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2007年 3月 14日 [ イベント ]

No.291-1:春の足音が聞こえる季節! 立山黒部アルペンルートと黒部峡谷鉄道の開通情報


 冬から春へと移りかわる季節。北アルプスを貫く国際的な山岳観光ルート・立山黒部アルペンルートでは、4月17日(火)の全線開通に向けて立山有料道路の除雪が急ピッチで進んでいる。トロッコ電車の愛称で親しまれている黒部峡谷鉄道は、4月20日(金)に宇奈月駅−鐘釣駅までの区間運転、4月28日(土)に欅平までの全線が開通する。

●眼前に雪の壁がそびえる雪の大谷へ

 北アルプスを貫く国際的な山岳観光ルート・立山黒部アルペンルート。平成19年度の全線開通は例年通り4月17日(火)、立山駅から弥陀ケ原までの部分開通は4月10日(火)となっている。

 全国的に記録的な暖冬となった今冬。アルペンルートの玄関口となる立山駅周辺でも積雪が少なく、立山駅と美女平を結ぶ立山ケーブルカーでは、軌道上の除雪の手間がかからず、運転再開に向けて順調にケーブルカーの点検・整備が行われている。

 シーズン中、高原バスが行き交う立山有料道路(桂台〜室堂:総延長28km)でも、現在急ピッチで除雪作業が進められている。2月下旬から始まった除雪は順調に進み、現在、弥陀ケ原手前の弘法・七曲あたり(標高約1,700m)。道路測位システム(GPS)によって雪に埋もれた道路の位置を正確に割り出しながら作業が行われており、4月上旬には室堂までの除雪が完了する。

 積雪に関していえば、平野部では暖冬といっても、室堂の積雪は現在約6mで平成17年の同時期とほぼ同じくらい。標高2,450mではあたり一面、銀世界が広がり、下界とは別世界という印象だ。今年で14回目を迎える「立山・雪の大谷ウォーク」<4月17日(火)〜30日(月)10:00〜14:30>では、何mの高さの雪の壁が見られるか楽しみ。雪の大谷は、山岳地特有の強風と地形で室堂周辺でも特に積雪が多い場所で、昨年は最高ポイントで19mの高さがあった。約500mにわたって続く雪の壁を間近に見上げながら、春の立山の息吹を感じてみたい。また、5月7日(祝・月)〜31日(木)にも雪の大谷が散策できる。例年5月末でも10m近い雪の壁が残っているので見ごたえたっぷりだ。

 昨年行われた散策案内「美女平原生林トレック」と「室堂・雷鳥ウォッチング」が今年も開催されることも話題。美女平原生林トレックでは、立山杉とブナの巨木が生い茂る原生林を散策しながら、バードウォッチングや自然観察が楽しめる。春の美女平は野鳥の宝庫でオオルリなどの美声が心を癒してくれるにちがいない。室堂・雷鳥ウォッチングでは、専門知識を持った案内人がライチョウの生態を詳しく解説する。この時期はペアリングから抱卵の時期で、遊歩道沿いの岩やクイの上に陣取り、縄張りを見張るオスのライチョウの姿を見かけやすい。じっとして動かないその姿に「人形が仕込んであるのでは?」と昨年の参加者からは驚きの声も上がったほどだという。両コースとも実施期間は5月19日(土)〜6月30日(土)<所要時間 約2時間半、参加費 1,000円>。定員15名で事前予約(立山黒部貫光(株)営業推進部TEL.076-432-2819)が必要となっている。

●黒部峡谷鉄道、4月28日に全線開通

 断崖絶壁にへばりつくようにして走るオレンジ色の愛らしいトロッコ電車、目も眩むほどの深い谷に架かる後曳橋・・・・。立山連峰と後立山連峰に深く刻まれた黒部峡谷。日本で一番深いV字峡へと誘ってくれる黒部峡谷鉄道も今シーズンの営業再開に向けて、電気機関車や車両の点検・整備などが着々と進められている。雪崩などによる破損を防ぐため、一部外されている橋桁も今後、除雪しながら順次敷設が行われる。

 鉄道沿線の積雪は例年を大きく下回っており、営業運転のスケジュールは例年より早まる予定。例年4月20日に区間運転を始める宇奈月駅−猫又間は鐘釣まで延伸して運転、5月1日の欅平までの全線開通もいつもより3日早い、4月28日(土)に決まり、今シーズンの営業に向けて、春の足音が一歩一歩近づいている感じだ。

 トロッコ電車の春の旅の魅力といえば、原生林の芽吹きや新緑をはじめ、エメラルドグリーンに輝く黒部川、満々と水を湛えるうなづき湖など、さまざまな表情を見せる景観。峡谷を渡る薫風も心地よいだろう。峡谷の春の訪れを全身で感じたいならば、窓のないオープン型の普通客車をおすすめしたい。風がダイレクトに吹き込むが、これぞトロッコ電車ならではの醍醐味。ただし、防寒着の用意はしていきたい。また、天候が悪い場合は、窓付きの特別客車や、天井の一部がガラス張りのパノラマ客車、ゆったりとした座席のリラックス客車を予約したほうがいいだろう。

 ゴトン、ゴトンとリズミカルな音を響かせながら峡谷を進むトロッコ電車。刻々と変わる大自然の景観を楽しみ、自然と一体となれるのが峡谷探勝の魅力だが、黒薙温泉や鐘釣温泉など沿線に点在する温泉を電車の時刻を確認しながら“はしご湯”するのも楽しみだ。宇奈月駅から約25分。後曳橋の手前にある黒薙駅で下車し、山道を15分ほど歩くと、山峡に黒薙温泉が現れる。トタン屋根と木造2階建てのひなびた外観が秘湯の雰囲気を醸し出す一軒宿。名物は黒薙川の畔りに設けられた露天風呂で、巨石を組んだ風呂に浸かり、樹木の芽吹き、深山幽谷の景観を眺めていると、心身がすっと軽くなっていくだろう。宿泊はもちろん、日帰り入浴も楽しめる。鐘釣温泉は河原に湧出する温泉が興趣をそそる。河原を掘り、小石を組み上げて、自分だけの露天風呂を作ってみるのも一興だ。春はまだまだ肌寒いが、開放感いっぱいの湯浴みが体感できる。宇奈月駅から約1時間20分。終点欅平では、岩盤を削ってできた人喰岩、両岸から岩が迫る猿飛峡、大岩壁が圧巻の奥鐘山などを眺めたあとに河原展望台・足湯で旅の疲れを癒したい。
 
 眼前に広がる雄大な景観、樹木の緑と残雪のコントラスト。耳を澄ますと聴こえてくる野鳥のさえずり、川音、風音。立山や黒部峡谷の大自然の息吹に触れられる春の富山観光は感動の時間に満ちている‥‥。



問い合わせ
<「立山黒部アルペンルート」について>
●立山黒部貫光(株)営業推進部
TEL.076-432-2819
FAX.076-442-3431
http://www.alpen-route.com/

<「黒部峡谷」について>
●黒部峡谷鉄道・営業センター
TEL.0765-62-1011
FAX.0765-62-1724
http://www.kurotetu.co.jp/

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