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2004年 12月 22日 [ トピックス ]
No.175-1:富山からデザインを発信!「富山プロダクツ」
●デザイン性などにすぐれた工業製品を認定
デザインの重要性は、情報化社会の中で国際競争力が問われるこれからの企業にとって大きな鍵を握っている。そこで平成11年9月、高岡市戸出のオフィスパークに(株)富山県産業高度化センター、富山県総合デザインセンター、高岡市デザイン・工芸センターの3施設が通称「サン・センター」としてオープン。デザイナーの資質向上及びデザイン開発型企業の育成を目的に、商品企画からデザイン開発、流通販売までのモノづくりをトータルに支援している。
富山県内の企業の技術レベルは全国でもトップレベルにあり、技術開発段階では多くの実績を誇っている。しかし、残念ながらそれらを有効に活かした独自の商品を開発する点において、多少力不足の観があった。そこで、サン・センターが、既存の技術開発段階での「製品」を、デザインによってよりグレードアップ、より洗練された「商品」へと変えていく役割を担っている。
●高岡の銅器の技術を生かした商品など、いろいろな「富山プロダクツ」
富山県総合デザインセンターの取組みの一つが、県内で企画、製造される性能、品質及びデザイン性にすぐれた工業製品を「富山プロダクツ」として認定し、県内外に販路開拓を支援する制度。創設されて今年度で3年目を迎えるが、これまでに28点が選定商品となっている。ホームページからいくつか紹介しよう(http://www.toyamadesign.jp/jigyou/tps.html)。銅器の町・高岡市にある竹中製作所の「コロン・sui、コロン・en」は、再生アルミを使用したスイング型の卓上時計で、平成13年度のグッドデザイン賞を受賞。能作の「ぐい呑・小鉢」は、酸化しにくく、水を浄化する特性がある錫を用いた商品。高岡の伝統産業・鋳物の技術が生かされている。ライルの「アクアルーチェ」は、高度なガラス曲げ加工技術によって、ボウル部分と化粧天板を一体成形したガラス洗面化粧台。アイザック石埼産業の「ビーモールド」は、おが屑・コーヒーかすなどを植物性廃棄物を原料に、生分解性の接合材を用いて成形した環境にも配慮した花鉢。ユニークな商品としては、以前に記事で紹介したナンワの「透明防具盾」もある(2002.11.13記事『「透明盾」が2002年度グッドデザイン賞・中小企業庁長官特別賞を受賞』http://www.cap.or.jp/INT/No105/t-10502.html参照)。このほか多様な商品が選定されており、どの商品もデザイン性にすぐれ、一見して手にとってみたくなるものばかりだ。
県総合デザインセンターは、商品企画やデザイン開発、流通販売までの支援をのほか、デザインに関わる人材の育成、デザイン情報の発信、ミラノとのデザイン交流などを行っている。同センターでは「大量生産・大量消費の時代から多品種少量生産の時代を迎え、人の感性に訴えるデザインの重要性がクローズアップされている。富山の企業が持つすぐれた工業技術とデザインを結び付け、魅力的な商品を生み出す支援をしていきたい。富山発の商品に期待を」と話している。
なお、この制度では、1年を通して認定の申請を受け付けているが、毎年度11月1日から翌年1月15日の間を集中募集期間としているので、ぜひ応募してほしい。対象商品は、食料品及び医薬品を除く、すべての工業製品。応募資格は県内に工場または事業所を有する方で、申請書と商品見本(商品の全体がわかる写真やカタログ、図面も可)を同センターに提出。審査の結果、富山プロダクツとして選定された商品には、知事より選定書が交付され、「富山プロダクツマーク」の使用、同デザインセンター・エントランスでの常設展示、各種展示会への出品支援といった特典が受けられる。
問い合わせ
●富山県総合デザインセンター
TEL.0766-62-0510
FAX.0766-63-6830
E-mail:dc5@toyamadesign.jp
http://www.toyamadesign.jp