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2010年 12月 1日 [ イベント ]

No.483-2:「SCOT」、東京・武蔵野市の吉祥寺シアターで定期公演


 南砺市利賀村を拠点に活動する劇団「SCOT」が12月15日(水)~26日(日)、東京・武蔵野市の吉祥寺シアターで鈴木忠志氏の代表作の連続上演を行う。12月17日~21日(火)には「リア王」、24日(金)~26日(日)には「酒神 ディオニュソス」の公演がある。首都圏での公演を望む声が多いなか、南砺市利賀村と武蔵野市が1972年以来、姉妹都市として交流を続けてきたことから実現した。

▲「リア王」

●東京で定期公演・第一弾

 南砺市利賀村を拠点に活動する劇団「SCOT」が12月15日(水)~26日(日)、東京・武蔵野市の吉祥寺シアターで鈴木忠志氏の代表作の連続上演を行う。12月17日~21日(火)には「リア王」、24日(金)~26日(日)には「酒神 ディオニュソス」の公演がある。

 SCOT (SUZUKI COMPANY OF TOGA、主宰:鈴木忠志氏)は1976年、東京から利賀へ拠点を移し、合掌造りの民家を改造した劇場を「利賀山房」と名づけて活動を開始した。1982年には日本で初めての世界演劇祭「利賀フェスティバル」を開催。世界の演劇関係者の注目を集め、その舞台となった利賀は「世界演劇の聖地」と呼ばれるようになった。現在、利賀芸術公園を中心に、利賀の優れた芸術空間の中で、新しい舞台芸術の創造に取り組んでおり、毎年夏のSCOTサマー・シーズンでは、鈴木忠志演出作品連続上演、招待作品・コンクール上演などを行っている。

 東京での定期公演は、南砺市利賀村と武蔵野市が1972年以来、姉妹都市として交流を続けてきたことから実現。首都圏での公演を望む声が多いなか、吉祥寺シアターが観客席と舞台が密接で、小劇場運動の頃の佇まいを醸し出していることから会場に決まった。15日(水)は南砺市・武蔵野市民交流特別貸切公演となっている。12月25日(土)の「酒神 ディオニュソス」の公演後、田中幹夫南砺市長と邑上守正武蔵野市長、鈴木忠志氏の座談会も開かれる。

●来年3月26日、高岡文化ホールで「リア王」の公演も

 上演作品を紹介しよう。シェイクスピアの作品を舞台化した作品「リア王」は、家族の絆が崩壊し、病院の中で孤独のうちに死を待つしかない老人が主人公だ。その老人がどのような過去を生きてきたのか、その老人の回想と幻想という形式をかりて、舞台が進行していく。老人の孤独感、平静さを失う人間の弱さ、惨めさに焦点をあて、いつの時代、どこの国でも老人がリア王と同じような孤独と狂気の人生を生きる可能性のあることを表現している。今回は、ドイツ、アメリカ、韓国とSCOTの俳優による英、独、韓、日の4カ国語版で、日本語の字幕が付く。

 「酒神 ディオニュソス」は、アジアからやってきた酒の神ディオニュソスと、テーバイの王との激しい闘いを描いたエウリピデス(ギリシャの詩人)の戯曲「バッコスの信女」が原作。アジアから侵入してきた新宗教と、その布教活動を押しとどめようとする権力者との争いの渦中で、新宗教に入信した母親が息子である王を殺害してしまうという悲惨な事実が浮かびあがる。宗教と政治闘争のはざまで犠牲になる母の姿が2,500年の時を超えて迫ってくる……。

 SCOT・(財)舞台芸術財団演劇人会議では、「おかげさまでチケット完売の上演日があります。お早めにご確認ください。毎年12月、吉祥寺シアターで定期公演を行う予定です。また、来年3月26日(土)、高岡市・高岡文化ホールにて、SCOT俳優総出演による日本語版“リア王”を上演します。ご期待ください」と話している。


▲「酒神 ディオニュソス」


問い合わせ
●(財)舞台芸術財団演劇人会議 東京事務所
TEL.03-3445-8013、03-6408-6225(チケット予約)
FAX.03-3445-8012
http://www.scot-suzukicompany.com

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