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2011年 6月 29日 [ トピックス ]
No.512-2:“歴史都市”に認定、高岡市
高岡市策定の「高岡市歴史的風致維持向上計画」(市歴史まちづくり計画)が、歴史まちづくり法に基づき、国の認定を受けた。富山県内では初めての認定。「旧高岡町往来地区」(約308ha)と「伏木・吉久地区」(約139ha)を重点区域として、今後28事業を進めていく。平成26年度の北陸新幹線開業に向け、観光振興にも期待が高まっている。
●地域の歴史的な風情、情緒を活かしたまちづくりを
高岡市策定の「高岡市歴史的風致維持向上計画」(市歴史まちづくり計画)が、「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」(通称:歴史まちづくり法)に基づき、国の認定を受けた。富山県内では初めて、北陸では平成21年1月に認定された石川県金沢市に次いで2番目。計画の認定で“歴史都市”を掲げることができる。これで認定都市は全国で計26市町となった。平成26年度の北陸新幹線開業に向け、観光振興にも期待が高まっている。
「歴史まちづくり法」は、市町村が作成した歴史的風致維持向上計画を国が認定することで、法律上の特例や各種事業によって、地域の歴史や伝統文化を生かしたまちづくりを支援するもので、平成20年5月に公布され、同年11月に施行された。歴史的風致とは、歴史と伝統を反映した工芸技術や地域固有の祭礼・年中行事といった人々の営みと、その舞台となる歴史的な町並みや歴史的建造物とが一体となって形成されている良好な市街地環境のことをいう。
高岡市は、富山県の北西部に位置し、富山市に次ぐ県下第2の都市。歴史を遡れば、奈良時代に伏木の地に越中国府が置かれ、万葉集の代表的歌人である大伴家持が国守として赴任し、数多くの秀歌を詠んでいる。江戸時代に入り、慶長14年(1609)に加賀藩2代藩主・前田利長が“関野”と呼ばれる地に高岡城と城下町を築き、高岡の町を開いた。その後、3代藩主・利常による商工振興策や町民らの努力により、高岡は商業の町として発展を遂げる。
現在、高岡市では、高岡銅器や高岡漆器、菅笠といった工芸・民俗技術が受け継がれており、高岡御車山祭、伏木曳山祭などの祭礼・年中行事も営まれる。国宝・瑞龍寺や、高岡御車山祭を守り伝えている山町筋重要伝統的建造物群保存地区、高岡鋳物発祥の地・金屋町などの歴史的な町並み、歴史的建造物と相まって、高岡らしい風情、情緒、佇まいを醸し出している。
●高岡御車山会館の建設など28事業
高岡市の計画では、維持及び向上すべき歴史的風致として、「商人のまちと祭礼行事に見る歴史的風致」、「利長・利常への報恩感謝と前田家の遺産に見る歴史的風致」、「鋳物のまち金屋に見る歴史的風致」、「北の玄関口伏木・吉久と祭礼行事に見る歴史的風致」、「勝興寺と寺内町に見る歴史的風致」、「旧北陸道と菅笠づくりに見る歴史的風致」の6つを挙げている。また、国宝・瑞龍寺や、山町筋、金屋町、旧北陸道沿いの在郷町などを含む「旧高岡町往来地区」(約308ha)と、国重要文化財・勝興寺、旧伏木村や吉久の町並みなどを含む「伏木・吉久地区」(約139ha)を重点区域として設定している。
高岡市では、国の補助金や交付金を受け、今後10年間で、計画に盛り込んだ28事業を進めていく。瑞龍寺法堂の銅板葺屋根・禅堂の柿葺屋根の保存修理、勝興寺の大広間・式台などの重要文化財11棟の保存修理、旧伏木測候所の遺構である伏木気象資料館(国登録有形文化財)の望楼復原、金屋町キュポラ工場跡地整備事業、新幹線新高岡駅(仮称)と瑞龍寺を結ぶ参道整備事業、山町筋での高岡御車山会館の建設、高岡御車山保存修理事業、菅栽培調査、前田家関連史跡調査など、具体的な事業を挙げている。
高岡市では、「歴史まちづくりを通して、“市民が高岡の歴史と伝統に誇りと愛着を持って生活できるまち”、また、“おもてなしの心を持ち、来訪者に高岡の歴史、伝統、文化を語ることができるまち”、歴史都市・高岡の確立を目指していきたい」と話している。
問い合わせ
●高岡市都市整備部都市計画課景観・まちづくり担当
TEL.0766-20-1407
FAX.0766-20-1414
http://www.city.takaoka.toyama.jp/toshi/1001/html/keikan/rekimachi.html