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2009年 2月 18日 [ トピックス ]
No.391-1:映画「劔岳 点の記」完成、6月20日全国ロードショー
明治40年、その険しさから「針の山」と恐れられ、信仰上からも登ってはならない「死の山」とされた北アルプス・剱岳(2,999m)に果敢に挑んだ男たちがいた‥‥。“日本地図完成”という使命を果たすため、前人未踏とされた剱岳の山頂を目指した男たちの姿を描く映画「劔岳 点の記」が完成した。1月27日、富山市で開かれた完成記念特別試写会から木村大作監督の全国キャンペーンがスタート。6月20日(土)から全国公開される。
●名キャメラマンが富山の大自然を舞台に撮影
明治40年、その険しさから「針の山」と恐れられ、信仰上からも登ってはならない「死の山」とされた北アルプス・剱岳(2,999m)に果敢に挑んだ男たちがいた‥‥。“日本地図完成”という使命を果たすため、前人未踏とされた剱岳の山頂を目指した男たちの姿を描く映画「劔岳 点の記」が完成した。1月27日、富山市で開かれた完成記念特別試写会から木村大作監督の全国キャンペーンがスタート。6月20日(土)から全国公開される。
「劔岳 点の記」は新田次郎の同名小説を映画化した作品。明治39年、陸軍参謀本部陸地測量部の測量手、柴崎芳太郎は日本地図最後の空白地点を埋めるため、「陸軍の威信をかけて、剱岳の初登頂と測量を果たせ」と命じられる。立山連峰・剱岳は、その険しさを前にして、多くの優秀な測量部員をもってしても未踏峰のままだった。前任の測量手・古田盛作を訪ねた柴崎は、立山随一の案内人、宇治長次郎を紹介される。明治40年、柴崎ら総勢7人は周辺の山々の頂に三角点を設置し、剱岳に挑む。しかし、山頂までの道のりは想像を絶していた。登り切ることはできるのか、命をさらしてまで測量する意味はあるのか。日本山岳会との初登頂争いは‥‥。男たちはさまざまな思いと葛藤し、困難に向き合いながら、地図作りの任務を果たすべく登頂ルートを探る。
監督・撮影は、「八甲田山」、「駅 STATION」、「鉄道員(ぽっぽや)」など、日本映画史に残る名作・話題作の映像を生み出してきた名キャメラマン
木村大作さん。出演者は、測量手・柴崎芳太郎に浅野忠信さん、案内人・宇治長次郎に香川照之さん、測夫・生田信に松田龍平さん、柴崎の妻・葉津よに宮﨑あおいさん、日本山岳会・小島烏水に仲村トオルさん、元測量手・古田盛作に役所広司さんら、日本映画界を代表する豪華な顔ぶれが揃った。
●延べ200日以上を費やした過酷な山岳ロケ
木村監督は平成18年2月、能登半島旅行の帰り道、富山平野から剱岳を見て、その荘厳な景観に心を震わせた。剱岳は天に向かって屹立するかのような岩峰で、登頂するには高度な登山技術を必要とする国内でも難関中の難関といわれる山。このとき、木村監督は愛読書だった『劔岳 点の記』を読み返し、映画化の構想を膨らませたという。同年夏に構想を発表し、自ら脚本を手掛け、撮影の準備に取り掛かった。
撮影は、平成19年4月から20年7月まで、立山一帯を中心に延べ200日以上を費やした。100年前に実際に測量隊が三角点を設置した山々を忠実に登り、原作の流れに沿い、物語の順を追っての撮影という徹底したリアリズムを追及。純白の雪におおわれた立山連峰、夕日に染まる雲海、鋭くとがった岩峰を見せる剱岳‥‥。CGや空撮を一切使わず、雄大な山々を映像に収めた。
標高3,000mを越え、最低体感温度が氷点下40度以下の剱岳、立山連峰各所での撮影は、「これは撮影ではない。“行(ぎょう)”である」と木村監督がいうほど過酷なものだったようだ。俳優、スタッフは撮影のために、どんなに場所が遠くても山を登ってそこまで歩いていかなければならない。たとえば、剱岳の南に位置する剱沢小屋から目的地の池ノ平まで、撮影隊は延々9時間も歩き続けたという。厳しい自然に生命の危険をさらしながら、そして先人たちの労苦を体感しながらの撮影だった。その撮影隊を支えたのが、地元の山岳ガイドや山小屋の関係者たち。安全な登山路の案内のほか、岩登りなど危険なシーンではスタントの役割も担った。また、エキストラとして多くの富山県民が参加。100年前の富山駅として撮影に使われた富山地方鉄道・岩峅寺駅の前を人々が行き交うシーンなどでは、大勢のエキストラがロケを支えた。
東映(株)では「映画『劔岳 点の記』は、木村監督が50年の映画人生すべてをかけて取り組んだ作品。名誉や利のためではなく、仕事に誇りをもって挑む男たち、日本人が失いつつある、心の物語を描いている。撮影は、美しくも厳しい自然、そこに挑む人間の儚き姿をフィルムに焼き付けるため、長期にわたる過酷な山岳ロケとなった。そこから紡ぎだされた美しく、そして迫力のある映像で、ただ黙々と仕事に取り組む人々の姿を描いている。映画づくりに真摯に取り組んだ人々の魂ある作品にぜひ触れてほしい」と話している。
問い合わせ
●東映(株)映画宣伝部宣伝室
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