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2008年 9月 10日 [ トピックス ]
No.369-2:黒部川、清流ランキングで2年連続全国第1位
全国の一級河川(本川及び支川を含む166河川)を対象にした平成19年の水質調査結果が国土交通省から発表され、黒部川(黒部川水系)が清流ランキングで2年連続全国第1位となった。
●山岳地帯から一気に富山湾へと注ぐ
全国の一級河川(本川及び支川を含む166河川)を対象にした平成19年の水質調査結果が国土交通省から発表され、黒部川(黒部川水系)が清流ランキングで2年連続全国第1位となった。
清流ランキングは、水質調査地点が2点以上の一級河川を対象に、水質の汚濁の程度をあらわすBOD(生物化学的酸素要求量)の平均値で比較し、順位づけしたもの。BODは水中の有機物をバクテリアが分解するときに必要な酸素の量で、値が小さいほど水質が良いことをあらわす。黒部川はBODが平成18年と同じ0.5mg/Lで、北海道の尻別川(尻別川水系)、東北の荒川(阿武隈川水系)など、6つの河川と並び、全国で最もきれいな川とされた。ちなみに県内河川では、常願寺川と庄川(BOD:0.7mg/L)がいずれも全国で20位、神通川(BOD:1.1mg/L)が100位などとなっている。
黒部川は、北アルプスの中央部に位置する鷲羽岳を源流に、富山湾へと注ぐ流路延長85km、流域面積682平方km、平均河床勾配1/5〜1/119の国内屈指の急流河川。流域の年平均降水量は約4,000mmで、国内最大級である。水温は真夏でも冷たく、10〜15度。黒部川が清流を保っているのは、上流域が山岳地帯で中流域も人の生活圏ではなく、生活排水や農業用水などが流れ込まないことや、支流が少ないこと、山岳地帯に降った雨や雪解け水が一気に富山湾へと流れ下るといったことなどが理由として考えられる。
●水生生物による水質調査、子どもたちが実施
国土交通省では、河川に親しむ機会を提供し、河川愛護や水質浄化に関心を持ってもらうため、水生生物の生息状況の観察による水質の簡易調査も実施しており、黒部川では平成4年から黒部市内の小学5・6年生の希望者で構成される「くろべ水の少年団」(団員約30名)とともに毎年夏休みに、上流部(黒部峡谷・鐘釣)と中・下流部(黒部市・音沢大橋付近、下黒部橋付近)で調査を行っている。
調査では、河原に下り、水中を網ですくったり、石の下などから水生生物を採取。生物を観察し種類を確認して分類した後、「きれいな水」、「少しきたない水」、「きたない水」、「大変きたない水」の4段階で水質を判定。今夏の調査では、カワゲラやヒラタカゲロウなど、水質の良い場所に生息する生物が見られたことから、「きれいな水」と判定。中・下流部では、水生生物調査とともに河川清掃も行われており、子どもたちの環境意識も高まっている。
また、黒部川流域の黒部市立若栗小学校では、6年生がゴミの不法投棄防止を訴えるポスターを毎年夏に制作。今年は23人の児童が黒部川の河川敷約1.6km区間・11カ所に「ポイ捨てやめよう」、「きれいな川をいつまでも」などのメッセージを添えたポスターを黒部河川事務所の職員とともに掲示・設置し、環境美化活動を行っている。こうした活動が評価され、若栗小学校は県土美化推進協議会や富山一級水系水質汚濁対策連絡協議会から表彰も受けている。
国土交通省北陸地方整備局黒部河川事務所では、「黒部川は下流域で大扇状地をつくり、運んでくる良質な水は人々の暮らしを潤してきた。黒部市生地などの海岸部では全国名水百選に選ばれた湧水群がみられる。今後もきれいな川、水質の保全を推進していきたい」と話している。
問い合わせ
●国土交通省北陸地方整備局黒部河川事務所
TEL.0765-52-1122
FAX.0765-52-4211
http://www.hrr.mlit.go.jp/kurobe/