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1999年 9月 22日 [ 特産品 ]

No.046-1:富山生まれの酒米「雄山錦(おやまにしき)」、生産拡大へ


■人工交配によって誕生
 富山県農業技術センター農業試験場で開発された酒米の新品種「雄山錦」が、平成12年度から県の水稲奨励品種に採用される。昭和61年に開発に着手し、試験栽培を繰り返して約14年。富山産の酒米と富山の名水によって醸造された“富山ブランドの酒”の誕生に期待が集まっている。
 雄山錦は、「ひだほまれ」と「秋田酒33号」の人工交配によって生み出された新品種。良い酒米の条件として、米粒が大きくて、こうじ作りに必要な心白(米の中央部の白い部分)ができやすく、蛋白質含有量の少ないことなどが挙げられる。雄山錦はこれらの特徴を備えているほか、稲の幹が太く、倒れにくく、収穫量が多いのも魅力といえる。

■富山の気候・風土、豊かな自然が優れた酒米を生み出す
 県内ではこれまで約1,200ヘクタールで酒米が作付けされてきたが、主力は新潟県産の「五百万石」だった。この品種は、雨や風で倒れやすく、心白が小さくて出にくいという課題があり、富山の気候・風土と酒造りに適した酒米を望む声が高かった。 農業試験場では、今年度約30ヘクタールで雄山錦を試験栽培しているが、水稲奨励品種への採用を受けて、来年度から酒造メーカーの要望をふまえて、本格的に生産の拡大へと乗り出す。

■「大吟醸酒」醸造に期待
 さて、雄山錦で造られた酒の味はどんなものだろう。平成8年から県内の酒造メーカーで試験醸造が行われているが、「やや辛口で、やや濃醇」「ふくらみがあって、バランスがよい」「全国的な流通が期待される品種」と好評を得ている。吸水が速く、こうじ菌の繁殖力が強いことに加え、精白度を高めても砕けることが少ないために、大吟醸酒などの高級酒を造るのにも適しているようだ。
 富山県が誇る雄大な立山連峰(雄山)と豊饒の実りを感じさせる「雄山錦」の名称にあやかり、素晴らしい酒が誕生することを期待したい。

問い合わせ
●富山県農林水産部生産流通課
TEL 076-444-3283

●富山県農業技術センター農業試験場
TEL 076-429-2111

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