評という。
室堂・みくりが池周辺もまだまだ雪景色だが、ハイマツが徐々に顔を出し、白の雪原に彩りを添えている。ライチョウは白から茶褐色へと羽の色を換え、恋の季節を迎えている。縄張りを見張るオスの姿も時折見られるというから、みくりが池一周のトレッキングへ出かけてみたい。散策後は、室堂ターミナル内のホテル立山の喫茶店「ティーラウンジりんどう」へ。クラシックな雰囲気のなかで、名物の水出しコーヒーを味わってみてはいかがだろう。名水百選の立山玉殿の湧水を使って、約8時間かけて抽出したコーヒーは雑味がなく、おいしい。立山を眺望しながら至福のひとときを。
山ガールガイドによるツアー以外にも、アルペンルート内では多くのツアーが実施されるが、弥陀ヶ原ホテルでは、「立山弥陀ヶ原・大日平」のラムサール条約登録(予定)を記念し、ネイチャーガイドと歩くエコツアーを企画している。6月2日(土)に「湿原を歩く」(弥陀ヶ原)、3日(日)に「新緑のブナの森の野鳥と野草」(美女平)、7月21日(土)に「歴史歩き」(弥陀ヶ原)、22日(日)に「歴史と伝承を訪ねて」(美女平)が実施される。この機会に弥陀ヶ原、美女平の自然や歴史、文化に親しんでみよう。
問い合わせ
「立山弥陀ヶ原・大日平 ラムサール条約の登録候補地」について
●富山県生活環境文化部自然保護課
TEL.076-444-3398
FAX.076-444-4430
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1709/
「富山観光案内所『とやま旅ナビ』」について
●富山県観光・地域振興局観光課
TEL.076-444-4498
FAX.076-444-4404
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1401/
http://www.info-toyama.com/
●立山黒部貫光(株)営業推進部
TEL.076-432-2819
FAX.076-442-3431
http://www.alpen-route.com/