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2012年 5月 23日 [ トピックス ]

No.557-2:世界一のタワー、東京スカイツリーに富山の技術

自立式電波塔としては世界一の高さ(634m)を誇る東京スカイツリー(東京都墨田区)が、5月22日に開業した。東京スカイツリーの最大の見どころといえる「天望回廊」には、富山県滑川市にあるYKK AP(株)滑川事業所が製造した外装カーテンウォールが採用されている。“東京スカイツリー効果”などにより、全国のタワーへの関心もアップ。小矢部市のランドマーク「クロスランドタワー」の魅力も紹介しよう。

▲(左)東京スカイツリー天望回廊(上部)と天望デッキ(下部) ▲(右)天望回廊のカーテンウォール施工風景

●滑川で製造された外装カーテンウォール、「天望回廊」に

 自立式電波塔としては世界一の高さ(634m)を誇る東京スカイツリー(東京都墨田区)が、5月22日に開業した。高さ350mにある「東京スカイツリー天望デッキ」(第1展望台)から、天望シャトル(エレベーター)で高さ445mの「天望回廊」の入り口へ。開放感溢れるガラス張りの回廊からは視界360度、関東平野一円の大パノラマが広がり、空を歩くかのような浮遊感が楽しめる。東京スカイツリーの最大の見どころといえる「天望回廊」は、富山県滑川市にあるYKK AP(株)滑川事業所が製造した外装カーテンウォールによって実現した。

 カーテンウォールとは、建物を支える構造体にカーテンのように包み込むように取り付けた外装のこと。建物の荷重は柱と梁が支えるため、全面ガラスの採用などによってデザインや採光を追求することができる。「天望回廊」は半チューブ状のカーテンウォールで、「東京スカイツリー天望回廊」(第2展望台)のすり鉢状の外壁に沿って、緩やかな勾配をつけて巻き付ける形で配置されている。外に大きく張り出した、複雑な形が印象的だ。ガラスとアルミ枠のユニット288枚で構成されており、強風や強雨にさらされる高所だけに、高い風圧力に耐えられる強度(風圧6400パスカルに耐えられるように設計)と水密性を保つ高度な技術が要求された。ユニットは1枚ずつ形とサイズが異なり、勾配に合わせて取り付けるため、高度な施工技術も必要となる。超高層での安全でスピーディーかつ正確さが強く求められたことはいうまでもない。

 完成した「天望回廊」は、長さ約110m、通路幅約2.4m。緩やかなスロープで、来場者は外の景色を楽しみながら最高到達地点「ソラカラポイント」(高さ451.2m)へ。“自力で歩いて登る”という演出によって、頂上を極める感動を味わうことができる。

 YKK AP(株)は、「天望回廊」を構成する外装カーテンウォールのほか、「東京スカイツリー天望デッキ」(第1展望台)、「東京スカイツリー天望回廊」(第2展望台)の各外装カーテンウォール、地上と展望台を結ぶエレベーターシャフトの外装ガラスカーテンウォールも施工。東京スカイツリーの随所に先端技術が生かされている。

 YKK AP(株)では、「先端技術を駆使し、強風、強雨に耐えられる外装カーテンウォールを滑川事業所で製造しました。地上450mの現場での施工はまさに初めての経験。世界一のタワー、東京の新しいランドマーク建設に関わることができて光栄に思っています」と話している。

●富山県小矢部市のクロスランドタワーも人気アップ

 “東京スカイツリー効果”により、全国のタワーへの関心も高まっている。富山県小矢部市にある複合施設・クロスランドおやべのシンボル「クロスランドタワー」の来場者は、平成23年度が28,014人と、前年度に比べて約1割増加した。平成6年5月に開業したクロスランドタワーは、最高部の高さが118m。三角形チューブ構造で、超極厚H鋼を鉄骨柱に使用している。1辺12mの正三角形の塔体の上に円形の展望室を乗せているため、見る位置によってははみ出したようにみえる“トリックタワー”として知られる。

 高さ100mの展望フロアからは砺波平野の散居村や小矢部市内のメルヘン建築、北アルプス・立山連峰が一望できる。眼下には、クロスランドおやべ・オアシスの海に浮かぶハート型の小島「ハートアイランド」も見える。このハートアイランドと展望フロアは平成19年にNPO法人地域活性化支援センターと全日本ブライダル協会から県内初の“恋人の聖地”に指定。昨年9月には、ハートアイランドにハート型モニュメントと鐘「恋かね」、展望フロアにはメッセージを付けた錠前を掛けられる「恋かぎ」が設置され、大勢のカップルが訪れている。

 クロスランドタワーは、名古屋テレビ塔や東京タワー、横浜マリンタワー、通天閣など、全国20のタワーで組織する「全日本タワー協議会」に加盟。同協議会では「All-Japan 20タワーズスタンプラリー」を実施中で、全国20タワーをめぐった人には“完全制覇認定証”のほか、特別記念品を抽選でプレゼントしている。クロスランドタワーを訪れ、ぜひスタンプを!!

 クロスランドタワーを運営する(財)クロスランドおやべでは、「小矢部市は、北陸自動車道、東海北陸自動車道、能越自動車道が十字交差する交通の要所。東京スカイツリーの開業に合わせて出版されたタワーの書籍でクロスランドタワーも紹介され、県外からの来場者も増えています。夏には、展望フロアでスイーツを味わう空中カフェをはじめ、花火大会、ヘリコプター展示などのイベントを開催します。タワーからのパノラマをご堪能ください」と話している。

▲クロスランドタワー▲ハートアイランド


問い合わせ
「東京スカイツリー天望回廊の外装カーテンウォール」について
●YKK AP(株)
http://www.ykkap.co.jp/

「クロスランドタワー」について
●(財)クロスランドおやべ
TEL.0766-68-0932
FAX.0766-68-0939
http://www.city.oyabe.toyama.jp//cross

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