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2002年 10月 23日 [ イベント ]
No.104-2:江戸絵画の巨匠・狩野探幽の屏風、真筆と鑑定される
●画面構成に優れ、探幽の作品のなかでも上等の部類
富山県水墨美術館が昨年富山市民から寄贈を受けた「花鳥図屏風」が、江戸幕府の御用絵師、狩野探幽(1602〜1674)の全盛期の真筆と鑑定された。
屏風は「六曲一双」(縦153センチ×横356センチのものが2双)で、探幽が37歳から59歳の間に制作したとみられる。竹林や鶏などが描かれており、「狩野法眼探幽斎守信筆」の落款がある。探幽は江戸時代初期に活躍した画家。二条城と名古屋城の大障壁画、日光東照宮といった歴代将軍家の霊廟装飾などを手掛け、江戸・狩野派の基礎を築いた。その瀟洒な画風は以降の江戸時代の絵画全体に大きな影響を与えたとされる。
屏風の鑑定にあたった京都国立博物館・京都文化資料研究センター長の狩野博幸氏は「京都でもなかなか目にすることができないほどの作品で、近年見た作品のなかでは一番良い」、元武蔵野美術大学学長の水尾比呂志氏は「この時代に描かれた作品としては保存状態が良い。画面構成が優れており、探幽の作品のなかでも上等の部類に入るものであろう」と絶賛しており、日本で最も権威のある美術雑誌とされている『国華』(10月20日発売号)に屏風についての論文が掲載されている。
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●水墨をテーマにした国内でもユニークな施設、富山県水墨美術館
屏風は、現在東京都美術館で開催中の「生誕400年記念特別展 狩野探幽」(会期:10月19日〜12月8日)に協力出品されている。同展には、「雪中梅竹遊禽図襖」(名古屋城)、「四季松樹図屏風」(大徳寺)、「松鷹図」(二条城)などの代表作を中心に全105点が展示されており、探幽の多様な魅力に出会うことができる。
なお、富山県水墨美術館は、自然に囲まれた静かな環境のなかで、水墨画など日本文化の美を鑑賞することができる和風の美術館。館内には竹内栖鳳、横山大観、菱田春草、川合玉堂ら近代を代表する作家の作品を常設展示するほか、富山県砺波市出身の日本画家・下保昭氏の初期から最新作に至る代表作も展示されている。また、茶室や日本庭園なども見ごたえがある。
問い合わせ
●富山県水墨美術館
TEL 076-431-3719