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2006年 7月 12日 [ トピックス ]

No.256-1:富山弁の温かさにふれよう


 富山弁の魅力を伝えようと開催されたイベントの開催結果や商品開発の話題をお届けしよう。コント、落語調、弁論調‥‥富山弁を織りまぜた抱腹絶倒のスピーチ大会となったのが「しゃべらんまいけ! とやま弁大会」(5月開催)。「富山県方言番付表」と「越中富山弁手ぬぐい」は富山弁の世界に浸れる逸品だ。

▲中央が最優秀賞を受賞した本田斎さん

●富山弁による初めてのスピーチ大会

 先人から受け継がれてきた言葉の文化、方言。富山弁の魅力を伝えようと開催されたイベントや商品開発の話題をお届けしよう。コント、落語調、弁論調‥‥富山弁を織りまぜた抱腹絶倒のスピーチ大会となったのが「しゃべらんまいけ! とやま弁大会」。富山弁に焦点を当て、その魅力を再認識し、地域づくりの輪を次世代へと広げていくことを目的に、富山商工会議所などで組織とする実行委員会が企画した。

 大会には、小学4年生から60代まで幅広い年齢層が出場。1次選考を通過した個人・団体12組の弁士が、5分間の持ち時間でふるさと富山の自然や名産、味覚などについてユーモアたっぷりに富山弁でスピーチを繰り広げ、会場は終始笑いに包まれた。最優秀賞や優秀賞、敢闘賞など全員に賞が贈られたことも微笑ましい。

 「そや、あんにぁに、いわんならんと思とったことがある。おれとこの、あんねよ、とうとう嫁にいくがよ(訳:そういえば、あなたに言わなければと思っていたことがある。私の長女がようやく嫁にいくことになった)」「あんね、嫁にいく。いやー、いきそった、いきそった。そいがや。あんたも、あっかり、したやろがいね(長女が嫁にいく。それは驚いた。驚いた。あなたも安心したでしょう)」----最優秀賞を受賞した本田斎さんは、2人のおじさんの会話を携帯電話からの奥さんの声も交えながらコミカルに表現。掛け合いすべてに富山弁を使い、富山弁のよさ、笑いのなかに富山弁の温かさを伝えた点が評価された。    

 その他、優秀賞に輝いたのは、子どもをテーマに表現し、最後に富山弁ならではの駄洒落で締めくくって会場から盛んに拍手が送られた小学4年生・山田尚輝くんや、ごっつお(ごちそう)を富山弁で紹介して富山弁のあいさつで会場を沸かせた藤岡洋子さん。

 大会実行委員会事務局では、「富山弁が育んできた豊かな文化や郷土愛を見つめ直す機会となった。また富山弁の魅力をあらためて感じることができた。来年以降も開催し、富山弁の魅力を全国へ発信していきたい」と話している。

●東の横綱は「きのどくな」、西の横綱は「きときと」

 「しゃべらんまいけ! とやま弁大会」の開催をきっかけに制作、来場者に配布された「富山県方言番付表」が話題となっている。富山商工会議所が勧進元(発行元)で、方言研究家の簔島良二さんが編集、富山大学人文学部の中井精一助教授が監修したもので、約400語の富山弁が紹介されている。制作にあたり、県民や富山大学の県外出身の学生らにも富山弁についてアンケートをとり、番付に反映させたという。

 東の横綱は「きのどくな(ありがとう)」、大関は「だら(ばか)」、張出大関には「また、こられ(またいらっしゃい)」、関脇には「つかえん(構わない)」、小結には「だいてやる(おごってやる)」、西の横綱は「きときと(生き生き)」、大関は「まいどはや(こんにちは)」、張出大関には「いとしい(かわいそう)」、関脇には「こーりゃく(手伝い)」、小結には「うしなかす(紛失する)」と、日常よく使われる方言がずらりと並ぶ。番付の欄外に「ちゃ」、「なーん」、「まいけ」などを解説する“得意技”、「あんま(兄・長男)」「あねま(姉・長男の嫁)」などの“呼び出し”、「あかまま(赤飯)」、「おけそく(白い丸餅)」などの“越中食彩”、「まついか(ほたるいか)」などの“富山湾魚介”が設けられている点もユニーク。番付表を眺めるだけで富山の方言や味覚などに手軽にふれることができる。

 富山弁を染め抜いたオリジナル柄の日本手ぬぐい「越中富山弁手ぬぐい」(1本1,050円)が和装・和雑貨を製作・販売する水持産業(高岡市)から商品化されたことにも注目したい。

 だやい(だるい)、いくそる(おどろく)、だちゃかん(だめだ)など、48の富山弁が黒地にからし色と白色で染められたユニークな日本手ぬぐいだ。富山弁と富山弁の間には、おわら踊りや高岡大仏、合掌造り、ホタルイカなどのイラストもレイアウトされている。富山弁の意味が分かるように48語を紹介した名刺サイズの解説が添えられているのも気がきいている。  

 同社の直営店「和楽庵」では「県外からのお客様に手ぬぐいで富山をPRしようと製作しました。手ぬぐいで小物やバッグ、コースターなどを手作りしてみるのもおすすめ。このほか、チューリップやライチョウ、福光の干柿、おわら踊りなどをモチーフにした手ぬぐいを秋まで順次製作していく予定です。特に若い世代に和装文化を発信していきたいですね」と話している。

 なお、富山商工会議所から「富山県方言番付表」を抽選で5名様にプレゼントします。プレゼント応募フォーム(http://toyama-brand.jp/present.html)に、プレゼント内容「富山県方言番付表」・氏名・郵便番号・住所・メールアドレス・電話番号、記事を読んでのご感想をご記入のうえ、お送りください。<7月16日(日)締切り。発表は発送をもって代えさせていただきます。>


▲越中富山弁手ぬぐい


問い合わせ
<「しゃべらんまいけ! とやま弁大会」、「富山県方言番付表」について>
●富山商工会議所産業振興部
TEL.076-423-1170
FAX.076-423-1114
http://www.ccis-toyama.or.jp/toyama/

<「越中富山弁手ぬぐい」について>
●水持産業(株)・和楽庵
TEL.0766-25-3300
FAX.0766-25-3302
http://www.warakuan.jp/

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