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2010年 9月 22日 [ トピックス ]

No.473-1:秋風に誘われて、運河クルーズ! 富岩水上ライン


 行楽の秋、爽やかな風に誘われて、富山駅北の富岩運河環水公園~富山港・岩瀬運河の岩瀬カナル会館間を運航する富岩水上ラインで運河クルーズを楽しんでみてはいかが。秋に咲くサクラや水辺で羽を休める水鳥を眺めながら、国指定重要文化財・中島閘門へ・・・。今夏、昭和初期の創建当初の姿に復原された操作室を見学。富岩運河環水公園のイベントも満喫しよう。

▲中島閘門とソーラー船「sora」(左)
操作室・操作盤(右)

●国指定重要文化財・中島閘門の操作室復原

 行楽の秋、爽やかな風に誘われて、富岩水上ライン(富山市)で運河クルーズを楽しんでみてはいかが。秋に咲くサクラや水辺で羽を休める水鳥を眺めながら、国指定重要文化財・中島閘門へ・・・。今夏、昭和初期の創建当初の姿に復原された操作室を見学。富岩運河環水公園のイベントも満喫しよう。

 富山駅北の富岩運河環水公園から中島閘門、さらに富山港・岩瀬運河の岩瀬カナル会館までの約7kmを片道約80分で結ぶ富岩水上ライン。今年は11月28日(日)までの土・日曜、祝日に、県のソーラー船「sora(そら)」、富山市のエコボート「もみじ」が共同運航している。運航ルートは、土・日曜、祝日が富岩運河環水公園~中島閘門(20分)、また、日曜・祝日には、1日2便富岩運河環水公園~中島閘門~岩瀬カナル会館となっている。

 富岩運河環水公園を出発した船は、木場橋、下新橋、大島橋、永代橋をくぐり、中島閘門方向へ。運河沿いには、春に開花するソメイヨシノのほか、秋と春の2シーズンに開花するジュウガツザクラやコシノフユザクラなどが植栽されており、船上から紅葉に映える“秋の花見”が楽しめる。

 富岩運河環水公園から20分のクルージングで中島閘門に到着。この中島閘門は、上流と下流の水位差2.5mを調整する閘門で、“水のエレベーター”と称されている。岩瀬カナル会館までのルートでは、船に乗ったまま閘室への進入や水位の調整を体験できるからお楽しみに。中島閘門は昭和9年に建造され、平成10年には昭和の土木構造物では全国で初めて国重要文化財に指定された近代化遺産。パナマ運河方式で、マイターゲート(合掌式ゲート)の上流扉と下流扉と門扉横の通水孔(通水扉)で構成されている。

 このほど復原された操作室は木造平屋建で、切妻屋根に破風板の装飾など洒落た佇まいが印象的。復原工事(平成20年7月~22年8月)では、基礎・木部の補修・構造補強、屋根桟瓦葺きの葺き替え、ドイツ壁・洗出壁の外壁補修、アルミサッシから木枠のガラス窓への取替えなどが行われ、昭和初期の姿によみがえった。操作室の中央部には、創建当初の尺貫法で目盛りが刻まれた黒色の重厚な大理石パネルでできた操作盤がそのままの姿で残されている。

 「操作室は中島閘門のシンボル。室内には24時間体制で閘門を管理できるように8畳の和室や内風呂が備わっており、建設当時は操作員の方が家族と一緒に生活されていた。復原をきっかけに中島閘門の役割や構造、復原内容などをパネルで紹介している。富岩水上ラインを運行する土・日曜、祝日(10:00~17:00)に無料で入場できるので、昭和初期の雰囲気を味わっていただける」と富山県土木部港湾課では話している。

 中島閘門から下流の岩瀬カナル会館までは、1時間のクルージング。船は電気モーターでスクリューを動かしているため、排気ガスを出さず、エンジン音も静かで振動も気にならない。環境にも人、運河の動植物たちにもやさしいエコな乗り物だ。中島橋、萩浦小橋などをくぐり、富岩運河から富山港へ。高さ約20mの富山港展望台や大型船を横目に見ながら岩瀬運河に入り、大漁橋、岩瀬橋をくぐると岩瀬カナル会館に到着。会館から徒歩約1分の所に富山ライトレール岩瀬浜駅があり、運河クルーズ乗り場で購入できる周遊チケット(富岩水上ライン片道チケット+富山ライトレール片道チケット)を利用すればライトレールに乗って岩瀬の街を楽しんでから、富岩水上ラインで環水公園まで戻ってくることも可能(当然逆コースも可能)。富山駅北ポートラムショップでも周遊チケットが購入可能。ちなみにライトレール代金分がお得な大人1,500円。富岩水上ラインのダイヤや乗船料金についての詳細は、ホームページで確認を。

●芸術の秋、水辺のアート空間へ

 富岩運河環水公園で開催されるイベントも楽しみだ。10月11日(月・祝)まで「GEIBUNオープンエアミュージアムin環水公園」(富山県・富山大学芸術文化学部連携事業)が催されており、富山大学芸術文化学部の教員、学生による作品(野外展示約52点、屋内展示4点)を鑑賞することができる。パブリックアートの一大野外ミュージアムといった趣。芸術の秋、水辺のアート空間で感性を刺激してみたい。

 10月17日(日)には、秋の「運河まつり」が開かれ、カヌー体験教室、飲食屋台、スタンプラリーなどが予定されている。環水公園の日(4~10月の第3日曜)のイベントとして、10月24日(日)の「オリエンテーリング 水辺のライブ ウォークツアー」では、宝さがしやライブ演奏などが催される。11月から来年2月までは、野外で楽しめる料理大会<カレーコンテスト:11月3日(水・祝)>やスィートイルミネーション、スィートクリスマス、花火大会などが予定されている。天門橋・展望塔に輝くイルミネーションや水面を幻想的に彩る花火は特に美しく、富山の冬の思い出をより深めてくれるだろう。

 富山県観光・地域振興局地域振興課では「富岩水上ラインは昨年中島閘門までの運航でスタートし、今年から岩瀬カナル会館までのルートを設けた。観光や環境学習の場として好評だ。富岩水上ラインと富山ライトレールを使った周遊もプランできる。富岩運河環水公園で開催されるイベントや中島閘門の見学、江戸期から明治期にかけて北前船交易で栄えた港町・岩瀬の散策などをゆっくり楽しんでほしい」と話している。


▲富岩運河環水公園(左) 冬の花火大会(右)


問い合わせ
「富岩水上ライン」、「富岩運河環水公園イベント」について
●富山県観光・地域振興局地域振興課
TEL.076-444-4116
FAX.076-444-4561
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1400/

「中島閘門操作室」について
●富山県土木部港湾課
TEL.076-444-3337
FAX.076-444-4419
http://www.pref.toyama.jp/cms_cat/303020/kj00005432.html

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