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2010年 9月 8日 [ トピックス ]
No.471-1:万葉ゆかりの地、富山から“越中万葉”の魅力を全国に発信!
『万葉集』の代表的な歌人・大伴家持が越中国守として5年間赴任し、223首の歌を詠んだ万葉ゆかりの地、富山県。奈良県で開催中の平城遷都1300年祭で、このほど「越中万葉歌めぐり」展を催し、“越中万葉”の魅力を全国に発信した。会場を訪れた人には、県内に数多くある万葉集ゆかりの歌碑や散策コースを紹介した「越中万葉歌碑まっぷ」を配布し、富山への来県を呼びかけた。10月1日(金)~3日(日)には、「高岡万葉まつり」が高岡古城公園で開催される。
●「越中万葉歌碑まっぷ」発行
『万葉集』の代表的な歌人・大伴家持が越中国守として天平18年(746)~天平勝宝3年(751)の5年間赴任し、223首の歌を詠んだ万葉ゆかりの地、富山県。奈良県で開催中の平城遷都1300年祭で、このほど「越中万葉歌めぐり」展を平城宮跡で催し、“越中万葉”の魅力を全国に発信した。
『万葉集』全20巻4,516首の中には、在任中に家持が詠んだ歌や家持の部下たちの歌、越中に伝わる歌など、“越中万葉”と呼ばれる337首が記録されている。家持にとって、豊かな自然環境のなかで暮らした越中時代は、生涯において最も精彩があったとされる時期で、独創的な歌の境地を作り上げた時代ともいわれている。
「越中万葉歌めぐり」展では、越中万葉の歌とそれにちなんだ県内の風景を紹介するパネルや家持ゆかりの越中国庁跡碑の原寸大模型を展示したほか、万葉衣装着用コーナー、特産品販売コーナーなどを設置。会場を訪れた人には、県内に数多くある万葉集ゆかりの歌碑や散策コースを紹介した「越中万葉歌碑まっぷ」を配布し、富山への来県を呼びかけた。このほか、「越中万葉朗唱の会」も開かれ、石井県知事、奈良の荒井知事をはじめ、高岡、氷見、射水、奈良の各市長や、愛好家らが万葉歌を高らかに歌い上げた。
発行されたばかりの「越中万葉歌碑まっぷ」(編集・発行:富山県教育委員会)は、携行に便利な蛇腹折りのポケットサイズで、広げるとA2判になる。県内には現在、万葉集歌を刻んだ歌碑が106件あるほか、記念碑として万葉故地を示す石碑や家持の顕彰碑などが10件、万葉秀歌を刻んだ橋の欄干が4件あり、説明パネルなども数多く設置されている。まっぷには、「越中万葉おすすめコースめぐり」として、伏木万葉歌碑満腹コース(高岡市)、氷見欲張り歌碑巡りコース(氷見市)、呉羽山贅沢散歩コース(富山市)など、7つのコースと各所要時間が記されており、歌碑巡りに役立ちそうだ。
このほか、県内最古の万葉歌碑、県内最新の万葉記念碑、県内最大の万葉歌碑、県内最高所の万葉歌碑など、特徴のある歌碑、記念碑も紹介されている。歌碑や記念碑の中には、書家の青柳石城、金井之恭、国語学者・国文学者の山田孝雄、佐佐木信綱、犬養孝、中西進ら著名人が書いたものもみられるという。
堅香子(かたかご)、都万麻(つまま) 、葦附(あしつき)など越中万葉にのみ登場する植物も多い。なかでも堅香子の歌は越中万葉のシンボルとして親しまれ、県内最多の6件の歌碑が建てられている。
富山県教育委員会生涯学習・文化財室では「県内には120もの万葉集ゆかりの歌碑、記念碑が建立されています。1300年の時を超え、万葉の世界をお楽しみください。万葉歌碑散策ルートは、9月中旬以降、富山県デジタル文化財ミュージアムの企画展示室でもご覧いただけます」と話している。
●連続三昼夜にわたり、万葉集全20巻4,516首を朗唱
10月1日(金)~3日(日)、「高岡万葉まつり」が高岡古城公園で開催される話題も紹介しよう。メインイベントとなるのが、「第21回万葉集全20巻朗唱の会」。全国から募集した2,000人を超える参加者が、古城公園のお濠に浮かぶ中の島特設水上舞台で連続三昼夜にわたり、万葉集全20巻4,516首をリレー方式によって声高らかに朗唱する大イベントだ。
「立山に 降りおける雪を 常夏に 見れども飽かず 神からならし」――参加者は華麗な万葉衣装を身にまとい、個人、あるいはグループで高らかに朗唱する。一人あたりの朗唱歌は3〜4首。歌い方は、百人一首調、歌曲調、朗読調、詩吟調、演歌調とさまざまで、それぞれの想いを歌に託す。夜の舞台にはかがり火が焚かれ、水面に映る幻想的な光が観衆を1,300年前の時代へと誘う。
高岡万葉まつりでは、万葉集全20巻朗唱の会のほか、「芸能発表」や「万葉大茶会」、観光ボランティアと行く「万葉故地めぐり」、ランタンの灯りが幻想的な「燈火の路」、「銘菓即売会」など、多彩なイベントが繰り広げられる。秋風に誘われて、「万葉故地めぐり」というのも高岡の旅の思い出をより深めてくれるだろう。高岡古城公園から高岡市万葉歴史館、渋谷の崎などをめぐるバスツアーで、10月1日(金)13:30~、2日(土)9:00~、13:30~、3日(日)9:00~に実施。所要時間は約3時間30分。各日・各時間とも先着20名となっているから早めの予約を。参加費は一人1,000円(入館料含む)。
高岡万葉まつり実行委員会では「水上の浮き舞台は、日中は緑の森を背後に、夜はライトに照らされて、幻想的に浮かび上がります。それぞれの朗唱に耳を傾け、万葉時代に想いを馳せてみてはいかがでしょうか」と話している。
なお、富山県教育委員会から「越中万葉歌碑まっぷ」を抽選で10名様にプレゼントします。プレゼント応募フォームに、プレゼント内容「越中万葉歌碑まっぷ」・氏名・郵便番号・住所・メールアドレス・電話番号・記事を読んでのご感想をご記入のうえ、お送りください。<9月12日(日)締切り。発表は発送をもって代えさせていただきます。>
問い合わせ
「越中万葉歌めぐり」展について
●富山県知事政策局
TEL.076-444-4081
FAX.076-444-3473
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1002/
「越中万葉歌碑まっぷ」について
●富山県教育委員会 生涯学習・文化財室
TEL.076-444-3456
FAX.076-444-4434
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/3009/
「高岡万葉まつり」について
●高岡万葉まつり実行委員会(高岡市商業観光課内)
TEL.0766-20-1301
FAX.0766-20-1496
http://www.city.takaoka.toyama.jp/sangyo/0402/kankou/event/manyou/manyou-top.htm